MENU

純愛?鬱漫画?令和の新感覚セカイ系「君の戦争、僕の蛇」が開く新しい扉

当サイトは「Googleアドセンス」や「アフィリエイトプログラム」に参加しており広告表示を含んでいます。
  • URLをコピーしました!

90年代からゼロ年代にかけてサブカル界を席巻したジャンル「セカイ系」。だが最近では時流の変化もあいまってかやや下火になった感が否めない。そんな2021年「セカイ系」の新たな扉を開くかもしれない漫画が誕生した。

それが今回ご紹介する『君の戦争、僕の蛇』(著 : 中野でいち)だ。SF、ボーイミーツガールなどセカイ系の王道を描きながらも驚きの展開で新たな扉を開いたかもしれないこちらの作品。一体どんな魅力があるのか。さっそくその内容に迫ってみよう。

目次

純愛?それとも……?セカイ系ボーイミーツガールに隠された残酷すぎる秘密

今回紹介する漫画『君の戦争、僕の蛇』。本作は宇宙生物の襲撃をうけ、滅亡の危機に瀕した地球が舞台。対宇宙生物戦用の生物兵器を移植された主人公西丸子英夫が、特殊衛生兵として彼をサポートする十日市祈莉とバディを組み、戦いの中で心を通わせていくというのが大まかなストーリー。
SFとボーイミーツガールまさに「セカイ系」の王道といった展開だが、実はこの展開は表向き。本作には王道の裏側に隠されたもう一つのストーリーが存在するのだ。ややネタバレになってしまうのが心苦しいのだが、ぶっちゃけてしまおう。

主人公へ向けたヒロインの振る舞いはなんとすべて「仕込み」。なんと、ヒロインの任務とは自らが兵器そのものとなった主人公が、守りたい人のために最大のパフォーマンスを発揮できるよう、ヒロインに恋愛感情を抱かせることだったのだ。
主人公の力を目的に恋愛感情を利用する……まるで結婚詐欺のようだが、この残酷すぎる種明かしが序盤に行われると物語の見え方がガラッと変わり、王道の「セカイ系ラブストーリー」が潜入捜査官ものやスパイものの趣きを帯びてくるのが本作一番の特徴。

SFバトルのハラハラ感、表向きのラブストーリーが進行するドキドキに加え、ヒロインの任務がバレるかばれないかのスリル感が否応なく読者をひきつけるというわけ。また「セカイ系」や「ボーイミーツガール」あるある(主人公とヒロインの不自然な同居など)が「仕込み」の一環として登場するところなどは、オタクであればあるほどニヤリとできる。
この王道の「セカイ系」を一度ぐるんとひねったストーリー、人によってはかなり斜に構えた感触を受けるかもしれない。だが、そのひねりが理解できるのも「セカイ系」に慣れ親しんだオタクだからこそ。
「セカイ系」に飽きたオタクにこそ試してほしい漫画と言えるだろう。

恋愛のスリルだけじゃない?『君の戦争、僕の蛇』セカイに隠された秘密を追え!

「セカイ系」の王道、SFバトルとボーイミーツガールに大きくひねりを加え、スリルをマシマシにした漫画『君の戦争、僕の蛇』。主人公とヒロインの関係(かなり裏のあるものだが……)が大きなみどころとなっている本作だが、それ以外の部分にも注目してみよう。まず主人公の戦闘スタイル。一応作中では「生物兵器」と呼ばれているオロチ。このオロチに変身して戦うのが主人公たちの戦闘スタイルなのだが、この変身後の姿がなんとも言えない。

ガンダムのようなロボットとも進撃の巨人のような人型の怪物とも違うオロチのビジュアル、そして嫌悪感すらもよおしそうな戦い方は「これ、ホラーだっけ?」と一瞬勘違いしそうになるほど。そんな獣のような生々しい戦い方を主人公が繰り広げる一方で、敵となる宇宙生物はやや無機質というか植物的なビジュアルをしている(こちらも捕まえた人間を取り込んだりなかなかグロい攻撃をしかけてくるのだが……)。

そもそも生物兵器と銘打たれているが、主人公たちが移植されたオロチが一体なんなのか。作中ではほぼ明らかにされていない。ひねりが多い作品だけにこのあたりにも何か秘密が隠されていそうだ。「セカイ系」と言えば主人公を中心に繰り広げられる人間関係と、世界の秘密がリンクしているのがお約束。オロチや敵宇宙生物が主人公たちの運命とどのように関わってくるのか、主人公とヒロインの関係のようにどんでん返しがあるのか、先に挙げたバトルだけでなく細部に注目しながら読めばさらに深く作品を楽しむことができるだろう。

「セカイ系」に飽きてしまった人へ

このように今回取り上げた『君の戦争、僕の蛇』は王道セカイ系ラブストーリーを踏襲しつつ、あるある部分にひねりを加えマンネリを回避したスリリングな作品だ。まだ1巻が発売されたばかりとあってややストーリーの緩急に不安が残るところもあるが、それよりも作品世界に引き込まれるインパクトの方が強い。
ややジャンルとしてマンネリ化した「セカイ系」に飽きてしまった人ほど楽しめる。興味のある人はこの機会にぜひ読んでみいてはどうだろうか。

著:中野でいち
¥673 (2023/01/08 14:21時点 | Amazon調べ)

(C) 中野でいち ヒーローズ

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

思った事を何でも!ネガティブOK!

コメントする

コメントは日本語で入力してください。(スパム対策)

目次