今回は、愛知県と静岡県をつなぐ、ディープな心霊スポット「旧本坂トンネル」を車で5分ほど行ったところにある。
「首狩神社」を考察していきます。
もちろん「首狩神社」というのは愛称のようなもので、本来は「浅間神社(せんげんじんじゃ)」といいます。
さて、なぜこの「浅間神社」が「首狩神社」などと、おどろおどろしい名前で呼ばれるようになったのか。
それには古くからの恐ろしい伝説があったのです。
「首狩」の由来
「浅間神社」が「首狩神社」と呼ばれる理由は、江戸時代にさかのぼります。
江戸時代に、江戸と大阪を結ぶ東海道が栄えました。書状などの伝達だけではなく、一派の旅客も利用し始め、道沿いにはにぎやかな宿場町がいくつも作られました。
ただ、東海道にはかなりの数の「関所」があったのです。
「関所」とは、軍事や警察状の目的のために設置された施設で、通過する時には役人に「手形」を見せなければなりませんでした。
当時江戸幕府は、諸大名の謀反を防ぐため、江戸に最強の武器であった鉄砲を持ち込むことと、人質として江戸に住まわせていた大名の奥さんが江戸から逃げ出すことを厳しく監視していました。
これが「入鉄炮出女」です。
そのため、江戸を出る女性は、特に厳しく取り締られていたのです。
女性は往来手形のほかに 関所手形が必要だったのですが、この女性の通行手形には、髪型、黒子の位置、目鼻の形など特徴が書かれていました。
関所を女性が通過する時は、「人見女」という係の女性が、体の隅々まで検査し、手形に書かれた特徴と一致するかどうかと言うことはもちろん、妊娠の有無まで調べたといいます。
体の隅々まで調べられるということは、着物も脱がなければならなかったし、さらに、結った髪も解かなければなりませんでした。関所の周辺には、解かれた髪を結い直す「髪結屋」もあったそうですが・・・。
これはかなり面倒臭いですね。
そんな関所での厄介ごとを避けるために、女性たちはわざと険しい裏街道を通ることもありました。
静岡県磐田市見付町と愛知県豊川市御油町を結ぶ街道は、「姫街道」とも呼ばれ、特に女性の通行が多かったと言われています。しかし、裏街道を通ることは常に危険と隣り合わせでした。
この道はかなり険しく、旅慣れない女性の足ではかなり厳しい道中です。足を滑らせて命を落としたり、体調を崩して動けなくなる人もいたことでしょう。
そしてもう一つ。当時、裏街道には山賊が横行しており、そこを通る旅行者を狙っていたのです。
山賊の蛮行!生首を石段に?!
旅をする人たちは、宿泊代や食費などいくらかのお金を持っていました。
山賊たちはそこに目をつけ、街道を通る旅行者を襲い金品を奪ったのです。
姫街道は女性が多く通っていたこともあり、山賊から金品を奪われるだけでなく暴行を受けることもあったといいます。
また山賊たちは殺した人の首をはね、仲間内で自慢するために、その生首を浅間神社の石段に晒していたのです。
慰みものにされた女性たちの首も、冷たい石段に乗せられたのかもしれません。
そんなことがあったからか、この辺り一体では
- 赤ちゃんを抱いた女性の霊
- 着物姿の女性の霊
- トンネルの天井から逆さまの女性が出てくる
など、女性の幽霊の目撃情報が多く寄せられています。
首狩神社の心霊現象
山賊たちが生首を晒したのは、浅間神社の石段の1段目と3段目だったそうで、特にこの3段目は踏んではならないという言い伝えもあります。
インターネットで語られている「首狩神社」の心霊体験はいくつもありますが、そのうち1つを紹介したいと思います。
夜、首狩神社に肝試しに行った4人の男性のうち1人であるAさんが、石段を登っている間に突然はぐれてしまいました。他の3人が「これはおかしい」と慌てふためいていると、どこからかAさんのうめくような声が聞こえてきます。
3人はAさんを見つけると、車に乗せ、Aさん宅に向かいます。しかし、車内でもAさんはずっとうめき声を上げ続けていました。
Aさん宅に到着し、Aさんの母親に今あったことを伝えました。
Aさんの母親は「ひとまず今日はもうから遅いから泊まっていきなさい」といい、3人はそのままAさん宅に宿泊します。しかし、翌朝とんでもないことが起こるのです。
3人は、Aさんの母親の取り乱した声で目を覚まします。Aさん宅には警察官が来ていました。
警察官は3人に写真を見せると「この男の子のことを知っているか」と尋ねます。
「Aに何かあったんですか?」3人は昨日の夜浅間神社に行ったこと、4人でA宅に戻ってきたことを警察官に説明しました。しかし警察官は怪訝そうに首を傾げます・・・「この男の子が首狩神社で遺体で発見されたんです」。
この話は、あまりにも作り話めいていますが、思わずゾクっとしてしまいますね。
心霊系YouTuberも、首狩神社を訪れていますが、「コーンコーン」と何かを叩くような音が聞こえてきて、途中で退散してしまうという動画になっています。
その他にも、
- 1列になって階段を上がると、最後の人の首が狩られる
- 1段目と3段目を踏むと祟られる
- 車の窓を激しく叩かれる
- 心霊写真が映る
など、首狩神社にはさまざまな噂があります。
いずれにしても、遊び半分で行くべきではないでしょうね。
グーグルストリートビューで行く「首狩神社」周辺心霊スポット
「首狩神社」だけでも十分怖いのですが、そのほかにもこの周辺には心霊スポットがいくつもあるのです。
それでは、グーグルストリートビューを見ながら、いくつか紹介していきます。
旧本坂トンネル
まずは、「首狩神社」から車で5分程度離れたところになる「旧本坂トンネル」です。
この旧本坂トンネルは大正5年に開通した歴史あるトンネルなのですが、地元のオカルトファンのほとんどが行ったことがあると答える、とても不気味なスポットなのです。
交通量の少ない、狭い道路を走っていくと、向こうにぽつんとトンネルの入り口が見えてきます。
辺りの薄暗さもあって、できたら通りたくない雰囲気ですね。
トンネルの中は落書きだらけです。
このトンネルでは、天井から女性がぶら下がっているとか、着物姿の女性がトンネルの中に立っているという目撃情報もあったり、心霊写真が撮れたりと、色々な噂に事欠きません。
さらに、2009年には、肝試しに来ていた男女が金属バットを持った少年たちに襲われたという事件も発生しているので、心霊以外の点でも気をつけた方が良さそうですね。
多米峠
次は、豊橋市多米町と静岡県湖西市を結ぶ峠道「多米峠」です。
ここは三河湾に面していて景色がとてもきれいな観光スポットで、夜は夜景も有名なのですが、この峠にも怖い話がたくさんあります。
レストラン東山
SLが走るレストランとして1970年代後半に開業。地元の人に愛されていたレストランですが、ですが、1980年代頃閉業しました。現在は解体されていますが、ストリートビューでは解体前の姿がチラッと見えています。
閉業後は、廃墟としてたくさんのマニアが訪れたようですが・・・。
ここで殺人事件があったとか、なかったとか・・・。
豊橋側のパーキングにあるトイレに幽霊が出る
パーキングにぽつんとあるトイレ。ここで幽霊を見たという目撃情報があるそうです。
夜は特に不気味感が増しそうですね。
ホッピング老婆
着物を着て下駄を履いたお婆さん。
そんな動きにくそうな格好をしていながら、夜中に峠を走る車を、ひと飛び4mもの脅威の跳躍力で追いかけてきます。
追いかけられたドライバーは慌ててハンドル操作を誤り、事故を起こしてしまうのだとか。
まとめ
今回は、「浅間神社」が「首狩神社」と呼ばれる由来について紹介しました。
ただ崩された髪を結い直したり、身体検査をされるのが面倒臭いと言う理由ではなく、どうしても関所を越えられず、命をかけて領地に戻らなければならなかった女性たちも多くいたのです。
関所を避けて険しい山道を通ることは、女性の足には厳しく、ケガや病気で命を落とすこともあったでしょう。
さらに、山賊たちが裏街道を通らなければならない女性たちを、舌なめずりをしながら待ち構えていたのです。
領地に帰る途中で山賊たちの慰みものになり、命を奪われる。
死んだ後も丁重に弔われることもなく、その首を石段に晒される。
そんな無念が、いつまでもこの場所に残っているのかもしれません。
※画像はイメージです。
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