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数年前の夏の話

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数年前の夏。
大学の夏休みに実家に帰った私は親父に「今日は一緒に海でも泳ぐか?」と誘われた。
私の実家は20数件からなる村であり、海と山に囲まれた田舎であった。夏になれば海で泳ぐことが習慣になっており、親孝行も込めて一緒に泳ぐことにした。

水着に着替え、何十年も泳ぎ慣れた海へ向かうと200~300m先の沖合に何かが浮いたり沈んだするのがうっすら見えた。
「だれかおぼれてないか?」と自分がいうと親父が「助けてくる」と泳ぎだした。
自分も後を追い、泳ぎだしその浮いたり沈んだりしていたものが見えた地点までたどり着くと、そこには何もなかった。
お互い見間違えだったのではないかと話をつけ、そこからもう少し先に行くことになった。
しかし自分は「本当に見間違いだったのか」と悩みながら泳いでいると足に何かがかみついてくる痛みが走った。
泳ぎながら足を見てみると自分の足に小魚が群がり噛みついている様子が見えた。
一瞬でパニックになり水を飲み思うように泳げなくなってしまった。

その時、親父が「大丈夫か!」と助けてくれて何とか正常に戻ることができたが、精神的にこのまま泳いでいると危ないと思い、「先に陸に上がって休む」と親父に告げ陸へ帰ることにした。
無事に陸に上がり数十分くらい休み、気持ちが落ち着けるくらいになると親父が返ってくるのが見えた。
もう帰ってくるのかなと親父を見た瞬間、右手を挙げて大きな声で「助けろ!!!!!」といい沈んだ。
何が起きているかわからないがやばいことが起きてると本能的に察し、親父を助けに泳いだ。

無事に助けることはでき「足がつって泳げなくなって溺れそうになった」とのことだったが右足のふくらはぎはなぜか腫れていた。
家へ帰り今日起きたことを親戚一同の前で話をすると、みな下を向き暗い雰囲気に包まれた。
一つ空いて叔母が「実は今日兄が子供のころ海で亡くなった命日なの。」と言った。

ペンネーム: kuraxtuch
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※画像はイメージです。

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