霊感などこの世に存在しないと豪語する人がいれば、真っ向から反対する人もいます。しかし、それを証明するのは本当に難しい。
何故なら、他の能力が働いていることもあるからです。
テレビの企画番組
私がまだ20代だった頃の話です。テレビで100人の一般人を集めて、その中から霊感のある人を見つけ出そうという番組をやっておりました。
スタジオに集めた100人を座らせて、司会の男性があれこれと物品を見せては霊感があるかどうかテストしていき、最後に残った人を霊能者と認定するという・・・今なら笑ってしまうような内容です。
最初はカードを使った超能力検査のようなことをやっていたんですが、やがていわく付きの物が徐々に出てきて、その中に、とあるお寺に保管されているというお面がありました。
「このお面にはある言い伝えがあり、あまり外へは出せないものなんですが、このお面を見て何か感じるものがあったら言って下さい」
と、司会者が鬼の面を中央のテーブルに置いたんですね。
出演者が鬼の面を観察していた時、あれかな?と思いました。
殆ど直感的な閃きなんですが、不意に思い出したことがあったのです。
先生の昔話
私が小学生のときに担任の先生が結構話好きで、授業中にあれこれと雑談や体験談を話してくれたんですが、その中に呪われたお面の話がありました。
わりと有名な怪談だと思うのですが、ある村に住んでいたお嫁さんとお姑さんとの確執の話。信心深かったお嫁さんは毎週お寺に通って和尚さんの説教など聞いていたんですが、決して仲がいいとは言えないお姑さんはそれが面白くなかったのです。
できれば行かせたくない・・・そこで家の奥にしまってある鬼の面を被って道に立ち、お嫁さんを脅かしてやろうとしたのですが、いきなり立ちはだかった鬼の姿を見てもお嫁さんはたじろぐことなく、毅然とお寺へ行った。
ちぇっと舌打ちしながらお姑さんはお面を外そうとしたんですが、しかし、何故か顔にぴったり張り付いてしまっており、いくら引っ張っても横に捻っても全然取れない。
無理に引きはがそうとすると顔の皮がべりべりと破れ、痛くてどうしようもなく半狂乱になって件のお寺に駆け込み、和尚さんに助けを求めます。
和尚さんが言うには、お百度を踏みなさいと。仕方なく、お姑さんはお百度参りをして、結願の日、お面はぽろりと剥がれ落ちましたが、お姑さんの顔は見るも無残な状態になっていたとか。
この鬼の面が今でもお寺に保管されているというのでそれを見せてもらった、と先生はおっしゃってました。お面の内側には肉片が付いていた黒い跡のようなものがあったとかなかったとか。
その通りだった
出演者はなにを答えたかはうろ覚えですが、呪われているとか、そんな曖昧な事だったと思いますが、私はそのお面かな?と思っていたら、案の定でした。
私の記憶力もなかなかのもんだなと自画自賛しながら、ふと思いました。
もし私がお面の由来を知っていながらそれを隠して「このお面には女性の怨念のようなものを感じますね。二人の女性がいがみあっているような・・・もしかしたら、嫁姑なのかも・・・?」
と意味ありげに語ったらどうでしょう?
本物の霊能者だ!?と勘違いしてしまうでしょうね。
こうやって詐欺師的な霊能者もどきが生まれ、そして、世の中に蔓延って行く。
霊能力者の全部がそうだとは思いませんが、そんな方も多いのではないでしょうか?と思うのです。
※画像はイメージです。
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