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ハローキティ殺人事件「わたしの頭を返して」夢から始る凄惨な事件

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悲しいことだが、世の中ではさまざまな殺人事件が起きている。
そして、その中には密室で起きているものも少なくない。

密室で起こる殺人事件は、他のものに比べ残忍な犯行になりやすい。とくに「監禁」や複数人での犯行の場合、その傾向が顕著に表れるだろう。
「バレてはいけない」という思いと、犯行仲間の間に流れる特殊な雰囲気が犯罪行為をさらに助長させてしまうのか?

1999年の香港で、残酷極まりない密室監禁殺人事件が起きた。日本ではあまり知られていない事件だが、犯行発覚にいたる経緯や遺体の隠し場所の特殊性から、香港では大きく報じられている。

この記事では、「ハローキティ殺人事件」の全容を考察していく。
かなり残酷な描写を含むため、読む際には注意していただきたい。

目次

「ハローキティ殺人事件」事件の概要

「ハローキティ殺人事件」とは、1999年に香港の尖沙咀で起こった殺人事件である。
被害者は当時23歳の若い女性。彼女は金銭トラブルから3人の男に拉致され、アパートの一室に監禁、激しい拷問を受けて死亡した。その後、彼女の死体は男たちによって解体されたのである。

この事件の名前となった「ハローキティ」は、被害者の頭部の隠し場所に由来する。
では事件の詳細についてみていこう。

詳細な流れ~発覚から逮捕・判決まで~

ここからは、事件発覚の経緯からその後の流れについて解説していく。

事件発覚のきっかけ

事件発覚のきっかけは、1999年の5月24日に香港の九龍半島に位置する繁華街・尖沙咀の警察に入ったおかしな通報だった。
なんでも少女の夢に夜な夜な幽霊が現れ、「わたしの頭を返して」と訴えかけるのだという。

通報者は女児院に務める職員だった。
保護している少女から相談され、夢のリアルさと怯え方から本当になにかあるのではないかと考え、警察に通報したのだった。

少女がアパート内で経験したこと

少女が恐ろしすぎる夢を見る理由。それは、女児院に保護される以前の経験が関係していた。
女児院に入る前、少女は家出をして友人の家を転々としながら暮らしていた。しかし、旧正月に知り合った19歳の男と交際を始め、彼のアパートで同棲を始めたことが、少女に大きな影響を及ぼすことになる。

男のアパートには、他に2人の男が出入りしていた。この3人こそが、「ハローキティ殺人事件」の犯人である。少女がアパートで暮らすようになってからすぐ、3人は1人の女性を連れ込み監禁、さらに1か月間に渡る拷問を行うようになった。
もちろん、少女も無関係ではいられない。少女は靴箱に排泄するように強制され、女性はその排泄物をむりやり食べさせられていたという。結局、被害者は拷問の末に亡くなってしまった

少女は女性を助けたいと思っていた。しかし、男たちに対する恐怖心と、望まずして拷問に加担してしまった罪悪感から誰かに言うことができなくなっていた。
少女は、その光景を忘れることができない。彼女は凄惨な拷問から死亡した女性のその後まで、しっかりと目で見てしまっているのである。そして、その記憶は少女の夢に現れる幽霊となった。

尖沙咀という大都会の中で、男たちはどうやって死体を隠したのだろうか。少女によれば、その死体は男たちによって部屋で解体され、バラバラに捨てられたという。

 少女の証言で見つかった遺体の一部

この事件の特殊なところは、警察が「夢の話だ」と一笑に付さず、捜査をする決断をしたことだ。通報から2日後には、警察は現場検証に乗り出した。
当然のことだが、少女は酷く怯えていた。どうしてもアパート内に入ることができず、警察は少女の同伴をあきらめ、部屋を教えてもらうに留めた。

警察が部屋のドアを開けると、強烈な腐臭がした。その段階で尋常な状態ではない。台所には蛆の湧いた鍋が放置され、には腐敗した何かが入った袋が置いてあった。そして何より、廊下に置かれたハローキティの大きなぬいぐるみが目を引いた。人魚の姿をしたキティで、あまり見ないタイプである。

ぬいぐるみを調べてみると、頭部に固いものが入っている感触がある。警察が調べてみると、人間の頭蓋骨が見つかった。
これこそが、この部屋で殺人が行われたことの証拠である。

犯人の自首・逮捕と判決について

「ハローキティ殺人事件」の犯人は、33歳の陳文樂・26歳の梁勝祖・19歳の梁偉倫(少女の恋人だった人物)である。彼らはどのようにして逮捕され、どんな判決を受けたのだろうか。

陳は事件が発覚した次の日(5月27日)、潜伏している所を発見され逮捕となった。26の梁は自首、少女の元恋人は中国に逃げたものの、発見されあえなく逮捕。ここに、猟奇的事件の犯人が全員捕まったのである。

事件の内容から、3人には精神鑑定が行われた。その結果、反社改正パーソナリティ障害といった問題は見られたものの、責任能力はあると考えられた。しかし裁判の結果、3人は「殺人」の罪ではなく、「故殺」の罪で裁かれることになった。故殺とは、「殺すつもりがなかったのに殺してしまった」場合に当てはまる。つまりは「過失致死」である。

なぜ「殺人」ではないのか。それは、この事件には確たる証拠が少ないからだ。

容疑者の3人は死体遺棄の罪を認めたものの、皆口を揃えて「殺すつもりはなかった」と証言している。女性の死亡原因は本人の薬物接種によるものであり、その責任は自分にはない、という訳だ。体の大部分は残っておらず、白い袋に入っていた内蔵と思われる部分では、腐敗の思考から死因を調べることもできなかった。なにより、唯一残された物証の頭蓋骨は煮込まれたことにより、DNA鑑定ができなくなっていた。

犯行現場で見つかった証拠では、何一つ彼らの「殺人」を証明できなかったのである。

2000年の12月6日に、3人は終身刑を言い渡されることになった。香港は死刑を行っていないため、終身刑が最高刑である。

裁判長は、彼ら3人の減刑には「最低でも20年の服役」が必要だと述べ、その行為を「猛禽でもありえない」と厳しく言い放っている。

尖沙咀のアパートで何があったのか~被害者女性に対する拷問の詳細~

ここからは、被害者女性が受けた拷問の詳細について書いていく。気分が悪くなること必至な内容のため、読む際には注意して欲しい。

事件の被害者は、ナイトクラブに務める23歳の女性である。彼女が、主犯である33歳の陳文樂から金を借りたことが事件のきっかけとなった。陳は通常の金貸しなどではなく、反社組織に属する人間・ポン引きの元締めだった。そんな陳からなぜ金を借りたのか。その詳細は定かではなく、祖母の治療費のためとも、(自身が使う)薬物を買うためだとも言われている。

被害者の女性は事件当時、妊娠していた。しかし、陳はそんな彼女に無理やり客を取らせていた。しかし、彼女は借金を返しきることはできなかった。その陰には、彼女から金をむしり取ろうとする陳の策略が働いていたようである。 その結果は悲惨なものだ。陳は、借金の取り立てを指示していた26歳の梁勝祖と19歳の梁偉倫(少女の恋人だった人物)と共に、彼女を拉致。そして、犯行現場となったアパートに監禁した。犯行現場となったアパートに監禁したのである。 

陳たちは女性を監禁したのち、執拗な拷問を加えるようになった。殴る蹴るといった暴行をはじめ、排泄物を食べることを強制した。熱した油を体にかけた。ケガと衰弱で立てなくなった女性を立たせるため、体をワイヤーでつるし上げた。やがて女性の反応は鈍くなる。陳たちは女性の足を火で炙り、生きているかどうかを確認したという。
監禁・拷問開始から数週間後、女性は死亡した。少女は、こうした一部始終を目撃したのである。そして、少女の目からは男たちが拷問を楽しんでいるように見えた。

死亡した女性の遺体を、陳たちは解体した。頭部は煮込んだ後、ぬいぐるみの頭の部分に詰め込んだ。他の部位は袋に入れて廃棄した(犬に食べさせようとする案もあったという)。部屋の外で見つかった白い袋の中には、内臓部分が入っていたと思われる。

その後、男たちはアパートから姿を消した。そのまま同じ部屋に住んでいては、警察からの追及を逃れえないからである。
人を殺して、その事実を隠滅しようとするのは当たり前だ。しかし、犯人たちの行動はあまりにも常軌を逸している。少女が語ったように、犯人の3人は犯行を楽しんでいたのだろう。でなければ、こんな非道なことはできないはずだ。

Nova_27によるPixabayからの画像

現在も残る事件の影響

史上まれにみる凶悪事件「ハローキティ殺人事件」は、犯人が逮捕され一応の解決をみた。しかし、その影響は残り続けている。

事件が起こってからしばらくすると、犯行当時の様子を語る証言が見られるようになった。女性の悲鳴を聞いた人や、ナイフを上げ下げする不審な人影をビデオに収めた人などが声を挙げた。残念なことに、そのビデオは消してしまったという。もし、彼らがすぐに行動を起こせていたならば、と思えてならない。

話はこれだけでは終わらない。事件現場のアパートでぞくぞくと心霊現象が起こったのである。

人影をビデオに収めた人は、若い女性の幽霊を目撃するようになった。また、頻繁に金縛りに襲われるようになったという。耐えられなくなり、転居することになってしまった。また、事件を知らずに入居した人が、人の泣く声を聴いたという話もある。

犯行現場のアパート周辺に残されたのは心霊現象だけではない。近くの美容室では、ぬいぐるみが店の前に置かれるといった嫌がらせが起こった。事件を知らなければなんでもないが、事件を知っている人にとっては、非常に不気味で恐ろしい行為である。どうしたって、頭蓋骨の入っていたぬいぐるみを思い浮かべてしまうからだ。

やがてこのアパートは解体され、跡地にはホテルが建てられた。しかし、「ハローキティ殺人事件」は終わっていない。新しいホテルでも、女性の幽霊が窓から外を見ている、という心霊現象が目撃されているからだ。

「ハローキティ殺人事件」の犯人たちに下された判決は罪状も軽く、被害者の無念は察するに余りある。
彼女の魂は、今もなお「そこ」にいるのだろうか?

第二第三の事件を起こさないために

「ハローキティ殺人事件」の被害者女性は、誰にも救いの手を差し伸べられることなく死んでいった。これは香港の事件だが、日本にも似たような状況で亡くなる人がいる。

隣の部屋に、向いの家に、少しでも目や耳を向けて欲しい。もしかすると、その中では悲しい事件が起こっているかもしれない。人の家を注視するのは難しいが、少し気を向けるだけで救われる命があるかもしれないのだ。

目を向けて、何もなければそれで良い。少しでも、助かる命が増えることを祈っている。

※画像はイメージです。
featured image:UnsplashDanny Howeが撮影した写真

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