白いもの

夜の病院って何だか怖いと思いませんか？
静まり返った病院の廊下、病室から聞こえてくる呻き声など想像するだけで怖いと思います。
そんな病院での恐怖体験をしたことがあるのでご紹介させて頂きます。

今からおよそ10年ほど前に体験したことです。その頃、私はある病院に勤務しており、その病院はやや古めの病棟と新棟があって、二つの建物は連絡通路で繋がっていました。

夜勤の夜

ある晩に夜勤をしていた時、何やら背筋がピリピリとするのを感じ、そのときは身体でも凝っているのかな？と思い、大して気にも止めておりませんでした。
２時頃に喉が渇き、連絡通路にある自動販売機で飲み物を買いに行き、お茶を買って戻ろうと振り向いた瞬間、連絡通路から見える古い病棟の廊下を、物凄い速さで走る白いものが見えたのです。

夜勤をしている看護師がナースコールで走ったのかと思いましたが、よくよく考えてみると、走っていった方向には病室はありません。行き止まりとなっています。
そちらの方向に向かうと、白いものも何も居ませんでした。

白いもの

急いでナースステーションに戻り、一緒に夜勤をしている看護師に話を聞いてみると、ナースコールは鳴っていないし、そちらの方向には行っていないとのことでした。
一体なんだったのか？と思った瞬間、心電図モニターのアラームが鳴り響き、連絡通路近くの部屋にいる患者さんの容態が急変したのです。急いで救命処置をしましたが、その患者さんは亡くなられました。

白いものは患者さんだったのか、それとも何者かが患者さんの命を連れ去ったのかは分かりません。
それ以来、その連絡通路を通るときは少し身構えてしまうようになってしまいました。

※画像はイメージです。