さて今回は「機動戦士ガンダム」のスピンオフ漫画作品。シャア・アズナブルと並ぶ、ジオンのエースパイロット「真紅の稲妻」ジョニー・ライデンの戦後を綴った物語を紹介したいと思います。
ジョニー・ライデンを皆さんはご存知でしょうか?
元は「MSV」、「モビルスーツバリエーション」という機動戦士ガンダムのメカニックデザインの誌上企画から生まれたキャラクターでした。彼はどちらかと言えばモビルスーツ「高機動型ザクII(R-2型)」が有名になってしまい、その設定だけでゲームを中心とした幾つも作品に登場します。
非常に隠れた人気のあるジオン公国軍のエースパイロットで、彼は一年戦争当時においてア・バオア・クー防衛戦にて行方不明となります。
ジョニー・ライデンの帰還
今回紹介する作品は、原作に富野由悠季氏、原案に矢立肇氏、メカニックデザインは大河原邦男氏、Ark Performance氏による漫画作品です。その後の宇宙世紀0090年を舞台に彼の戦後の活躍が描かれ、 特別編成大隊「キマイラ」の謎を追いながら、混迷を向かていく宇宙世紀をどう生きていたのかを知る作品となっています。
多くの犠牲を出した一年戦争が終結し、戦後、さらなる動乱の中で、多く世に散逸してしまった軍事情報や軍事資料を収集し、編纂、保存する地球連邦政府下部組織である「Federation Survey Service」に所属しているモビルスーツパイロットのレッド・ウェイラインは、宇宙世紀0090年の時代を生き抜き、シミュレーションによるモビルスーツの戦闘データ調査を生業としながら、未だにジオンの残光が残る時代を生きていた。
……が、ある日、シミュレーション戦闘を送っていた中で、自分をジョニー・ライデンと呼ぶ声に惹かれ、チームメイトのリミア・グリンウッドと共に、かつてのジオンの英雄であり、その後が不明となっていた「ジョニー・ライデン」の事を調査していく中で、彼等は、知られざる歴史の闇を知る事となる……と、物語は進んでいきます。
モビルスーツ開発史
今作ではモビルスーツ開発史も題材となっており、機動戦士ガンダムの放映終了後のガンプラシリーズとなる『MSV-R』に出てきたモビルスーツが登場します。それらの開発の歴史の裏側などをシミュレーションでなぞりながら、宇宙世紀の表ざたにならなかった暗部や、また暗躍する組織などと敵対すると、かつての『MSV-R』に夢中になっていた読者を楽しませてくれる内容となっています。
宇宙世紀の歴史の中に、新たな光が当てられる事となり、その中心となる英雄「ジョニー・ライデン」を主役にする今作は、様々な宇宙世紀の英雄と関わっていく事になると、ガンダムファンを満足させてくれる内容となっています。
機動戦士ガンダムMSV‐Rジョニー・ライデンの帰還 (C) Ark Performance 大河原 邦男/富野 由悠季/矢立 肇 角川書店 角川コミックス・エース
思った事を何でも!ネガティブOK!