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沈黙と明暗が織り為す死闘の表現ここに極まれり「劇場版ゴルゴ13」をご紹介!

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鋼の意思を思わせる太い眉毛、その下には刃よりも鋭い眼光を湛え標的を見据える切れ長の目…「劇画」と称された日本発のコンテンツでその姿を知らぬ者は居ない孤高の狙撃手デューク・東郷こと、作品名ともなっているコードネーム「ゴルゴ13」の生き様を描く、故「さいとう・たかを」氏の名作です。

その孤高にしてプロフェッショナリズム溢れる姿は多くの人を惹き付けて止まず、日本政界においても愛読者を持つと言って何ら不思議は感じさせません。

今回紹介するのは、そんな名作の魅力を「出崎演出」で知られる「出崎統」監督によって劇場版アニメとして再構成し、その魅力を存分に引き出したもので、作者である「さいとう・たかを」氏も賞賛したと言われる作品です。

目次

超A級狙撃手「ゴルゴ13」その「非現実的なリアリティ」が交錯するプロフェッショナルの姿を刮目して見よ!

不可能に不可能が重なったとしか見えない難攻不落の依頼でも、引き受けた限りは入念な下準備とあらゆる要素から一筋の可能性を見出し、絶対的な腕前から成功の道筋を完璧に辿ってみせる…正しく「プロフェッショナル」を絵に描いた、依頼者には全幅の信頼を、標的には絶対的な死を意味する「ゴルゴ13」という存在を「生々しく」描き出したと言えるのが、この「劇場版ゴルゴ13」という作品です。

ともすればその超人的能力や技術、不可能な仕事を「手品のように」こなしてみせる部分が語り草となってしまうあまり、非現実的な存在として滑稽にも見えてしまいかねないその存在に対し、作者である「さいとう・たかを」氏が「臆病な程に慎重」とも表したその人間性を表わすように、一撃へ全霊を込める為のあらゆる手練手管、技術から道具の選別に至るまでを徹底する部分を描き出し、その性能を最大に引き出す事で以て「必殺」の仕事を組み立て、成し遂げるという「リアリティ」と感じさせる仕上がりとしているのが、本作の大きな魅力となる部分であると言えます。

その一例となるのが「ゴルゴ13」ことデューク・東郷の愛用する「M16」について語られる部分です。
軍事知識に通じた方ならご存じのように「M16」はいわゆるアサルトライフルに分類される銃器であって、本来狙撃を目的とする用途にはあまり使われるものではないとされます。
狙撃用にカスタマイズが施されているとは言え、より使いやすく選別する事は出来るはず…と作中でも触れられる事に対し、大事なのは「信頼性」だとこだわりの一端を通じて見事にその「信頼」を仕事で以て表わして見せるのです。

難攻不落の城砦と化し、人外魔境の化生と化した敵が蠢く戦場で身一つとなろうとも、そのあらゆる「技術」で以て攻略してみせる・・・余裕ではなく、プロフェッショナルとして徹底的に磨き上げられた「全幅の信頼」が為す、安定感すら感じる「戦い」は、全編を通じてあまりに静かな、而して触れれば燃え上がる苛烈な熱さで以て展開されます。
そのひりつくような「リアル感覚」を是非ご覧あれ。

生と死の隙間で苦悶に軋む人間の「顔」を叩き付けるように表現する「出崎演出」の妙味がここに結実!芸術性すら感じる描写力に驚愕する!

「ゴルゴ13」ことデューク・東郷と言えば、その顔をご存じの方であれば同時にご存じであろう、文字通りの「鉄面皮」や「ポーカーフェイス」と言える表情の無さが特徴です。

その顔に表情が浮かぶことは、全編を通じてもごく稀であると言われる程の徹底した冷徹さである一方で、本作「劇場版ゴルゴ13」においては「言葉にならない感情」が渦巻く作品となっています。
それは主人公たる「ゴルゴ13」本人もさる事ながら、標的やその関係者に加え「姿無き敵」として描かれる人物も含めた人間関係が織り為す「激情の渦」とでも言うべきものです。

「ゴルゴ13」が依頼を通じて動いたならば、それは必ず何処かで人が死ぬという事…その渦中にあって、誰かの死を思う人があり、誰かの死を悼む人があるというごく当たり前の事を「激しく」描き出す「出崎演出」の妙味と言えるものです。
「出崎統」監督が得意とする「表情や姿を大写しにした止め絵にセリフや効果音を乗せて魅せる」という表現に代表される、一瞬を切り取った息遣いや表情で表現される「言葉にならない絶大な感情」を見せ付けてくる表現。狙撃を始め、あまりに突出した腕前故に「一瞬で決着をつける・・・ついてしまう」世界の物語である「ゴルゴ13」という作品世界に対し、凄まじく重厚な人間の感情をこれでもかと叩き付けてくれます。
曰く言い難いその「生と死が交錯する一瞬」の「物語」は、是非一見して頂きたい珠玉の表現だと言えるものです。

発表から53年!既刊203巻となる長大なシリーズ!!

本作が原作とする「ゴルゴ13」は、発表から53年を数え既刊203巻となる長大なシリーズとして、ギネスワールドレコードにも登録された作品として知られています。
それは2021年逝去された「さいとう・たかを」氏がライフワークとして積み重ねられ、没後も続けていけるだけの体制を構築されたという背景からなる骨太の作品性を物語るものだと言えます。

特にその差異として語られる、劇場版作品などでは語りきれないようなジャーナリスティックな部分…国際情勢や社会情勢を物語の要素として取り入れていく部分などは、原作特有の味わいとされます。
今回紹介させて頂いた劇場版は導入部となる「ゴルゴ13という人物像」に深く切り込んだ作品と言えるものなので、ここから原作へと楽しみを広げて行かれるのも一興と思う次第です。

強さの秘訣が牛乳だったり、N国外務省から依頼を受けてセキュリティのアドバイスをしたりと昨今でも尚活躍の幅が広い男、デューク東郷。原作に詳しくなくとも姿を見た事があるキャラクター筆頭ではありますまいか。

東宝
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(C) ゴルゴ13劇場版 さいとう・たかを 東宝東和

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