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ケサランパサランって、なに?

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ケサランパサランとは、見ると幸せになるとされる存在と言われています。しかし、その実態は謎で生き物なのか植物なのかも分かっていません。

形状は球状で綿毛のように白く、ふわふわと柔らかな見た目のもののようです。空から地上に向けてふわふわ降ってくるとされています。古くから日本にある伝説のようなものですが、ケサランパサランを展示した例もあるので、確かに存在しています。

このケサランパサランの伝説は各地で見られているのですが、地域によって伝えられていることが少しずつ異なるようで、
年に一度しか見てはならないとか、人に見せてはならない等、様々です。
 
「飼育」することができるとする説もあり、その場合は、ケサランパサランを増産することも可能なようで、実際に、ケサランパサランを飼育し、増やして、子孫に伝えている人もいるという話もあります。

目次

ケサランパサランの見た目

ケサランパサランの大きさは、小さいサイズならピンポン玉、大きいものならば鶏卵程度とされています。
その色は白く、ふわふわした毛玉のような姿をしています。正体には諸説ありますが、どれも決め手に欠けると思われます。

ケサランパサランには二つのタイプがあるとされます。
ふわふわと空を飛ぶ綿毛のようなものか、おはぎのような毛玉のようなもの。この二つのタイプがあります。
ちなみに、桐箱に入れて飼育されているケサランパサランは、おはぎ型です。
古くからあるとされるのは、おはぎ型の方とされています。
おはぎ型の毛玉のケサランパサランは、東北地方の旧家で人目を忍んで大事にされていました。

ケサランパサランの歴史

伝説の存在であるケサランパサランですが、昔から存在しているようです。
江戸時代にはケサランパサランが日本に生息していたと考えられます。人々の話題に上ったりもしていたようです。
 
外国からケサランパサランが飛んできたのか、南蛮貿易で仕入れられたのか。
それとも、本当はずっと昔からケサランパサランは日本にいて、ひっそりと飼育されていたので、江戸時代まで人々に知られていなかったのかもしれません。

古くは江戸時代から語られてきたケサランパサランですが、70年代にはブームになっています。
主に東北地方で大事にされてきたケサランパサランを、70年代後半になって、地方紙が記事で取り扱ったのです。それがきっかけで、ケサランパサランは、空から降ってくる幸運の印として、一躍有名になったというわけです。

ちなみに、70年代のケサランパサランブーム時には、セイヨウアザミの綿毛が「本物のケサランパサラン」とされ、瓶に詰められて売られていたそうです。

ケサランパサランを展示しているところ

山形県鶴岡市の加茂水族館に、ケサランパサランが展示されています。その展示物には、ケサランパサランは空から降りてくるものだと説明がつけられています。
「空を飛ぶ」ではなく、「空を降りてくる」というところが、実に興味深いですね。機会があれば、ぜひ見てみたいものです。

降毛現象について

ケサランパサランが白い毛のようなものであり、空から降ってくるものとするのであれば、どうしても見逃せない現象があります。降毛という自然現象です。
文字通り、空から白い毛が降ってくるとされる現象です。

降毛現象については、室町時代から江戸時代にかけ、たくさん記録が残っています。
この降毛は、火山が噴火した時に生じる火山毛だろうと考えられています。

降毛現象がケサランパサランの正体だとすると、「空から降りてくる」ものということなので、加茂水族館の展示物の説明は、納得できるでしょう。
ただし、生き物ではないので、餌を与えて増やすことはできないかと思われます。

ケサランパサランの生態

ケサランパサランは、動植物と考えるより、妖怪のようなものか、自然界の霊的ななにかと位置付けるのが適当な気がします。しかし、古くから伝わるケサランパサランの伝承によれば、生き物として扱われる場合が多いようです。
なぜなら、ケサランパサランは大きく成長しますし、餌を与えることで増えてゆくと言われているからです。

ちなみに、ケサランパサランの飼育法も伝わっているそうです。ケサランパサランを飼育している人も存在しています。
そうなると、やはり、植物というより動物に近いものなのかもしれません。
飼育する場合、桐製の箱に空気穴をあけたものを用意し、その中でケサランパサランを飼います。桐の素材は、ケサランパサランにとって、とても良い環境となるそうです。
餌を与える際は、姿を見ないようにしなくてはならないそうです。
ちなみに、ケサランパサランは白粉を食べるそうです。また、白粉は白粉でも、好みがあるようで、合わなければ残したりもするそうです。なんだか、可愛いですね。

ケサランパサランは不思議な存在ですが、どうやら寿命はあるようです。
数年のうちに、色が褪せて形が崩れてしまうと言われています。しかし動きがないものなので、ケサランパサランが生きているのか死んでいるのかも、見た目では分かりづらいのではないでしょうか。

もしケサランパサランを効率よく入手したいならば、ビワの木の近くを探すのが良いでしょう。ビワの周辺で、よく見つかると言われています。
入手したケサランパサランは、ぜひ、大事に飼育したいものです。

ケサランパサランの正体

ケサランパサランの正体については、いくつか説があります。
 
一つは、猛禽類が食べた小動物の毛を吐き出した、「ペリット」ではないかという説です。
「ペリット」ならば、確かに上から降ってくることでしょう。しかし、ケサランパサランのように、白く丸くふわっとしているでしょうか。
猛禽類が吐き出した動物の毛ではないか、という説には、疑問詞がつきます。

ケサランパサランが植物の種ではないかという説もあります。タンポポの綿毛のようなものならば、ふわふわとして白くて、空を飛んでいるとケサランパサランのように見えるのではないでしょうか。
植物説ですと、ガガイモやアザミといった植物の種が近いのではないかと考えられます。
これらの植物の種には冠毛がついており、空を浮遊している様は、白くてふわふわして、丸く見えるものです。
70年代には、セイヨウアザミの綿毛がケサランパサランとして売られていたので、植物の種についている綿毛は、ケサランパサランのイメージに非常に近いのではないかと思われます。

ふわふわと白い毛に覆われた幼虫こそ、ケサランパサランの正体だと考える説もあります。
アオバハゴロモの幼虫などは、ふわふわと白く、しかも、飛行することができます。しかし、アオバハゴロモの幼虫は非常に小さい生き物なので、サイズ的に、ケサランパサランの正体だとする説は無理があるかもしれません。

ある種の鉱物には、白い繊維状のものもあり、これがケサランパサランの正体だとする説があります。
しかし、宙に浮いて飛ぶようなものではありませんし、餌を食べることもないでしょう。

動物の毛、植物、生き物、鉱物。
いずれの説も、ケサランパサランのようでいて、ちょっと何かが足りない感じがします。
もしかしたら、それらのどれでもないのかもしれません。

東北地方のケサランパサラン

東北地方では、ケサランパサランのことを「ケーサラパーサラ」と呼ぶ場合があるそうです。
ケーサラパーサラを持つ家は、裕福になると言われています。しかし、ケーサラパーサラを持っていることを他言してはいけないのです。もし、人に言ってしまったならば、ケーサラパーサラの恩恵に預かることができなくなります。
そのため、どのお宅でケーサラパーサラが保管されているのか、調べ出すのは難しいのです。

ちなみに、東北地方の学者さんで、「うちの実家にケサランパサランがある」と公言された方がおられますが、「裕福にはなれなかった」と後に述懐されたそうです。
 
ケサランパサランを東北地方の養蚕と結び付けて考える説も、見逃せないでしょう。
ケサランパサランを降毛現象と考えるならば、火山噴火があった時にケサランパサランが発生すると言えます。天明・天保の大飢饉のときなどは、東北地方は大変な被害を被りましたが、これを機に養蚕が始まりました。その後、東北地方は養蚕が盛んになってゆきます。

空から降ってくる白い毛、火山噴火。
ふわふわとした白い毛玉のケサランパサランが、白く柔らかな絹を作り出す養蚕と結び付けられるのは、イメージが合致します。そういう説もありかな、と感じられます。 

ケサランパサランと、東北の伝説オシラサマ

養蚕とケサランパサランを結び付けて考えるとしたら、その延長として、オシラサマ伝説が浮かんできます。
オシラサマは東北の土着民族神で、馬と娘が結婚した結果、オシラサマが誕生したとされます。
娘が馬と恋に落ち、交わってしまいます。怒り狂った父親は、馬を殺してしまいます。すると、殺された馬の皮が、嘆き悲しむ娘の体を包み込み、空に飛んでいってしまいました。

その家の桑の木に、殺された馬の皮と、娘の亡骸がひっかかっており、やがてそれらは巨大な蚕になったとか。
これが、オシラサマ伝承のあらすじです。

どうしてオシラサマとケサランパサランを結び付けるのかと言いますと、それは、ケサランパサランという名前の由来にあります。
「ケーサラパーサラ」の「ケ」は、毛。「パ」は、馬。「サラ」は、「蚕」に接尾語「ら」がついたものと感が増すと、「けさんらぱさんら」となり、それがより語感のよい「ケーサラパーサラ」となったのではないかと考えられます。
馬と蚕が名前に入っているのですし、オシラサマ信仰とケサランパサランをつなげて考えるのは自然かもしれません。

ケサランパサランの語源について

ケサランパサランの名前の由来には諸説あります。
馬と蚕を象徴した名前なのではないかという前述の説の他、スペイン語の「ケセラセラ」が語源ではないかとする説もあるのです。
ケセラセラ、すなわち、「なるようになる」という意味です。
ふわふわ楽し気に宙を浮遊するケサランパサランに、似合った感じがします。

あるいは、サンスクリット語が語源ではないかとする説もあります。
「袈裟羅・婆娑羅」、つまり「けさらばさら」です。これは、法衣が風になびき、自由な様子を指す言葉です。
こちらも、ケサランパサランを思わせる言葉です。

他は、江戸時代の辞典である「和漢三才図会」に、「へいさるばさる」というものが紹介されています。
家畜の胆石や血石のことを「へいさるばさる」と呼び、薬になるという記述があるのです。「へいさるばさる」という語感は、確かに「ケサランパサラン」に似ています。それにしても、あまりふわふわ感はないようですが。

白くふわふわとして、自由だったり、あるいは貴重だったり。
総じて、「ケサランパサラン」は、良い物とされているのではないでしょうか。

結局のところ、ケサランパサランって?

ケサランパサランの伝承は古くからあります。見ると幸せになる、白くふわふわした丸いもの。とても素敵な、日本の伝説の一つだと思いませんか。

得体の知れないケサランパサランですが、実際に、東北地方でケサランパサランの展示がされているので、確かに存在はしています。
展示されている伝説というのも、珍しいかと思います。
また、ケサランパサランは日本各地で見られているので、自分自身も、いつか見かける可能性は、ゼロではありません。

もし、ケサランパサランを見つけた時は、珍しいものを見ることができたという幸運を喜んでよいかと思います。
無暗にとらえようとしたり、その正体を探ろうとするよりも、ただ、出会えて幸運に感謝するのが良いのかもしれません。
 
「本当にそんなもの、あるの」
と、思われる方のために、書き手の経験を少しだけお伝えしますが、実はわたしは、ケサランパサランのようなものを見たことがあるのです。
それは、ビワの木の近くでも、自然豊かな場所でもありませんでした。
町中の駐車場で、空からゆっくりと、光る白いものがゆらゆらと落ちて着ました。側に建物があるわけでもなく、変だなと思いました。

白いものが落ちた当たりを探してみたのですが、それらしいものは何も落ちていませんでした。もしかしたら風に乗って飛んできたゴミかなと思ったのですが、そういったものも、辺りには落ちていなかったのです。
 
多分、あれがケサランパサランだったのだと思っています。
ちなみにその年は、とても良い一年になりました。

※画像はイメージです。

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