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葛の葉稲荷神社五芒星残照

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清少納言も引用したことがある信太の森におけるドラマを、述べてみたいと思います。
テレビを見ていると急に眠気に誘われてベッドに入った。その晩、私は長い夢を見た。

目次

夢の話

阪和線の北信太駅が現れ、北信太駅の近くには線路の海方向側に葛の葉稲荷神社がある。神社の周囲の田圃の中を通る道を海に向かって自転車で進むと、それほど時間をかけずに大阪湾に面する高師浜などの海岸に達することができる。
私は祭祀で賑わう神社の方に歩いていった。

参道に続く道には、綿飴や様々な子供達が喜びそうなものを売っている台車に備え付けた売店が並んでいた。
その道傍の葛のつるが巻き付いた低木の陰に、一人の女性が、東の方角を向いて立っている。

その女性の視線を追ってゆくと、眼前に信太山の低い丘陵が現れた。赤土の勢いが強い丘陵地帯に盛り土部が点在している。信太山の彼方には金剛山の影が薄青く見え、葛城山も見えた。

夢の中の女性

突然その女性の声が
「このあたりは、豪族信太首が住み着いた場所で、信太山には、幾つかの古墳があります。」
「昔はこのあたりも河内の国だったのですが、今は分かれて和泉の国になっています。和泉の国の中心となる聖神社が灌漑水を貯めるための山の池の傍に建立されています。」
「秋祭りのときは、聖神社に集まった多くのだんじりが列をなしてふもとの村の方に降りてゆき、それは壮観です。」
「聖神社からさらに奥の方に進むと、民を慈しまれた皇后様にちなんで後世に命名された光明池という大きな池があります。また、これも後世に建てられたものですが、美しく立派な銀木犀と金木犀がある蔭涼寺があります。」
「さらに進んでゆくと、皇后様に関係があると伝承されている和泉の国(昔は河内の国)国分寺があります。」
「皇后様には鹿との関連話がございますが、それは皇后様が生類憐みの対象を動物にまで及ぼされていたからだと思います。これは、私にとってもたいへん嬉しいことでございます。私は、この深く森が繁る葛の葉稲荷神社に関係するものですが、祭祀のときは、心ならずもここに出てきてしまいます。」
「寂しい時は、阿倍野の方、つまり北の方に目を向けて、五芒星を見て心をなぐさめております。」

目を覚ますと

ここまで女性が話を続けたとき、私は風の音で目を覚ました。
私は、夢に見たときの女性の顔を思い出そうとしたが、どうしても思い出せなかった。
おそらく、話の内容が変わるたびに、女性の表情が大きく変わってしまったことによるのであろう。

※画像はイメージです。

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