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少女を消した真犯人は誰だ!!石井舞ちゃん失踪事件

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福島県のとある町に7歳になる女の子が住んでいた。
笑ったときにできるえくぼがチャームポイント。
恐がりで夜は1人では眠れず、必ず両親と一緒に寝ていた少し甘えん坊の少女。

そんなどこにでもいる女の子がある真夏の夜に一切の痕跡を残さず、姿を消した。
いまだ事件が解決しない中で注目された限りなく怪しい1人の男。
果たして、本当にこの男こそが少女失踪の真犯人なのだろうか。

目次

夏の夜に消えた女の子~事件概要

石井舞ちゃん(当時7歳)は建設業を営む父親と母親、2人の弟に父方の祖父母、加えて父親の姪っ子(舞ちゃんの従姉妹)と父親の会社の従業員であり、姪っ子の恋人でもあった男性(以下A)という合計9人の大所帯で暮らしていた。

小学校が夏休みに入った1991年7月24日。
この日は母親の友人の娘姉妹が遊びに来ており、舞ちゃんをはじめとする家族は賑やかな夏の1日を過ごしていた。

友人の娘たちは石井家に泊まることになっており、21:30頃には舞ちゃんと友人の娘姉妹の3人が2階の部屋にあるベッドで川の字になって眠りについた。
その際、舞ちゃんは姉妹2人に挟まれ真ん中で寝ていたという。

少女たちは次の日も元気に起きて、夏の1日を存分に楽しむつもりであったのだろう。
しかし翌朝7月25日5:20頃、父親は思いもよらない一言を客人であった幼い姉妹から聞くことになる。

「一緒に寝ていた舞ちゃんがいない」。

慌てて自宅、そして近所を探したものの舞ちゃんは見つからない。
6:00頃には警察に通報し、学校関係者なども巻き込んで大掛かりな捜索が始まった。
しかし今日に至るまで、舞ちゃん本人はおろか、めぼしい形跡さえも見つけることはできなかった。

行方不明時の家族らの行動

7月24日の夜から25日早朝にかけての時間で自宅から忽然と消えた少女。
その間、同じく家にいたはずの家族らはどにように過ごしていたのだろうか。

父親

舞ちゃんの父親は日頃から就寝時間も起床時間も早い朝型生活を送っていた。
そのため、7月24日も晩酌後、舞ちゃんたちの就寝時間よりも早い20:50頃には舞ちゃんの弟である息子2人と共に2階の寝室で就寝していた。

舞ちゃんも普段であればこの寝室で寝起きしている。そして翌日は早朝4:20には起床していたという。
石井家の2階建ての自宅には各フロアに玄関があり、1階を通らずとも2階に行けるようになっていた。
また、2階からは父親の営む建設業の事務所と直に繋がっており、父親は起床後、この2階の玄関から事務所に向かっている。

その際、鍵をかけていたはずの2階の玄関が開いていることに気が付いたという。
このことを不審に思い、2階の居間に戻ったところで妻の友人の娘姉妹から舞ちゃんがいなくなっているという話を聞いたのだ。

母親

25日の朝、父親が未施錠に気が付いた2階玄関の施錠を前日に行ったのは舞ちゃんの母親だった。
7月24日22:30頃、母親は2階玄関の鍵を閉め、その後舞ちゃんたちが眠る部屋を確認。
娘たちにタオルケットをかけ直してやり、電気を消して部屋を出た。

母親が見た22:30が舞ちゃんの姿を確認できた最後の時刻になっている。
舞ちゃんらの眠る部屋を出た後、母親は1階玄関が閉まる音に気が付く。
2階の窓から外をのぞいてみるとを見ると、姪っ子の恋人であるAが玄関から外に出ていくところだった。

その後、1階にある浴室で風呂に入る。
入浴中、1階の玄関の開閉音と誰かが階段を上がっていく音を耳にしている。

この時点でAの外出についても、階段を上がっていく音についても、彼女は特段気にしてはいなかったようだ。

後に母親は階段を上っていたのは後述する祖父母だと思っていたと語っている。
風呂から出た後は再び2階に上がり、夫らが眠っている寝室に向う。
23:10頃にはベッドに入り、24:00過ぎには就寝した。

祖父母

舞ちゃんの祖父母は、7月24日の21:20頃、2人で連れだってタクシーに乗り、カラオケスナックに行っている。
祖父母は1階玄関から外に出たが、その際、鍵はきちんと閉めて外出したという。

カラオケを楽しんだ後、翌25日の2:00頃2人で帰宅。
この時、施錠したはずの1階の玄関の鍵が開いていたことを不審に思う。

同時にAが家にいないことにも気が付き、心配した祖母は就寝中の舞ちゃんの父親を起こして相談したものの、父親から「明日の朝、Aに確認する」と言われたため、1階玄関の鍵を改めて施錠してから就寝した。

姪っ子

普段は一緒に住んでいる父親の姪っ子は偶然にも7月24日、自身の実家に帰省していた。

なぜ姪っ子が親戚とは言えおじ一家と同居しているのという疑問がわくのだが、どうやら自身の非行によって両親との折り合いが悪くなり、石井家に預けられていたようだ。

従業員A

従業員Aは舞ちゃんの父親の姪っ子の恋人であり、父親の営む会社の従業員だった。
つまりこの大所帯の家族の中で唯一の誰とも血縁関係のない人間である。

彼は24日の昼頃まで父親に言いつけられた仕事をして、夕方には舞ちゃんらとゲームをして遊んでいたようだ。
ゲームをして遊んでいた際、母親の友人の娘姉妹が「(Aが舞ちゃんに)夜中遊びに行こう」と誘っていたといたと言っているが、証言の真偽ははっきりしていない。

夜も更けた22:00過ぎに友人と遊びに行くために1度石井家を出る。
その後、着替えるために一旦家に戻り、22:30頃1階の玄関から再び外出。
石井家の傍にあった公衆電話から友人に電話をしている。

舞ちゃんの母親が2階の窓から目撃したAの姿はこの時のものだ。
外出時に1階玄関を施錠しなかったと言っており、祖父母の帰宅時に鍵が開いていたのはAが施錠していなかったためであることがわかっている。
電話の後、Aは友人に会うため石井家のある船引町から郡山へと出掛ける。

当初は郡山まで車で行こうと試みたものの、以前からバッテリーが上がっており使い物にはならなかった。
何度かエンジンがかからないかと試したものの失敗に終わり、車での外出は断念せざるおえなかった。
電車での移動も考えたようだが、最寄駅から郡山行の終電の時刻を過ぎてしまっていたため、タクシーで郡山に向かうことにする。

タクシーに乗り込んだのは23:00頃でドライバーもAを乗せたことを覚えていた。
乗車後、40分ほどで郡山に到着したとみられる。
しかし、郡山で約束したはずの友人と会うことはできず、デパートのベンチで一夜を明かす。

この時、確かにAがずっとベンチにいたことを客引きをしていた男性が証言している。
そして結局何もせぬまま25日の5:48、郡山発の始発に乗車。

舞ちゃんが消えたことがわかり、警察なども捜索に乗り出した6:30頃に帰宅している。
Aと石井一家との関係性だが、特に父親とは日頃から折り合いが悪かったようだ。
シンナーを吸ったりといった素行不良な面が多く、姪っ子の更生を任されていた父親としても快く受け入れられる存在ではなかったのだろう。

7月24日も本当は姪っ子と旅行に行く予定だったのだが、父親から出勤を命じられやむなく旅行をキャンセルしている。

舞ちゃん失踪に至るまでの時系列

石井家の人間の行動を時系列にまとめていくと以下のようになる。

7月24日

昼:母親の友人の娘姉妹が来訪、舞ちゃんらと一緒に遊ぶ、姪っ子が郡山の実家に帰省
夕方:舞ちゃんらとAが一緒にテレビゲームをして遊ぶ

20:50

父親、弟2人が2階の寝室で就寝

21:20

1階玄関を施錠した上で祖父母がタクシーでスナックへ向かう

21:30

舞ちゃんと母親の友人の娘姉妹の3人が2階の一室にある同じベッドで就寝

22:00

Aが外出

22:30

母親が2階玄関を施錠。2階で舞ちゃんらが寝ていることを確認。
舞ちゃんの存在が家の中で確認できた最後の時刻。
Aが着替えのためにいったん帰宅。再度外に出る。この時1階玄関の鍵を閉めなかった。
以降、翌日2:00まで約3時間半にわたって1階玄関の鍵は開いていたと見られる。
Aは家の傍にある公衆電話から友人に連絡。遊ぶ約束を取り付ける。
母親がAが外出していることを2階の窓から確認する。

22:40

母親が1階の風呂に入る。入浴中に1階玄関の開閉音と階段を上がる音を聞く。

23:00

Aがタクシーを呼び、郡山に向かう。

23:10

母親が父親と弟が寝ている2階寝室に入る。

23:40

Aが郡山に到着。友人とは会えず、一晩をデパートのベンチで過ごす。

7月25日

0:00

母親就寝。

2:00

祖父母がスナックから帰宅。1階の玄関の鍵が開いていることに気が付く。

4:20

父親が起床。事務所に向かった際に2階玄関が施錠されていないことに気が付く。

5:20

父親が友人姉妹から舞ちゃんがいない旨を聞かされる。家族による捜索開始。

5:48

A、郡山始発の電車に乗る。

6:00

警察に通報。大規模な捜索開始。

6:30

A帰宅。

 舞ちゃん失踪に絡む謎と不可解な点

忽然と姿を消したまま今日に至るまでその姿どころか手がかりさえも見つかっていない石井舞ちゃん失踪事件。
この事件を不可解かつ難解な事件にしてしまっている要因は一体何なのだろうか。

断定されない舞ちゃん失踪時刻

7月24日から25日にかけて、石井家には絶えず誰かしら大人がいた。
しかし人の出入りも頻繁だった上に24日の夜から25日の明け方にかけての約3時間半の間に家の施錠がされずに誰でも家に侵入できた時間帯が存在する。

① 22:40~23:10

Aが施錠しなかったことにより1階玄関の鍵が開いており、かつ父親は就寝、母親が入浴、祖父母が不在という時間帯である。
しかし、父親が起きだすかもしれない、母親がいつ風呂からあがるかわからないという危険性がある時間帯である上、わずか30分と時間的にはかなり短い。

② 0:00~2:00

父親・母親が就寝し、祖父母が帰宅するまでの2時間。
祖父母がいつ帰るかわからないという未確定要素はあるが2時間というまとまった時間がとれた時間帯でもある。

③ 22:30?~4:20

1階玄関の他にもう1箇所無施錠状態だったのが2階玄関だ。

母親が22:30に一旦は施錠した後、誰がどのタイミング、かつ何が目的で鍵を開けたのかわからないものの、祖父母が帰宅し1階の玄関を施錠した後も、父親が起床する4:20まではこの2階玄関から出入りできた可能性が高い。
ただし、2階は舞ちゃんらが寝ていた部屋のほかに舞ちゃんの両親が就寝していた部屋もあり、派手な物音がすれば2人が起きる可能性はある。

なぜ母親の友人姉妹がいる日に舞ちゃんは消えたのか

路上でなんとなく目についた子どもを誘拐するならいざ知らず、家の中から子どもを1人連れ出そうというのなら、ある程度の計画性が必要だと考えられる。
では、もしも夜間に初めて入る家から女の子を連れ去ろうと計画した際、実行段階で最も警戒することは何か。

それは恐らく、下調べしたその家の日常から逸脱した非日常の事態が起こることではないだろうか。

7月24日から25日にかけて、石井家は母親の友人の娘姉妹の宿泊というイレギュラーが発生していた。
舞ちゃんはいつもなら両親と寝ていたのだが、この日は泊まりに来た姉妹と一緒に普段とは異なる部屋で就寝している。

石井家と所縁のない人間が家に侵入して舞ちゃんを連れ去ろうと行動した場合、このイレギュラーは犯行の命取りとなっただろう。
しかし、もしもこの日、舞ちゃんがいつもと異なり友人姉妹と就寝できるという情報を事前に知ってさえいれば犯行に当たってのアドバンテージとすることもできる。

大人と共に寝ているところから女の子を連れ去るよりも、子どもだけで寝ているとこから連れ去る方がはるかに難易度は下がると思われるからだ。
もしも舞ちゃんが普段とは異なる状況にいたからこそ、連れ去りを決行したのだとすれば、犯人は舞ちゃんがこの日母親の友人姉妹と寝るつもりであることを知っていたごく限られた範囲にいる人間になる。

不審車両の存在

近所の人の証言として7月24日23:00頃、石井家付近に運転手がいないにも関わらず、エンジンがかけっぱなし、かつボンネットが開きっぱなしになっていた白の不審車両が停車していたという目撃情報があがっている。

この時間は従業員Aが石井家でバッテリーの上がった自分の車を修理していた時間であるはずだが、どうやらAの車とは別の車のようである。
また、Aの車のバッテリーあがりの修理のために来た車というわけでもないようで、Aはこの車について特に証言していない。

事件と関係がある車両かはわかっていないが、あまりにタイムリーに目撃された不審車両であることを考えると無関係と考える方が難しいだろう。

未施錠状態だった自宅

先にも触れたが、石井家は24日22:30から25日4:20にかけて1階、2階玄関の少なくとも一方が未施錠の状態があった。

2階玄関を一体だれがいつ解錠したのかはわかっていないが、約5時間半にわたって外部から侵入し放題だったわけだ。
しかし、結果未施錠ではあったものの、祖父母の外出時には鍵を閉めていたり、母親が2階玄関の施錠を確認していたりと日頃から夜間には鍵をかける習慣があった家だと思われる。

つまり、普段であれば外部から玄関を通って家の中に入ることはほぼ不可能だったわけだ。
よほど日頃から石井家の様子を監視していたならともかく、石井家と無関係の人間がピンポイントにこの日は未施錠だったことを知るのは難しいだろう。

検出されなかった指紋と足跡、においを辿れなかった警察犬

警察は舞ちゃん失踪直後に石井家自宅内を調べている。
その際に指紋や足跡などの調査をしたものの、普段石井家に暮らす面々と母親の友人姉妹以外の痕跡は見つからなかったそうだ。

この結果により、部外者が石井家に侵入した可能性は著しく低いと見られている。
また舞ちゃん捜索には初期段階で警察犬も投入された。
しかし、警察犬は1階の玄関先で立ち止まってしまい、それ以上追跡することはできなかったという。

警察犬は地面に残った捜索対象の固定臭を辿って対象を探していくため、対象が地面を離れてしまうとにおいを辿ることができなくなってしまう。
つまり舞ちゃんは車に乗るなど自分の意志で歩く以外の方法で家を離れたのだろうと推察できる。

怪しすぎる従業員Aという存在

見つからない外部から侵入した形跡。
家の中に人がいるかどうか外からはわかりにくいという状況。

これらの点から舞ちゃん失踪に完全な部外者が関わるのは難しいということが想像できる。
そのような状況下で、犯行当日にあまりにも怪しい動きをしている者がいる。
それが石井家に住んでいた従業員Aだ。

Aの不可解な行動

7月24日から25日にかけてAはいくつかの不可解な行動をとっている。
まず1つ目がAはなぜ外出時に施錠を怠ったのかという点だ。

家長である父親からの信頼が薄かったため家の鍵をもらっていなかった可能性もあるが、誰かに外出することを伝えるだとか書置きを残すだとかといった行動だってとれたはずである。
しかし、Aは誰に伝えることなく鍵を開けっぱなしにして外出してしまっている。

また、以前からバッテリーがあがってしまい使えなくなっていた自分の車を、なぜよりによって視界の悪い夜間に30分近くもいじっていたのか理由もいまいち判然としていない。

さらにわざわざタクシーで郡山まで行ったにもかかわらず、直前に電話で約束した友人とは結局会えず仕舞いとなっている。
この友人はその後の調べでどうやら「Aと約束していない」と証言しているようだ。

Aは会うはずだった友人について精神的に不安定な人物で約束をすっぽかされたと言っているようだが、いったいどちらが真実なのだろうか。
そして最も怪しいのがこれらの不可解な行動を舞ちゃんが消えたその日に起こしているという点だ。

偶然という言葉で片づけるにはあまりに出来すぎている。
実際、Aは警察の取り調べを受けているが、Aは郡山に行ったことでタクシー運転手と郡山での目撃情報というアリバイを持ち合わせており、Aの行動と舞ちゃん失踪との接点を見つけることはできなかった。

Aが持ちえた動機

もしもAが舞ちゃん失踪に関わっているとして、その動機はなんだろうか。
Aは舞ちゃんの父親と折り合いが悪かった。

父親としては、非行に走る姪っ子の矯正を託されて預かっているのに、その恋人がシンナーを吸ったりといった問題行動を起こしている人物となれば快く思えないのも当然だろう。

日頃から父親に対して恨みを募らせていたAが、ついに恋人との旅行まで無理矢理キャンセルさせられたことにより苛立ちが頂点となり、父親を困らせてやろうと舞ちゃん失踪を企てたのだとしたら。

Aと父親の不仲は立派な動機となるだろう。

Aが犯人だとするとおかしな点

失踪当日に不可解な行動をし、動機も持ち合わせているAは限りなく怪しい容疑者ではあるものの、Aが犯人だとすると説明がつかない点がある。
それはどうやってAが舞ちゃんを家の敷地から外へと連れ去ったのかということだ。

Aを目撃したと証言するタクシー運転手も郡山の客引きも、Aが女の子を連れていたり、子どもが入れるような大きさの荷物を持っていたとは言っていない。
もしもAが舞ちゃん失踪の犯人だとするなら、連れ去ったのはAが石井家にいた22:40~23:10の間ということになる。
しかし、Aは23:00には石井家からタクシーに乗っており、実際の犯行時間はわずか20分。

その中で家人の様子を確認した上で就寝中の舞ちゃんを2階の部屋から連れ出し、家の敷地を出て遠くへ連れ去るのはほぼ不可能と言えるだろう。

事件の筋書

限りなく怪しいAという存在。
しかし、Aにはアリバイがあり、彼だけでは犯行を成し遂げることはできない。

ここで重要になってくるのが近隣住民に目撃された白色の不審車両だ。
姿こそ目撃されなかったものの、車があり、しかもその車が消えたということは確かに運転手が存在したということだ。
これがAの共犯者の車なのだとしたら、事件の筋書きはあっさりと浮かび上がる。

22:40、石井家の事情に精通し、かつ家の中にいても怪しまれないAが母親の入浴と家人の就寝を確認する。
その上でAまたは共犯者が1階玄関から2階にあがり、舞ちゃんを部屋から連れ出して2階の玄関から出ていく。

入浴中の母親が聞いたという「1階の玄関の開閉音と誰かが階段を上がっていく音」はAか共犯者のもので、未施錠だった2階玄関はこの時に開けっ放しにされたのではないだろうか。

Aまたは共犯者が家の外で見張りをしていたもう一方と合流。
協力して共犯者の車に舞ちゃんを乗せる。
共犯者は舞ちゃんを乗せて車で逃走。

Aはアリバイ作りのためにタクシーに乗り、郡山で一晩を明かす。
恐らくは友人と会えるかどうかはさほど重要ではなく、より多くの人に自身の姿を目撃させることが大事だったのだろう。その後、始発を待ってAは何食わぬ顔で石井家に帰り、共犯者は姿をくらませたというわけだ。

こうして書いてみれば事件の筋書きはさして難しいものではない。
ではなぜ、石井舞ちゃん失踪事件はいまだ未解決のままなのか。

それは、警察による取り調べの中でAから事情を聞き出せなかったためである。
本当にAが事件に関わっていたのだとすれば、ここで警察に話してしまえば我が身が危ないという理由もあるが、それ以上にAは警察に聞かせるほど、この事件の全容を理解していなかったのではないだろうか。

考えられる真相

状況的にみて被疑者候補としても、参考人としてもAは怪しい立場にあった。
おそらく警察もかなり突っ込んで事情を聞いたのではないだろうか。しかしその後、警察はAを解放。

Aが犯人であったり、事件に加担しているという証拠を得ることはできなかったのだろう。
ここからはあくまで筆者の推察になるが、警察がAから情報を引き出すことができなかったのは、Aが舞ちゃんの行方について本当になにも知らなかったからではないだろうか。

共犯者は常日頃、Aから彼の父親に対する不平不満を聞かされており、石井家の家族構成や家の間取りなども知っていた。
一方で共犯者は舞ちゃんに興味を持っており、舞ちゃん誘拐をひそかに企て、Aに「チャンスがあれば舞ちゃんを連れ出すというちょっとしたいたずらをして父親を困らせてやろう」と持ちかけていた。

7月24日、共犯者が言っていた「チャンス」が巡ってきたと思ったAは共犯者と連絡を取り、共犯者が計画した「いたずら」を実行する。

この時点でAは共犯者から「舞ちゃんは一晩家を抜け出すだけですぐに自宅に戻す。ちょっと父親を焦らせ困らせてやろう」という程度の計画と聞かされていたのでないだろうか。
郡山に行ったのも、「石井家で1人で寝ていただけでは周囲から関与を疑われるかもしれない。自身を他人に目撃させ、アリバイを作っておこう」とでもアドバイスされ、まんまとそのアイディアにのっかったのではないかと思う。
しかし、共犯者はそんな一時的な連れ去りではなく、本格的な誘拐を企てていた。

自身の白い車にAと共に舞ちゃんを乗せると、そのまま失踪。
25日、Aは想像以上に事態が大事になった上、警察からも事情を聞かれて焦ったものの、舞ちゃんの行先については共犯者から知らされていないため、証言のしようもない。

さらに警察に話せば事件の片棒を担いだ状況であるため、話すこともできない、というわけだ。
つまり石井舞ちゃん失踪事件はAではなく、Aの共犯者こそが主犯であり、真犯人と言えるのではないだろうか。

舞ちゃんはどこへ消えたのか

石井舞ちゃん失踪事件はすでに公訴時効を迎えてしまっている。
しかし、愛する娘の帰りを待つ家族にとって、時効などという言葉は存在しないだろう。

事件を管轄する福島県警察本部では、今でも舞ちゃん失踪に関連する情報を募っている。
どんな些細な情報でも、もし気になる点があればぜひ情報を寄せてほしい。
残された家族にとっての事件解決の日が訪れるよう、心から祈っている。

福島県警察本部・女子小学生行方不明事案

※画像はイメージです。

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