2018年の春、人気漫画「ゴールデンカムイ」がアニメ化されました。
これを祝って作品に登場する武器をご紹介します。
「ゴールデンカムイ」とは?
野田サトル先生による、日露戦争後の明治末期の北海道を舞台にした漫画作品で、週刊ヤングジャンプにて、2014年から連載されています。
主人公は「不死身の杉元」の異名を持つ元軍人の杉元佐一。
彼は日露戦争の旅順要塞攻防戦で生き残り、その異名を持っています。戦友との約束を果たすべく一攫千金を狙って北海道にやってきたのですが、アイヌの少女「アシリパ」と出会い、彼女と仲間になりお互いに助け合いながら、まさざまな敵や自然と闘いながらアイヌの秘蔵の金塊を手に入れようとする冒険譚です。
「不死身の杉元」の三十年式小銃
そんな一代アドベンチャー物語の主人公杉元佐一の愛用の小銃が「三十年式小銃」です。
明治30年に採用された、大日本帝国陸軍のボルトアクション式小銃なのです。ただフィクションとはいえ、元軍人で日露戦争を生き抜いて除隊したという事ですが、なんで当時の正式小銃を除隊後も保有しているのか・・・という疑問はひとまず置いときます。
それで小銃のお話です
大日本帝国陸軍は日清戦争時には、十三年式や十八年式村田単発銃を主力の小銃として正式採用、使用していました。片や敵である清国軍では、ドイツから口径7.92mmの連発式ボルトアクション式小銃、Gew88を保有していて、当然これは村田銃よりも優れていて、そのため新しい連発式小銃の開発が急務となったのです。
三十年式小銃は、装填子(ストリッパークリップ)が使用可能な尾筒弾倉式で、連発を実現することで装填を容易にし、また、弾倉底板(フロアプレート)を着脱式にする事で、装填済の弾薬の排出も極めて容易になりました。
発射薬には無煙火薬を使用し、口径は6.5mm(三十年式実包)と小口径にすることで、命中率向上を図ります。設計には先のドイツ製Gew88を始め各国の銃の優れた要素を取入れたもので、新規の機構などはありませんが、信頼性が高い傑作小銃となったのです。
この小銃こそが、後に太平洋戦争時にも使用され、日本軍の小銃の代名詞ともなった三十八年式小銃(通称サンパチ式歩兵銃)の原型になったのです。
写真協力 image credit:25番 たかひろ様
(C) 野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会
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