私の祖母は昔から色んな物が見えていました。例えば他の人が見えないような幽霊や、先を読むような夢など。
普段は視力がかなり悪く、眼鏡に虫眼鏡のセットでようやく物や文字が見えます。
ゾッとするような事を日常から言う祖母。
朝学校の支度をしていると、「おはようございます。」と祖母の声がしました。夏場で窓が開いていたのでふと見ると誰も居ない道路に会釈をしながら挨拶していました。
不審に思い、「何で誰もいないのに挨拶したの?」と聞くと「え?そこの斜め前のお家の御主人が歩いてたんだよ。挨拶したのに無視されて嫌な感じだねぇ。」と言っていました。私が見えないところにいたのかな、と思い気にしていませんでした。丁度その事があったのは朝の7時くらいだと思います。
特に気にせず学校に行き、その事は忘れて帰ってくると急遽のお知らせの回覧板が来ました。
そのまま祖母に渡して宿題を済ませました。祖母は回覧板の字が小さすぎて読みにくいようで、母が帰ってくるのを待ちました。母が帰り、回覧板の内容を見ると何と斜め前の御主人が亡くなったと言うのです。
朝奥さんが起きると亡くなっていたそうです。しかし、そこで不思議なのは私の祖母が朝御主人に挨拶をしているのです。不思議に思っていると、「あそこの御主人、死んでたんだねぇ。どおりで挨拶してもなぁんも言わないわけだ。」と祖母が言いました。
生きている人間と死んだ人間が同じように見えるらしいことをそこでハッキリと知りました。しかし、私はまだ幼かったのもあり、あまり気にしていませんでした。そんな出来事も忘れる頃です。ご近所の血縁のあるお婆ちゃんが突然亡くなった時期です。もう歳だったのでそろそろかな、と言われていました。私は式には出なかったのですが、祖母と祖父が式に参列し、肩身である食器棚を貰いました。
その食器棚は祖父が貰ってきた物でしたが、祖母は「これはなんか嫌な感じがする。」とずっと言っていました。そして、食器棚が家に置かれた日からずっと祖母がうなされるのです。「変な夢を見るんだ。まるで地獄に連れていかれるようだよ。」と。食器棚が来てから1ヶ月後。祖母が転んで打ちどころ悪く足を骨折しました。
そこからです。祖父の腸ポリープが悪化して入院したり、私が階段から落ちて怪我したりと怪我が続きました。あまりにも怪我が続く為、これはおかしいとお祓いにも行きましたが効果なし。更には私の身内の不幸な知らせが続きました。家族内で続く不幸に、何か原因があるのではないかとみんなで考えました。
そこで、祖母が言ったのです。「あの食器棚じゃないかい?あれは変だよ。何がとは分からないが変なんだ。」みんなで考えたのですが、不幸な出来事の始まりはあの食器棚。そう思うと怖いし、確かにキッチンの雰囲気も暗くなったような変な感じがずっとしていましたりそこで食器棚を処分することにしたのですが、流石に遺品で曰く付きの疑惑があるものを捨てられないので、そのままそっくりもらったお家に返すことにしました。
すると不思議とぴたっと怪我や不幸が消えたのです。キッチンの雰囲気も戻り、祖母がうなされる事もなくなりました。これで解決したと思うとホッとしたお話しです。他にもありますが、ダラダラになってしまうのでここまでにします。因みに祖母が食器棚がある期間に見た夢は亡くなったお婆ちゃんに足を引き摺られて炎の海に連れ込まれる夢だそうです。
完全に引き摺り込まれていたら、と思うとゾッとしました。
※画像はイメージです。
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