「進撃の巨人」敵国マーレのレべリオ区へで行られたタイバー家による宣戦布告の式典にあつまったマーレ国の上層部を壊滅させる作戦を、先に潜入していたエレンと連携しつつ、新型の立体起動装置を用いて闘う調査兵団の兵士たちが描かれました。
そもそも「進撃の巨人」の舞台は実際の歴史上のものではなく、架空の地域(多分にヨーロッパ的な感じでは描かれていますが)を舞台としたお話でした。しかし昨今の、ジーク・イェーガーの策略に応じたパラディ島の壁内人類(調査兵団がメイン?)が、その武器・資材などの支援を受けて調査兵団の兵士の装備に小火器を装備し、使用しているシーンが描かれました。これが架空の銃ではなく、どう見ても「モーゼルC96」っぽいので、今回この銃を調べてみました。
「モーゼルC96」は1896年から1937年まで、およそ41年も製造・使用され、最終的な生産数は100万丁以上とも言われている拳銃です。大元のドイツ以外でも、中国やスペインなどでコピー品の生産も行われたそうです。但し、正式に採用した国は中国などほんの一部しかなかったようですが、イギリスなどでは多くの将校がC96を愛用したと言います。後にイギリスの首相となる、青年将校のウィンストン・チャーチルも愛用者の一人でした。
この拳銃の最大の特徴である、引き金の前方に弾倉がある・マガジンハウジングを持つデザインは、当時グリップにマガジンハウジングを収容する方式が特許取得済みだったために採用されたとも言われているようです。しかしこのおかげで、銃本体の重心が前にあることで正確な射撃が可能となり、ストックを併用するとカービンタイプの小銃の代用品として使用できたことから、中国方面の馬賊などに好んで使用されていました。調査兵団の兵士によるレべリオ区への急襲作戦では、普通に拳銃として使用されていましたが、個人的には調査兵団は馬に乗る騎兵なので、せっかくであればストックを付けてカービン風に使用するところを見たかったと感じました。
(C) 進撃の巨人 諫山創 講談社
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