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祖母の墓はどこに行ってしまったのか?

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母は10人兄弟の長女で小学校を卒業後、東京の食堂に住み込みで働き、有力者から父を紹介されて嫁いだ。
母が嫁ぐと祖母も家にやってきて、次第に弟や妹たちまでも母を頼って住み着いてしまった。

母は「皆んなの面倒をみながら嫌な顔ひとつしない。生き神様か菩薩様のようだ」と、誰もが褒めるほどの人物なのだが、自分の親、つまり祖母には思うところがあったらしく、年をとって病の床に倒れても介護は疎かだった。

母曰く、祖母は子だくさんなのに自分の勤めを忘れ、子供たちを放り出して遊んでばかりいたらしい。
三度の食事は与えるけど、寝たきりの部屋に行くのは食事の時だけ。私は祖母が可哀想に思い、よく部屋にいって話し相手になっていた。
その祖母も寝たきりになり、数年後に亡くなった。

目次

行われた葬儀

葬式は母が取り仕切り、母の実家で葬儀が行われた。墓地は寺の入り口の東側に穴が掘られ、樽のような形の棺に座ったまま納められた。
だいぶ昔のように思われるだろうが、昭和の終わり頃。大抵は火葬されるが、なぜか祖母は土葬。
すごく恐ろしかったけれど、埋められる前に棺を覗くと祖母はまるで生きているようで、私は「待って、まだ生きている!」と叫んで、母や親戚になだめられたのを覚えている。

よく年、母と墓参りに行ったが墓の場所が違っているのだ、叔母も兄たちも山の中腹にある墓にお参りしている。
「おばあちゃんの墓はお寺の入り口にあるでしょ?」と聞くと、
「おまえ、何を言ってるんだ?火葬場で焼いて、ここに埋葬しただろ?」とみんな当然だと言う顔つき。

それから立ち会った親戚たち、ひとりひとりに確認したが、それぞれが葬儀の始まりから違っていた。
参列者も近所の人がたくさん来たと言っているが、覚えているのは親族のみだったはず。

私だけが記憶をすり替えてしまったのか?何か悪い夢でも見たのか?

33回忌を迎え

そして33回忌を迎え、私もいっぱしの大人になっていたが、幼児期の1番の謎だ。
「おばあちゃんは、あの坂の上の寺で葬儀をしたでしょ?」と確認するように母に聞いた。

すると従兄弟の一人が口を挟み、その話によれば。
母方の家は神社でおばあちゃんは土着信仰の巫女だったが、母が間違えて手配して祖母の葬儀が行われた。
いつの間にか祖母の墓が移っていたのは、後から神主である従兄弟がどうしても納得できず改葬したようで、墓地が変わった異常に気がついたのは、私だけだったらしい。
記憶の修正なんて不思議ではなかったのだが、ようやく記憶と一致した。

巫女???

そして従兄弟に言われたのが、「おまえ、不思議なことに気がつく事がたくさんあるだろう?次の女の子はお前だけだ、いずれ巫女に担ぎあげられるぞ」と。

そうだ我が家も、母の実家も男子ばかり。
巫女とはどのようなものか?担ぎあげられると何か起こるのか分からないが、厄介事に巻き込まれるのは間違いない。
なるべく関わらないようにしたい。

※画像はイメージです。

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