就任から、何かと和譜代を提供するアメリカのトランプ米大統領が、来週実施される、エルサレムへの大使館移転を記念する式典に自身は欠席、代わりに娘のイバンカ・トランプ氏やその夫ジャレッド・クシュナー氏らで構成される代表団を送り込む方針を2018年5月7日、ホワイトハウスが奉じました。
エルサレムとは
エルサレムは、イスラエルおよびパレスチナ自治区にある都市の事です。
今回ニュースになっているのは、イスラエルはエルサレムが自国の「首都」だと宣言していますが、国際連合などの国際社会はこれを容認しておらず、イスラエルの首都はテルアビブであるとみなされています。
そのため、イスラエルとの国交を行う国も、大使館や領事館はエルサレムでなくテルアビブに置いているのです。
これについて、2017年になってアメリカのトランプ大統領が、エルサレムをイスラエルの首都であると明言して、さらにアメリカ大使館をテルアビブからエルサレムに移転する方針を明らかにしたことがニュースになっているのです。
エルサレムの問題とは
エルサレムは、単に地理的・経済的な要所であるの事ではなく。
アブラハムの宗教全ての聖地であることが最大の問題なのです。曰くイスラム教、キリスト教、ユダヤ教の聖地なのです。このことがエルサレムの「帰属」をめぐる紛争の火種となっていて、パレスチナの問題の解決をたいへん困難にしている理由です。
アメリカの見解
イスラエルよりの政策を貫くアメリカでは、二大政党である民主党と共和党ともに綱領でエルサレムをイスラエルの首都と認めています。
1995年にはアメリカ合衆国議会で、大使館のエルサレム移転を求めるエルサレム大使館法案が可決されました。しかし、それ以降の歴代のアメリカ大統領(クリントン、ブッシュ、オバマ)は、大使館移転は中東和平実現の障害になるとの考えから、法律で認められた条項を根拠に半年ごとに実施を延期していたのでした。
2016年のアメリカ合衆国大統領選挙では「駐イスラエル大使館のエルサレム移転」を公約にしたトランプが当選したために、2017年6月には前述の法案実施について半年延期を行ったものの、同年12月6日には、エルサレムをイスラエルの首都と再度認定し、テルアビブにある大使館をエルサレムに移転する手続きを始めるよう指示したことを表明しました。
なおトランプは「エルサレムの最終的な地位については、イスラエルとパレスチナの当事者間で解決すべきで、米国は特定の立場を取らない」と表明しています。まだまだ中東の混乱は続きそうです。
思った事を何でも!ネガティブOK!