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ガンダムの強さは「ガンダリウム合金」・・・その凄さとは?

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「機動戦士ガンダム」の世界で「謎」と言える「キーワード」を探したならば「ミノフスキー粒子」や「ニュータイプ」と並んで語られるのは「ガンダリウム合金」ではないでしょうか。

地球連邦が捲土重来を企図した「V計画」。モビルスーツ戦での甚大な格差を一挙に覆す新素材「ガンダリウム合金」を用い、機動性と堅牢性を併せ持つ高性能モビルスーツ建造計画において現れたそれは、量産機でありながら凄まじい威力を発揮したジオン主力モビルスーツ「ザク」を過去の物としてしまう程の性能を示す事になりました。
しかしその驚異的な性能とは対照的に、内実は語られる事が少なく、錯綜する情報と相まって「最も謎が深い存在」とすら言えるものになっています。

今回はそんな「夢の素材」である「ガンダリウム合金」について、作中で描かれている姿や現実での金属に関する話題を参考にしてその内実を想像してみたいと思います。年末進行と言う事で、寛大な気持ちで読んで頂ければ幸いです!

目次

「ガンダリウム合金」謎に満ちた性質を劇中の表現と設定

「合金」とは、複数の金属を組み合わせて作るもので、素材にする金属の特性を併せ持つ、或いは合わせる事で新たな性質を持つ事もあるものとして、現実においても様々な種類が作り出されています。
こうした合金の名称は「チタン合金」のように主となる物質を冠する場合と「ジュラルミン」や「青銅」のように固有の名称を与える場合があります。

この点から見た場合「ガンダリウム合金」は、月から算出される金属「ルナチタニウム」を主原料として作られる合金であるとされ、混ぜられる他の金属については詳細こそ判然としないものの「ガンダリウム」と明示される存在が見当たらない事から「ガンダリウム合金」とは「ルナチタニウムに何らかの金属を配合し、特殊な加工を加えた合金」という製造法ないし製造された合金を指す名称であると考えられます。

続編…「一年戦争」から7年後の世界を描いた「機動戦士ガンダムZ」において、製造法に改良を加えられ、より安価で加工も簡単になったとされる「ガンダリウムγ」の登場によって、初期型を「~α」初期型を改良したものを「~β」とする系譜が形作られた事が「ガンダリウム」という名称が示す意味を表わしていると言えます。
問題は「配合」や「特殊な加工」という部分を示す資料がほとんど存在していない事から、どのように作られたものであるのかが不明という点です。

資料の不在という問題

この「資料の不在」という問題を物語的な観点から考えると、月に本社を置く「アナハイム・エレクトロニクス」が「ルナチタニウム」の採掘権と共に「ガンダリウム合金」製造技術を独占的に得る事で「一年戦争」以降のモビルスーツ開発に極めて強力な優位性を得た…という事があったのかもしれないと想像が膨らむものではあります。

こうして製造された「ガンダリウム合金」…後の観点に基づくと「V計画」の時点では「ガンダリウムα」であったとされるもの…は、同時期のモビルスーツにおいてですら一線を画す程に軽量且つ硬いという驚くべき性質を持っていた一方で「硬すぎる」事が裏目になり、加工が困難という根本的な欠点を抱えてしまう事になりました。
しかしこれは「困難」であっても「不可能」ではなかったという事で、実際に「ガンダム」を始め僚機となる「ガンキャノン」「ガンタンク」を含めた3機のモビルスーツ生産にこぎ着けてるという事実があります。

この「加工性」を裏付けると言えるのが、劇中において同じ「ガンダリウム合金製」であるとされる盾が破壊されたり、機体の外装部が傷付けられるといった描写です。
これは「ザク」の白兵戦用武器「ヒート・ホーク」や、陸戦機「グフ」の電磁鞭「ヒート・ロッド」等の「高温による溶断」を用いた兵器によるものや、更に強力な熱量(エネルギー)を有する「ビーム兵器」によって破壊される描写が確認されています。

一方で「ザク・マシンガン」…現行兵器の戦車砲に匹敵する120mmという強力な火砲を連射されながら実質的に無傷という凄まじく頑強な性質も表わしており、これらの描写を比較する事で強度を推測する事になります。

「ガンダリウム合金」兵器や工学からトピックを拾い集めてみる

「ガンダリウム合金」のように軽量で強固な素材が求められる領域と言えば、現実では戦闘機や戦艦、戦車と言った兵器分野が最も必要とする領域だと言えます。
分けても被弾の危険性が高く、生存性を高める為に強固な装甲が求められるのは戦車であり、装甲に関する工学的な知見が最も詰め込まれた分野であると言えるでしょう。

もちろん最新の情報は機密事項に抵触するものである為、一般的に触れる事が出来るものは大まかな話となりますが、比較的最近の動向としては「複数の素材を重ねて想定される攻撃に備える」という発想に基づく「複合(積層)装甲」が採用されている事が示されています。

これは身近な所でも「鉄筋コンクリート」という、重く頑丈なコンクリートと変型に強い鉄筋を組み合わせる事で、巨大な重量と変型という異なるダメージへ対応する構造が採用されている事などからも分かるものと言えます。
戦車の装甲は、主に「強化セラミックス」と、チタンやタングステン等の「金属」が用いられるとされます。
「強化セラミックス」とは素材の選定や特殊な製法によって強度が上げられたものではありますが、ものとしてはいわゆる「焼き物(セラミックス)」の一種に当たります。

作り方次第では

こう言うと意外に感じられる向きもあるかもしれませんが、作り方次第では極めて「硬い」ものを作る事が可能であり、現代の対戦車砲弾として主力となっている「APFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)」や「HEAT(成型炸薬弾)」等の「超高速で破壊力を侵徹させて内部を破壊する」形態の攻撃に対し、侵徹しようとする力を壊れ行くセラミックスが削いでいく事で威力が大きく減殺され、内部まで破壊が及びにくい為有効とされます。

一方で前述のものよりも速度の遅い攻撃…銃砲弾や爆弾等に対してセラミックスは同じように「割れてしまう」為に弱く、金属製の装甲が有効とされます。
このように、現行ではあらゆる攻撃に対して絶対的な安全性を確保する素材というものに辿り着けては居らず、その工夫が「複数の素材を組み合わせる」という結論を得ている状況だと言えます。

翻って「ガンダリウム合金」を見てみると、こちらも「あらゆる攻撃」に対するとまでは言えないものの、少なくとも宇宙という極めて厳しい環境…極低温、超高温、磁性、放射線などの被曝に耐え、且つ旧世代とは言え主力戦車の主砲クラスを事実上無力化出来る程の尋常では無い強度を持つ「金属」という、高性能な複合素材をも凌駕する素材である事が示唆されています。

この現行の素材とは完全にかけ離れた性能を実現する「可能性」として考えられるのが「無重力」を用いた合金の製造方法です。
この方法は、地球上(重量下)では「水と油」のように密度が一定以上異なる物質を均一に混合する事が極めて困難であるのを無重力下であれば均一に混合する事が可能となり、新たな性質を持つ混合物の開発が期待されているものです。

アナハイム・エレクトロニクス

現在では国際宇宙ステーションの実験室レベルで研究が進められてはいますが、未だ理論段階にある技術とされます。
「宇宙世紀」の世界では、月に本拠地を置くとされる「アナハイム・エレクトロニクス」が月の主力資源である「ルナチタニウム」を「秘匿された技術」によって加工する事で「ガンダリウム合金」が完成する事から、立地の優位性を活かす意味で低重力、もしくは無重力での精錬が含まれる事が考えられます。

ここから推論を拡げると「ガンダリウム合金」とは「ルナチタニウム」に強度を高める何らかの金属を添加し、無重力下で精錬、分子配列を整え高密度な合金として作り上げているのではないかと考えられます。
更に合金を形成する際に、強い衝撃を変型して分散させながら元の形へ戻ろうとする程に強い「超弾性」を有した「形状記憶合金」としての性質や、科学番組において取り沙汰される「片栗粉の水溶液に衝撃を加えると分子の密度が高まって硬くなる」という現象である「ダイラタンシー」の性質等を添加出来るようになる事で、戦車砲の威力すら平然と受け止めてしまう事も出来るようになる…かもしれません。

あくまで可能性…それも極めてご都合主義的な妄想の類いではありますが、それでも「将来的な夢はある」話として「無重力合金」の話題を紹介させて頂きました。

フェイズ・シフト装甲は一つの回答

ちなみに「装甲」というものの性能を考える上での余談として「宇宙世紀」から離れた作品である「機動戦士ガンダムSEED」シリーズには、装甲それ自体の特性として強度を高めるのではなく、機体からエネルギー(電力)を供給する事でその性質を励起させる「フェイズ・シフト装甲(PS装甲)」と呼ばれるアプローチが存在しました。
この方向性は、金属そのものの性質を極限まで高めるという方向性から、金属へエネルギーを供給する事で変性…実質的に強化…するという形で、ある種の力場のように強度を上乗せするという発想で「ガンダリウム合金」という「謎」への回答を試みたというものでした。

これは「相転移(フェイズ・シフト)」という現象によって「反射能」…特定波長の光を反射する事で「その色に見える」という性質を持たせ、これを以て「ガンダム」の兵器として不似合いであるとも言われるトリコロールカラーへの回答も見せたという面からも面白い着想として、直接関係の無い話題ではありますが合わせて紹介するものです。

ガンダリウム合金

今回は「機動戦士ガンダム」における「ガンダリウム合金」が「現実的にどのような存在か」という、ある種「タブー」や「ナンセンス」とされる観点へ踏み込んで見る事で、空想の物語が現実とどのくらいの距離があるのかという部分に迫る試みとさせて頂きました。
こうした話題は「だから夢物語である」というような否定的な文脈で見るのではなく、いずれ実現するかもしれないという「未来への手掛かり」とする事で物語をより身近なものとして一層楽しめるアプローチであると個人的に興味を持っては楽しんでいる次第です。

実物大の「ガンダム」が歩いてみせるようになった現代にあって、いずれ「ガンダリウム合金」のように凄まじい性能を持ったものが、戦争以外の用途で広く使われる時代が来て欲しい…そんな風に想像を巡らせて楽しむという見方もある事に、興味を持って頂ければ幸いです。

新たな挑戦をしてみたく、文系設定好きが分を越えて理工学系のアプローチに踏み込んでみました!…ツッコミ所は年忘れとしてお許し頂きたく。

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