さて今日ご紹介する作品は「装甲騎兵ボトムズ」「蒼き流星SPTレイズナー」などの名作アニメを手掛けた高橋良輔監督のロボットアニメである、リアルな戦闘描写で自衛隊の活躍を現実的に描き、和風テイストな演出や、SFロボットアニメでは珍しい伝奇などを取り込んだ、異色の異色作とも言えるロボットアニメ作品「ガサラキ」を紹介したいと思います。
物語は、謎の存在である「ガサラキ」が残したオーバーテクノロジーによって、日本の社会を陰から操っていた一族・豪和家は、人が乗り込む鬼である骨嵬(クガイ)を使い、人型兵器であるタクティカルアーマーの開発へと成功した事から始まります。
日本の歴史の古来から存在していた骨嵬によって新たなる兵器として造られてしまったタクティカルアーマーの存在は、やがて反米クーデターへの兆しとなってしまい、自衛隊を掌握し、日本の権力を手に入れようとする勢力の暗躍を許してしまいます。
その渦中の存在となる主人公の豪和憂四郎(ごうわ ユウシロウ)は、特務自衛隊の教導団第3実験中隊へと配属され、「インヴィテーター」と呼ばれる謎の少女であるミハルと共に、ガサラキの正体を知ろうと動いてきます。
SFロボット作品のテイストの中に、日本古来の怪奇や伝奇などの妖怪などの存在を見事に組み合わせ、独特な世界観を演出しつつ、超科学の結晶であるタクティカルアーマーが絶対無敵のロボットではなく、戦車や航空機などに弱く、暴徒の威圧と制圧にと、その存在感はリアルな考証の下で演出されています。
圧倒的な存在ではなく兵器として発展途上の存在と、実に現実感のある兵器の存在感が、この作品の主な見どころとなり、OPでのリアルなタクティカルアーマーの整備シーンなど、いつも楽しみに見ており、またこのタクティカルアーマーのデザインも筆者のツボとなっていました。
またこの作品の公判で目立つ政治色の強い雰囲気など、往年の「装甲騎兵ボトムズ」「蒼き流星SPTレイズナー」で培われた高橋監督の演出と流石な見どころがあります。
ただ悲しいのは本作の評価は低くされており、監督本人も当初に想定していた演出ができなかったと言っており、主人公を上手く演出できなかったとインタビューで語っているなど、寂しいモノを感じます。
また本作は劇場版の企画もあったにも関わらず、お蔵入りと非常におしい作品でもあるのです。
ファンとしては是非に劇場化してほしい名作でもあります。
ガンダムなどのロボットアニメが好きでロボット系のアニメ作品は必ず視聴しておりますが、やはりスーパーなロボットよりも、やはり政治色の強い深いリアルロボットモノ作品が好きな、そんな濃ゆいライターでもありますが宜しくお願い致します。
(C) 1998 ガサラキ サンライズ
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