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こつぜんと人が消える神隠しとは?伝承や怪異の正体

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ある日突然、おかしな形跡などもなく、人が姿を消してしまう。今も昔も、不可解な形で行方不明になる人がいます。昔の人々は、それを「神隠し」と呼びました。
神隠しにまつわる伝承には、どのようなものがあるのでしょうか。また、神隠しにあいやすい傾向などはあるのでしょうか。

神隠しにまつわる伝承や、あいやすい人の特徴、さらに怪異の正体を探っていきたいと思います。

目次

神隠しとは

「神隠し」とは、人が何の前触れもなく行方不明になってしまう現象を指します。突然であり、原因もよく分からないため、人々は神やそれに近い存在が起こしたものだと考えたのです。

現代でも突然の失踪などに使われることの多い言葉ですが、元々は森や山などで行方不明になった事例に対して用いられていました。

日本には、古来より森や山などを神聖なものとして捉える考え方がありました。山や森などは神霊が住まう聖域であり、あの世とこの世の境目でもあったのです。中には人の立ち入りを禁止する「禁足地」となっている場所もあり、多くの神隠しが起きたとされています。

神隠しにまつわる伝承

日本各地には、神隠しに関わる伝承が数多く残っています。この項では、そんな伝承の中から2つをご紹介していきます。

八幡の藪知らず(やわたのやぶしらず)

「八幡の藪知らず」は、「足を踏み入れたら二度と出られない」という神隠し伝説で有名な禁足地です。

「八幡の藪知らず」は街中に位置する竹藪で、かなり鬱蒼としているものの、規模はそれほど大きくありません。また竹藪の入口には小さな神社・不知森神社が建っており、お参りが可能です。しかし、入れるのはこの神社まで。
ではなぜ、いつから禁足地になったのか。その詳細はよく分かっていません。少なくとも江戸時代からタブーが存在したことは確かであり、水戸黄門が入って迷ってしまったという伝説も残っています。

現在でも間近で見られる禁足地。興味があれば、神社から覗いてみてはいかがでしょうか。

「遠野物語」より

「遠野物語」とは、民俗学者である柳田国男が遠野の地で集めた伝承をまとめた本です。この中には、神隠しにまつわるものもいくつか含まれています。以下に代表的なものをご紹介します。

「遠野に住む長者の娘が行方不明となり、長い年月が過ぎた。ある日、同じ村の猟師が山で1人の女に出会った。猟師はびっくりして思わず撃とうとしたが、その女は長者の娘であることに気が付いた。
娘が猟師に語った事情は次のようなもの。何かにさらわれて妻にされ、産んだ子供も全て食われてしまった。この土地で一生を暮らさなくてはいけない。あなたも危険だから、早く帰って、誰にも言ってはいけない。」

もう一つ見てみましょう。

「夕暮れ時に家の外に出ている子供や女は神隠しにあいやすい。
松崎村の若い娘が、梨の木の下に草履を脱ぎ捨てたまま行方をくらませた。三十年くらいすぎたとき、その女が老いた姿で帰ってきた。なぜ帰ったかと問われると、人に会いたかったからだと言う。
その後、女はまた姿をくらましてしまった」

この2つの伝承は、神隠しという現象をよく表していると言えるでしょう。

神隠しにあいやすい人とは

日本各地で起こった神隠し。神隠しにあった人には、なにか共通点があるのでしょうか。
先に挙げた「遠野物語」の例を読めば分かる通り、神隠しは女性や子供があいやすいと言われています。

日本には、「七歳までは神のうち」という諺があります。これが意味するのは、子供が7歳になるまでは、人間よりも神に近い存在だと言うこと。子供は元来、人と神(超常的な存在)の境目にいるのです。

また、日本には異類婚の伝承が数多く残っています。こうした民話の多くは、女性が異類(動物や化け物が多い)と結婚し、場合によっては子を成します。先の例でも、山に住むなにものかと結婚し、子供を作った女性が登場しました。「自身の子を喰う」ということから、女性の夫は化け物であると考えられます。

子供は人間と神との境目があやふやであることから、そして、女性は結婚相手として、人ではない存在にさらわれてしまうのかもしれません。
それ以外に神隠しにあいやすい存在として、精神や知能に問題がある人も挙げられます。

例えば過剰に神経質な子供や、産後すぐの気が立っている女性などが当てはまります。こうした状態にある人は、人ではないものが付け入りやすくなります。そういった人が聖域に入り込めば、さらうのは容易でしょう。また、「狐憑き」は精神疾患だったという話もあります。錯乱状態で家を飛び出してしまえば、行方知れずになる可能性は高まります。

神隠しを起こすもの

神隠しには別名があります。最も有名なものは「天狗隠し」というもの。これは、その名の通り天狗が人をさらうという考えを表しています。また、「遠野物語」の例を見れば、人を食べる、化け物的ななにかが神隠しを起こしていると考えられます。日本には鬼や妖怪が関わるとされる神隠しも多く、地域や時代によっても異なります。

勿論、普通の遭難や望んでの失踪もあったことでしょう。しかし中には、本当に超常的なものもあったのかもしれません。

神隠しの伝承

かつて、日本の各地で起こっていた神隠し。いまでこそ、「失踪事件・遭難事件」という姿の陰に隠れ、超常的な神隠しについては語られなくなってきました。しかし、「八幡の藪知らず」に代表される禁足地などにある闇や神秘的な雰囲気は、今もなお健在です。もしかすると今もなお、人知れず神隠しは起こっているのかもしれません。

聖域とされる森や山は近くにありませんか? 神隠しにあいやすい人の特徴に、当てはまってはいませんか? もし心当たりがあるのであれば、気を付けましょう。よく分からないものに魅入られないように。

※画像はイメージです。

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