「沓沢湖」は塩尻市洗馬のダム湖で、バス釣りの聖地として釣り人たちに知られていました。
主に農業用の水源として利用されていたのですが近辺の給水需要から使われなくなって埋め立てが進み、水も抜かれてしまい、今ではかつてのような湖を見ることができません。
そんな「沓沢湖」ですが、この湖は心霊スポットとしても有名だったのです。入水自殺をする人が後を絶たず、その死体は湖の底に沈み浮かび上がる事がないという噂があり、マニアから一般まで多くの方々が訪れていました。
近隣の沓沢湖に繋がる「沓沢トンネル」でも、湖で自殺した人の幽霊が出るという噂や、トンネル内部に苦しむような人の顔の形をしたシミが浮かびあがっていると言われ、同時に訪問して恐怖を味わうというのが定番だったのです。
心霊スポットとして真相
これらの噂が本当か?といえば、近隣住民の人たちに話を伺うと、今までに沓沢湖で自殺をした人がいるという話は聞いたことがない。もしそんな事があればたちまち噂が広がり、少なくとも誰かが知っているはずだし、行政もなにか対策を施すはず。新聞やテレビなどでもそのような事件が報道されたこともないのです。
沓沢トンネルについても、薄暗くて車が1台やっと通れるくらいの狭いトンネルなので不気味な印象がありますが、実際のところ地元住民の人にとっては生活するうえで欠かせないトンネルであり、霊が出るとか、人の顔のシミが浮かび上がっていう話は聞いたことがないということです。
湖が水を抜いて埋めたてられたのも自殺防止という噂がありましたが、実際は塩尻市の調査で沓沢湖の耐震性に問題があり、このまま放置してしまうと大地震が起きると湖が崩壊して近隣住民に被害が出る可能性があるからだそうです。
そもそもの話になりますが、もし本当に無数の死体が湖に沈んでいたのならば、水を抜いた時に死体が見つかり、騒ぎになるのが普通でしょう。
風評被害
沓沢湖は山奥にあり夜は人気の少ないという状況から、地域外の人たちが勝手に不気味な印象を持ってしまい自殺の名所と言われ、心霊スポットという誤った情報が一人歩きしてしまったと推測されます。近くにある沓沢トンネルも狭くて薄暗いということから怖いスポットとして刷り込まれてしまったのだと推測されます。
根拠のない噂に踊らされてやってきた人が、マイナスイメージを拡散した風評被害というべきでしょうか?
面白半分でした行動が、近隣住民や沓沢湖を管理してきた人たちを無意識に傷つけてしまっているかもしれない・・・ということを考えなければいけないのと感じます。
調べれば根拠のないスポットも他にもいくつもある事でしょう。
※画像はイメージです。
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