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見たものを発狂させるという怪異「くねくね」の正体を考察

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田舎に住んだ経験のある人なら、風にそよぐ田畑の美しさを知っていることでしょう。技術は進化したとはいえ、大昔から同じ風景が続いてきたと考えると、少し神秘的な気分になってしまいます。
そんな神秘的な風景の中に、得体の知れないものがいたとすればどうでしょう。

これからご紹介していく怪異譚「くねくね」は、そんな光景の中に現れた得体の知れない存在の話です。簡潔ではあるものの、他の怪異譚とは違う雰囲気を醸し出している物語です。
この記事では、「くねくね」という怪異譚の詳細に触れ、その正体を探っていきたいと思います。

目次

「くねくね」とは

「くねくね」とは、2ch発祥の都市伝説の1つです。川や田んぼなどの水辺の近くに現れるとされ、その名の通りくねくねとした、奇妙な動きが特徴です。

それは、遠目からは白っぽい案山子のようにも見え、一見すると恐ろしいものには思えません。しかし、一旦近付いて見てしまうと(それがたとえ双眼鏡越しであったとしても)悪影響は免れません。最悪の場合、発狂してしまうとされています。

2chをはじめ、インターネット発祥の怪異譚は少なくありません。しかし、その多くは発信源が不明なまま。

その点「くねくね」は、この怪異に関する最初の書き込みが特定できる珍しい事例です。そのシンプルな構造が、人を怖がらせるのかもしれません。

代表的な目撃談

以下にご紹介するのは、「くねくね」に関する最初の投稿です。簡単なあらすじをご紹介しれきましょう。

この話は、語り手の弟の友達Aが体験したものです。

Aは兄と共に、田舎に遊びに行きました。Aが兄と共に緑が茂る田んぼを窓から眺めていると、白い服を着た人が踊り始めました。その人の動きはくねくねとして、人とは思えないような奇妙なものでした。

Aと兄は一緒に見つめていたものの、兄の方が先に分かったようです。Aは兄に踊っていたものが何であったかを尋ねますが、兄は教えてくれません。「分かったが、分からない方がいい」というのです。結局、Aはそれが何か最後まで分かりませんでした。

語り手は弟に対し、今からでもAの兄に聞けば良い、と言います。しかし、現在のAの兄は、知的障害を患ってしまっているのでした。

「くねくね」とは一体何なのか

「くねくね」とは一体何なのでしょうか。その正体はどんなものなのでしょうか。ここからは、私感を含めて考察していきます。

まずは、「くねくね」の特徴を考えていきましょう。

「くねくね」はその名の通り、くねくねと動く、人型(のような)物体です。それを遠目から見ること自体には害はないものの、双眼鏡などではっきりと目視してはいけないとされています。「分かったが、分からない方がいい」というセリフから、「見る」よりも「理解」することが禁忌であるとも考えられます。

「くねくね」を見たものは、精神的に何かの異常を起こしてしまいます。最初の目撃談では「知的障害」と描写されていますが、2つ目の目撃談では、怪異と同じように、「(悲しそうな顔で)笑いながら、くねくねと動き続ける」語り手の兄が登場します。また、「くねくね」は夏の昼間、田んぼや川などに現れるとされています。水に関わる場所で、昼日中に現れるというのは、大きな特徴といえるでしょう。

2つ目の目撃談で、兄のその後が語られることになります。数年祖父母が田舎で保護をしたのち、「田んぼ」に放す、と言うのです。
「くねくね」は明らかに伝染性を持っています。そして、それが田んぼに放されるということは、「くねくね」を見たものが「くねくね」になる、ということではないでしょうか。

「くねくね」が現れる場所は、先に書いた通り水に関わる場所がほとんどです。水は生活に欠かせないものでもありますが、様々な病気の媒体になることも確かです。
病気とは、その病気のことを知っているからこそ「病気」になるのです。体調が悪くても病気の具体的な症状を知り、診断を受けなければ、「自分は病気だ」と考えないのです。

水辺に発生。そして、「理解したことで発祥」。こじつけかもしれませんが、水系の伝染病への恐れが「くねくね」の形を取り、表現されたのではないでしょうか。

久延毘古説

「くねくね」は、日本神話に登場する久延毘古命(くえびこのみこと)ではないかとする説もあります。かなり説得力のあるものですので、ここで簡単にご紹介しておきます。

「神代の時代、大国主命の元に大陸から小さな神がやってきました。大国主命はその神に名を尋ねますが、答えてくれません。また、その神の名を知るものは誰もいませんでした。そんな中、多邇具久(たにぐく)が<久延毘古命ならその名前を知っている>と教えてくれました。大国主命が久延毘古命に尋ねると、その小さな神が少彦名命(すくなひこなのみこと)であることが分かったのです」

これは、久延毘古命について触れた数少ない神話の1つです。短い描写ながら、久延毘古命が物知りであることが分かります。

また、久延毘古命は案山子を神格化したものであるとされています。
案山子の様子を想像してみましょう。案山子は風雨にさらされることが多く、ボロボロになっていますよね。久延毘古命の「くえびこ」というのは、体が崩れた男性を指す言葉です。そして案山子とは、田んぼや畑に立てるものです。

「くねくね」を目撃した人は当初、それを案山子だと思い込みます。また、「くねくね」は田んぼに現れることが多い怪異です。

久延毘古命と「くねくね」。共通点がかなり多いことが分かるでしょう。

「分からない」ことが怖い怪異譚「くねくね」

「くねくね」というインターネット発祥の怪異譚について、私見も織り交ぜながら解説してきました。

2ch発の怪談は、怪異の詳細が語られていることが多いものです。しかし「くねくな」は、その存在に関することのほとんどが分かりません。白い案山子に似ていて、くねくねと動き、しっかりと見てはいけない、ということだけです。

この分からなさは、「くねくね」をより恐ろしいものにしています。分からなさ過ぎて、創作だと笑い飛ばすことができないのです。
田舎に住んでいる人、田舎に行く用事のある人は、田んぼに変なものを見つけても凝視しないようにしましょう。

※画像はイメージです。

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