僕は普通のサラリーマン。
いつものように仕事が終わって、いつものように満員電車に乗り、いつものように駅から歩いて帰る。
そんな1日になるはずだったのに、こんなに背筋がゾッとしたことはあっただろうか?
あの夜のこと
休みの前だった、残量の後に同僚と憂さ晴らしに飲み歩き、終電にのって最寄りの駅についた時には、夜1時を回っていた。
ほろ酔い気分で歩いて帰っていると、既に人気の少ない河原に沿った道の路肩にハイエースが止まっているのが見えた。最初は全く気にしていなかったけれど、近づくにつれが上下に揺れている・・・真後ろくらいまで近づくと、尋常ではなく激しい揺れ方をしている。
僕は「これは、間違いなく、車内で男女がアレ・・・」と思うと同時に、覗きたい欲望に襲われた。
だがしかし、ヤッていのがヤンキーなんかだった場合、見つかったら痛い目をみることになるだろうという気持ちもあったのだが、酔った勢いもあって、これは覗かないとならない!と決心したのだ。
やらねばならない僕
ゆっくりと車に近づき、窓から覗き込もうとするのだが・・・真っ黒いスモークが貼ってあり、後ろからも横からも車内を見ることは出来ない。ゆいつ車内を覗き見ることができるのはフロントガラスしかない。
この段階で恐怖心よりも楽しみと期待が溢れ出て来て、自分を抑える事は出来ない状況だった。
もうバレてもいい、バレてもいいからしっかりと目に焼き付けておこう!
車はまだ揺れている、止まる気配はない。
勇気を出して「よし、今だ!とうっ!」と・・・ヒーローのように軽くジャンプ気味に車正面、フロントガラス前に堂々と立った。
僕が見たもの
そして僕が目にしたものは、カップルなんてもんじゃなく運転席で横たわるオジサンだったのだ。
それもどうみても様子がおかしい、なにか胸騒ぎのような物を感じ運転席の窓を叩いたが全く反応がない。
どうしてそうしたのか?今となっては解らないのだけれど、ドアノブに手を伸ばすと・・・カギがかかっていないようで、開けたと同時にオッサンがバタリと落ちてきた。
その瞬間、今までに嗅いだ事がないような不思議な匂いがして、その場で吐いてしまった。
オジサン
10分ぐらいが経過し、僕は落ち着いて来たがオジサンは未だ動かない。
それから、たまたま通りがかったサラリーマンの方が言うには氏んでいるという。
警察に連絡し事情を聴取された。
どうやらそのオジサンは自分で作った難しい名前の薬でX殺を図ったようで、ドアを開けた時に吸い込んだ危険があると言われ、救急車で病院に運ばれた。
僕はその後、なにもなく無事に生きている。
初めて人の氏を目の当たりにした恐怖の他にもう一つ、警察が言うのは既に亡くなったいたので車が揺れることは無いというのだ、でも確かに揺れていたから巻き込まれたのだ。
こんなに背筋がゾッとする事はもうないだろう。
※画像はイメージです。
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