トイレの花子さんは、80年代にブームにもなった有名な都市伝説。
学校のトイレの怪異で、だいたいの場合、学校のトイレをノックし「花子さんいらっしゃいますか?」と言う、返事が返ってくると赤いスカートでおかっぱ頭の少女にトイレに引きずり込まれる・・・。
ですが、僕たちの学校ではちょっと違っていたのです。
古くて怖い小学校
僕の通っていた小学校は開校から120年以上も経っている非常に古い小学校でした。そんな学校だから、あちこち汚いし、なんだか色々と怖い雰囲気があるんです。
例えば廊下・・・昔の卒業生が卒業制作として作った「自分の顔の木彫り」が、2階の廊下にずらっと飾ってあるんですけど・・・中には作る時にに力加減を間違ったのか、大幅に顔が削れてしまっている作品なんかもあって。これがすごく不気味。
他にも電球が切れかかって薄暗い教室、カビ臭くて歩くとギシギシ鳴る廊下、階段の踊り場に飾ってある昔の校長先生だと思う肖像画・・・そういう「なんとなく不気味、怖い」みたいなスポットはたくさんありました。
群を抜いて怖い場所・・・それは
その中でも群を抜いて怖い場所があったんです。それが2階の踊り場のすぐ近くにあるトイレ。
トイレに辿り着くまでにさっきの木彫りのある階段を通らなきゃいけないんですよ。他にも、誰もそのトイレを使おうとしないから、先生も放置しているみたいで、電球も交換される事無くてほとんどの電気がついてない。
手洗い場には、ほとんどくすんで正確に写らない汚い鏡があって、自分の顔でも映ろうものなら一瞬幽霊かなにかと勘違いします。便器も床もすごく汚れてるし、常にほこりっぽいような、嫌な臭いがする。
極めつけは、開閉するたびにギイ・・・と嫌な音が鳴る、すごく古い扉。
トイレの「はなおさん」
そんな2階のトイレだからこそ怖い噂が絶えない、そこにずっとささやかれ続けてる噂が「はなおさん」。
僕の小学校は花子さんの代わりに、男子トイレに「はなおさん」が出るらしい。
そのエンカウント方法がまた怖いくて、「はなおさん」はトイレの個室をノックしたりしなくても、自然に現れる。
トイレを使っている時ではなく、手洗い場で手を洗ってると、鏡に「はなおさん」が男子トイレからヌッと出てくるのが写って近付いてくる。
花子さんと違ってトイレに引きずり込まれる事はないのですが、姿をみたり、近づいてきて触られたりすると呪いのような何かで即死してしまうというのです。
本当にあった「はなおさん」の話
僕は運良く、6年間の間に遭遇したことはなかったですが、その小学校出身の担任の先生が話してくれた、はなおさんに遭遇したという友達のエピソードを紹介します。
先生が五年生、運動会の時のことです。
その友達はお昼のお弁当が悪くなっていたのでしょうか?昼休憩の際に急にお腹を壊してしまい、急いでトイレに向かったのですが・・・どこも満室。
漏らしてしまうよりは「あのトイレ」に行った方がマシだと思い、例の2階のトイレに走っていった。
トイレに着いて用を足して、だんだん体調は良くなってきて、手を洗い、水を飲んでおこうと考え、蛇口をひねって顔を近づけた瞬間・・・3~4年生くらいの男の子が見えてしまったそうです。
顔も服装もまったく覚えていないそうですが、男の子がトイレから出てきたのを鏡越しに見た途端、急激に体調が悪くなりお昼に食べた物を吐き出して、その場に倒れてしまった。
しばらくしてお昼休憩の終わりのベルが鳴り、「生徒は校庭に集まってください」というアナウンスと共にけたたましい音楽がなりはじめたのがきっかけで意識を取り戻し、顔を上げると男の子なんて居ませんでした。
本人も暑さでやられて見間違えただけだろう、と後に語っていたそうです。
「はなおさん」は実在する?
ですが、僕はそれは「はなおさん」で、本当に存在したのだと思っています。
だって5つ下の妹が卒業する時にさえ、「はなおさん」の噂は全く変化せずに残り続けていましたから。
誰かが目撃して噂をつなげていっているの限り、「はなおさん」は存在するのでしょう。
先生の友人が亡くならなかったのは、「はなおさん」が存在を残すためにあえて生かされた・・・そんな気がしてならないのです。
※画像はイメージです。
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