遅ればせながらで恐縮ですが・・・・2019年に実写映画化された「空母いぶき」、アマプラで最近ようやく鑑賞し、こうした作品の実写化は難しいと改めて感じました。
「空母いぶき」とは?
「空母いぶき」は「沈黙の艦隊」や「ジパング」などでお馴染み、かわぐちかいじ先生の漫画の実写映画化です。タイトルにあるように海上自衛隊「空母いぶき」が、日本の南方の離島に侵攻してきた中国海軍を撃退するというストーリーなのです。ちょうど護衛艦「いずも」・「かが」の航空母艦化改修が決まったタイミングにも符合したものと言える作品でしょう。
この原作コミックでは今の日本が航空母艦を保有した場合のさまざまな事象を「空母いぶき」を始めとする乗組員たちや、日本政府の首相などの目線から多面的に描き、そのリアリティが最大のセールスポイントだと感じていました。
思いもよらない変更点
この「空母いぶき」の実写映画化を知った際には、そのテーマ及び原作の巻数からして、2時間あまりの映画にまとめる事はかなり難しいとは予想していました。しかしそうした事前の心構え以上に拍子抜けしたのが、侵略してくる敵国が中国ではなく・・・中国での上映も当初から予定されたため、全くの架空の国になっています。
もちろん映画化を受け入れたかわぐちかいじ先生はこの最大の変更を了承されており、コメントでもそれを認めておられます。しかし一観客として見た場合のリアリティのなさは、やはり如何ともしがたいと言うのが正直な感想でした。
商業的には確かに中国での公開を無視して、中国を敵国として描くことは難しいとは思われるのですが、こうしたテーマの作品を映画化するのは今後も非常に厳しいのだろうと改めて感じさせられました。
思った事といえば
ちなみに「空母いぶき」は実際の護衛艦「いずも」・「かが」の改修予定と異なり、艦首部分にスキージャンプ式の発艦方式を採用しています。これは原作同様なのですが、実際のF-35BライトニングⅡ戦闘機には、やはりこの方式を採用するべきではないかと個人的に強く思えます。
映画「空母いぶき」内の戦闘シーンでは兵装の名称や各種関連機器の専門用語が飛び交うのですが、さしたる解説や説明はなく、全く予備知識の無い人にとっては少し不親切かもしれません。こうした手法は今や様々な作品に当たり前なのでしょうか?
もしこれから観る方がいるとすれば、同名の違う作品として観れば・・・少しは楽しめるのではないでしょうか?
(C) かわぐちかいじ・惠谷治・小学館/「空母いぶき」フィルムパートナーズ
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