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甲冑を纏う男たちの熱き戦い!超硬派歴史短編集「甲冑武闘」

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甲冑、この言葉を聞いて皆さんは何を思いうかべるだろうか?
剣と魔法のファンタジー?博物館や好事家の屋敷に飾られてある骨董品?・・・・。

何はともあれ、現代を生きる私たちには馴染みが浅いアイテムではないだろうか。そんな甲冑だが、もとはと言えば戦のために生み出され、戦のために進化を遂げてきた「武具」。いわば古のミリタリーアイテムと言ってもいい。
今回取り上げる『甲冑武闘』(久慈光久著)はその名の通り、中世の騎士やローマの剣闘士など、甲冑を纏う戦士たちの熱い戦いを描いた漫画だ。テーマを聞いただけでも熱い内容が期待できそうなこちらの作品。今回はその魅力に迫ってみよう。

目次

鎧と肉体そして信念がぶつかり合う!ど迫力歴史エンタメ「甲冑武闘」

今回ご紹介する漫画『甲冑武闘』。こちらは中世イングランドや古代ローマを舞台に、戦いを繰り広げる戦士たちの熱い物語を描いた短編集だ。作者はこちらも中世ヨーロッパが舞台の硬派な歴史漫画『狼の口』の久慈久光。いわば作者の得意分野をテーマにしたとも言える本作。

その見どころはやはり骨太なストーリーと、作画コストを惜しむことなく描かれた大迫力のバトルシーンだろう。一見シンプルでありながら、すさまじい描き込みから「熱」が伝わってくる本作。表題作の「甲冑武闘」をはじめ、メインとなる戦いは一対一、もしくは一対少数の戦闘ながらその戦闘描写は迫力満点。

甲冑の軋みや騎士の息遣い、雑兵のざわめきが聞こえてくるかのような演出に思わず息を呑んでしまう人も多いはずだ。また重装備の騎士やローマの剣闘士など、現代に生きる私たちにはちょっと想像しにくい登場人物たちの戦いが、絵やモノローグでわかりやすく説明されているのもある意味本作の見所。本作を読めば、重厚な甲冑を身に纏って馬に跨り大剣を振り回す……といった中世騎士のイメージが変わるかもしれない。大迫力の戦闘漫画を楽しみながら、中世騎士の解像度もあがる。本作は一粒で二度美味しい作品と言えるだろう。

騎士道を極めた老騎士が求めたもの・・・「甲冑武闘」で描かれる熱くほろ苦い人間ドラマとは

大迫力の甲冑バトルと、リアルで丁寧な歴史描写が魅力の漫画「甲冑武闘」。その名のとおり甲冑を纏った戦士たちのバトルがメインの本作だが、そこで戦う登場人物たちの織りなす人間ドラマも本作の大きな魅力のひとつだ。どの短編もそれぞれに味わい深いが、例えば表題作「甲冑武闘」は、中世イングランドを舞台に老騎士の戦いを描いた渋さが際立つ作品。

家族や立身出世など、多くを失いながらひたすら戦いに生きた老騎士が晩年に見つけたある出会いを通じて、彼がずっと求めていたものが最後明らかになるこちらの短編。その深みのある人間ドラマからは、年齢を重ねた大人だからこそ、戦いの熱さだけでなくしみじみとした切なさを感じることができるはずだ。他にも本作にはローマの奴隷剣闘士が主人公の短編も収録されているが、こちらも独特の味わい深さをもった一品。

命がけの娯楽を提供する「奴隷」たちが胸に抱くものとはなんなのか。ぜひ一読して彼らの思いに触れて欲しい良作だ。加えて、余談にはなるが本作に収録されているのは硬派な歴史モノばかりではない。箸休め的な超短編も収められている。ちなみに『狼の口』のオマケマンガも収録されているので作者のファンにも嬉しい一冊と言えるだろう。

甲冑武闘

今回取り上げた「甲冑武闘」は現代ではあまり馴染みが薄い、西洋の重装歩兵や古代の剣闘士らの戦いとそれにまつわる人間ドラマを描いた作品だ。
現代の戦闘とはかなり違う彼らの戦いだが、根底に流れる感情は私たちと通じるものもある。気になった方はぜひ一度チャレンジしてみてほしい。

著:久慈 光久
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(C) Mitsuhisa Kuji 2019 KADOKAWA / HARTA COMIX

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