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鉄床戦術とアレクサンドロス

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朝鮮戦争の仁川上陸作戦に連動したスレッジハンマー作戦、「鉄床戦術」はアレクサンドロスの得意な作戦だった。

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槌と鉄床

US Navy [Public domain], via Wikimedia Commons

戦場で展開される戦術のひとつに挟撃作戦がある。
主に前線の部隊が敵軍をひきつけて進攻をくい止め、その間に戦車部隊が敵陣の側面や背後に回りこみ、挟み撃ちにする戦法だ。俗に「鉄床戦術」と呼ばれる。

鍛冶屋が鉄床の上に熱した鉄をおき、ハンマーで叩く姿をたとえたものだ。敵軍をくい止める部隊が鉄床で、戦車部隊がハンマー。朝鮮戦争の仁川上陸作戦に連動したスレッジハンマー作戦は、その名の通り、典型的なものといえるだろう。

北上する朝鮮人民軍を挟撃したこの作戦により、アメリカ・イギリス・韓国を中心とした国連軍の反攻の火蓋がきられ、戦局は一変した。成功すれば非常に有効な戦術でもあるらしい。なにしろ敵軍は、完全包囲された場合、360度にわたる戦闘を強いられることになるのだから。

なにより驚いたのは、この作戦が古典的名戦術だったことだ。古代の英雄、アレクサンドロス大王の戦術にもその原型がみられる。

アレクサンドロスの戦術

Berthold Werner [Public domain], via Wikimedia Commons

ギリシアを統一した父王の没後、アレクサンドロスは崩壊したギリシアを再統一し、母国マケドニアを中心としたギリシア連合軍の司令官として東征を開始する。この東征中、彼は槌と鉄床の戦術を好んで用いたという。

中央の密集陣形(ファランクス)で敵をとらえて白兵戦に持ち込み、両翼の重装騎兵(ヘタイロイ)を展開する。戦車と馬の違いこそあれ、迂回して敵陣の側面や背後を突く戦い方に変わりはない。敵軍の隊列は分断され、混乱をきわめたそうだ。アレクサンドロス軍が機動力の優れた騎兵部隊をもっていたことは知られているが、無線はおろか電力さえない古代の広大な戦場である。

各部隊の連携をどうとったのだろうか。ともあれ、大王が大帝国ペルシアを下したのは歴史の示すところであり、これが軍神といわれるゆえんなのだろう。異なる兵科を組み合わせて連動させる戦術思想と、それを可能にする軍事システムが存在したわけだ。
古代の英雄恐るべしである。

icon source: Unknown Marine [Public domain], via Wikimedia Commons

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