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怪奇幻想×士官学校!青春ダークファンタジー「神軍のカデット」

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軍隊と特殊能力を組み合わせた作品は挙げればキリがない。またオカルトやファンタジーと相性がいいのもミリタリー要素だ。使われすぎていささかベタな気もするが、ベタがいちばん楽しめるのも事実。

そんなわけで今回ご紹介する『神軍のカデット』(著 川端新)もまた、軍隊と伝奇ファンタジーを組み合わせたマンガ作品である。昭和初期、陸軍幼年学校を舞台に繰り広げられるダークファンタジー『神軍のカデット』。

今回はその魅力について紹介していこう。

目次

舞台は陸軍幼年学校!主人公が飛び込んだ世界で出会うものとは?

さて今回ご紹介する『神軍のカデット』。物語は主人公の少年、有賀が陸軍幼年学校に入学する所から始まる。実はこの有賀”眷属”と呼ばれる超自然的な存在の加護を受ける存在で、さらに入学した先の幼年学校で同じく眷属を操る力を持った少年、橘と出会い大きな運命に飲み込まれていく……というのがざっくりとしたあらすじだ。

残念ながら描かれなかったものの、ゆくゆくは2.26事件につながる物語であることが冒頭で示唆されているとおり、本作は実際の歴史をベースにしており、ファンタジー要素だけでなく歴史のifが楽しめるのもいいところ。

またキャラクターも魅力的で、熱血でピュアゆえにやや暴走しがちな主人公有賀と、飄々とした美少年だがどこか影のある橘のコンビは好対照。衝突を繰り返しながら成長していく二人の姿は見ていて微笑ましい。また”眷属”の能力設定や、影で暗躍するカルト教団などベタではあるが漫画やアニメに慣れ親しんだ身にはむしろ受け入れやすく、スッと作品世界に入りこんでいけるだろう。

幼年学校という新たな世界に飛び込んだ主人公たち。特殊な能力や時代のうねりに翻弄されながら、一体何を手にしていくのか。気になった貴方は本編で見届けてみてはいかかだろうか。

あなたが知らない軍学校の暮らしとは?『神軍のカデット』は舞台設定にも注目!

さてダークファンタジー『神軍のカデット』は陸軍幼年学校が舞台。陸軍幼年学校とはその名の通り未来の陸軍士官を養成する機関の一つ。作中ではそんな幼年学校での学校生活も詳しく描かれている。本作のみどころは主人公たちの特殊能力や、それをめぐって繰り広げられる騒動にあるのだが、先に述べたような主人公たちの陸軍幼年学校生活も大きな見どころとなっている。

ミリタリーや歴史に詳しくてもなかなかイメージしづらい昭和初期の軍学校生活。エンタメによせて改変されているところもあるが、確かに漫画で表現されるとわかりやすく、「こうだったのか」という発見がある。軍学校ならではの制度や規則に感心したり、現代の私たちの生活との共通点を見つけたりなど、舞台設定からも楽しめるポイントは多いだろう。ファンタジーにさほど興味がない人でも、こうした当時の軍隊生活に触れる目的で作品を読んでみるのも良いのではないだろうか。

おすすめ!

ご覧いただいたように『神軍のカデット』はさっぱりとした青春ダークファンタジーの体裁をとりつつも、昭和初期の軍学校や史実をモチーフにしたなかなかみどころが多い作品だ。
残念ながら打ち切り的な終わりかたをしてしまっているものの、読んで損はない。気になった方はぜひこの機会に一度読んでみてはいかがだろうか。

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神軍のカデット (C) 川端新 ビッグコミックスピリッツ

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