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20余年の時を越え、再び空の彼方に躍る影!OVA版 GATCHAMAN(ガッチャマン)

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アニメーションメーカーの老舗「タツノコプロ」が送り出した「科学忍者隊ガッチャマン」と言えば「誰だ、誰だ、誰だ!」…のフレーズで始まる主題歌を何処かで耳にした事がある…かもしれない程に高い知名度を誇る作品と言えるでしょう。

何処かしら愛敬を感じるタイトルとは裏腹に、容赦も妥協も無く息つく間も無く迫り来る謎の敵を前にしながら、高度な科学技術と鍛え抜いた身体能力を巧みに組み合わせた「科学忍法」を駆使して命懸けの戦いを繰り広げる姿は日本アニメ史上におけるSFヒーロー像の一つとして強く印象付けられています。

その放送終了から20年。かつて同作に心打たれた少年の一人であり、世界を驚かせる伝説的キーアニメーターとなった「梅津泰臣」氏を作画監督に迎えたリメイク作品が本作「GATCHAMAN」です。原作が本来備えていたハード・アクションのテイストを「梅津泰臣」氏一流の強烈な表現力によって最大に引き出され、ハイスピードアクション、或いはミリタリー・メカの要素からも魅力満載の作品として進化を遂げています。

「タツノコ作品は子ども向け…」そんな先入観を覆すクオリティを是非体感して下さい!

目次

容赦無しに迫り来る破滅的デッドエンド!ハード過ぎる展開に心が滾る!

本作は全3話、映画サイズ120分前後の尺という事もあって、その物語は冒頭より敵陣営・ギャラクターとの緊迫感溢れる戦いが繰り広げられます。
最初に迫り来るは都市制圧型巨大メカ・タートルキング。トボけた印象すら受ける名前とは裏腹に、そのサイズ、重量、兵器として圧倒的堅牢性と破壊力を誇る威容は、通常兵器はおろか科学忍者隊と同水準の威力を誇る「レッドインパルス」擁する戦闘機すら退け、易々と世界の主要都市を危機へと陥れる凄まじさを見せ付けます。

為す術無く破滅の縁へと立たされる世界が最後に繰り出す希望、科学忍者隊すらも正面切っての戦いでは多勢に無勢、持てる技能と装備の数々を駆使してギリギリの死闘を繰り返す事となります。

純然たる圧倒的戦力差を持って粛々と世界を攻め落とさんとする総裁X率いるギャラクター、その腹心にして自身も凶悪な戦闘能力を有するベルク・カッツェ。苛烈極まりない展開の中で、それでも踏み留まり逆転の一手へ向けて死地へと立ち向かいギリギリの戦いを繰り広げるガッチャマン達の手に汗握るドラマは、映画一本分としては明らかに語りきれない程の圧力を最初から最後まで見る側にぶつけて来るものに仕上がっています。

その物語については、朝日ソノラマ文庫から小説版も刊行されているので、一見の価値があります。

圧倒的展開と奇跡のクオリティ!老舗アニメプロダクションの本気を見よ!

原作となる「科学忍者隊ガッチャマン」は、日本アニメーション史上においてその名を語らずには居られない「タツノコプロ」が送り出した作品であり、本作はその流れを受けた制作会社「ARTMIC」が持てる力を投入して作り上げたリメイク作品となっています。

本作のクオリティを語る上で筆頭となるのは、やはり作画監督・キャラクターデザイナーを勤めた「梅津泰臣」氏。
その流麗ながら力強い筆致で描き出される躍動的肉体美は、鋼のような健康体でありながらしなやかなエロティシズムさえ感じさせる芸術性すら帯びた絵面が所狭しと展開されます。

氏の表現はキャラクター単体に留まるのみならず、その凄まじい描写力をそのままに、美しくも破壊的な動作を圧倒的表現力でもって「動かして」見せるキー・アニメーションの描画に本領を発揮します。

そのアクションセンスは海外においても高い評価を得ており、本作はその極致の一つとして語られるべきクオリティを誇っていると言えるでしょう。
そして「ARTMIC」という制作会社を語る上で忘れてはならないのが、武骨な作り込みを有するメカニックの数々。
アクションシーンの作り込みが本作の「動」を象徴するならば、装備品から巨大兵器まで金属と油と電子機器の重々しさを叩き付けるこちらは「静」を象徴すると言える魅力です。

メカデザイナーに「山根公利」氏を迎えた本作では、タートルキングの如き圧倒的質量を持った重量兵器から、計器類に至るまで執念を持って描き出されたレッドインパルスの最新鋭戦闘機、そして科学忍者隊が擁する最強兵器ゴッドフェニックスに至るまで、圧倒的存在感を持った魅力満載の兵器類が画面を埋め尽くします。
最早全編を通じて「見所しかない」と言っても過言ではない本作。隅から隅までお楽しみ頂きたい一本です。

実は音楽もすごい!

映像作品としてシナリオやアニメーションで破格のクオリティを誇る本作ですが、並んでとてつもない存在感を放つのがテーマ曲やBGMなどの音楽です。
それもそのはず、なんと音楽担当として名を連ねるのが、1970年代のミュージックシーンで知られた「アース・ウィンド・アンド・ファイアー」のバンドリーダーである「モーリス・ホワイト」氏。

各話のエンドクレジットで流れるテーマ曲「Let’s Fly」は、その豊かな音楽性を多分に感じられるナイーブながら羽ばたく火の鳥の如き力強さを思わせる印象的なナンバーに仕上がっています。

ホントにスゴいんですこの作品

日本のみならずワールドサイズで実力者が集ったと言える奇跡的作品である本作、ミリタリーやファイティングアクション作品としてのタツノコヒーローズの印象を一挙に塗り替える事間違い無しの一作を是非ご覧下さい。

昔のアニメをハードなテイストで描き直すとここまで「カッコよく」なるのかと思わせてくれる極めつけの一作。ホントにスゴいんですこの作品。

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GATCHAMAN (C) 竜の子プロダクション (C) 1993 日本コロムビア株式会社

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