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虚実が織り成す歴史の暗部 「シュヴァリエ 〜Le Chevalier D’Eon〜」

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舞台は18世紀欧州。絶対王政は華やかなりし爛熟の時を過ぎ、忍び寄る国家転覆の足音と今一度の隆盛を目論む権力闘争のせめぎ合いが火種となって世に満たされようとしていた時代。
貧しくも生きられるという豊かさを謳歌するが故に、武力、謀略、経済戦、情報戦…大小も善悪も問わず、自身に備わったあらゆるものを動員して守り、戦い、目指すものを勝ち取らんとする混沌の中で生きる人々の物語です。

「最愛王」と呼び慕われたルイ15世の統治するブルボン朝フランス…欧州における中軸の暗部に触れた一人の女性、リアの死から物語は動き始めます。
革命を謳い暗躍する謎の結社、リアが密命を帯びていた事を仄めかす「王の機密局」、それらの組織と欧州諸国が暗闘を繰り広げる謎の書物「王の詩編」…真相へ迫る程に苛烈さを増す戦いの果て、騎士デオン一行は何を見出すのか…!

伝奇ロマンの風情を軸に、緻密な論理の組み立てによってSFから歴史ファンタジーまでを幅広く描く冲方丁氏を原作に擁する本作。
現在に至るも謎多き実在の外交官にして騎士「デオン・ド・ボーモン」を主人公のモデルに据え、虚実華麗に織り交ぜて仕上げられた一大歴史ファンタジー作品となっています。
迫力のアクションとそれを掻立てる緻密にして狡猾な極彩色の歴史絵巻をご堪能あれ!

目次

銃と魔術と剣戟と!歴史的過渡期の織り成す独特な戦闘アクション!

本作の時代背景は18世紀後半の欧州…「三銃士」(より詳細には第3部「鉄仮面」として知られる時代が近い)や、少し時代の下るフランス革命を描いた「ベルサイユのばら」等の作品名を借りる事で世界観のイメージがしやすいかもしれません。
絶対王政という政治形態において、国政の中枢を担う大諸侯や門閥貴族が隆盛を極め、それにより確固とした文化・経済基盤が作られる事によって、大砲や小銃といった兵器が開発・量産される一方、騎士や剣士とされる個人技に長けた人物が文武の教導者として誉れを受けながらも時代の遺物となっていく…そんな時代の過渡期であるからこそ表れる卓抜した剣技と銃火が織り成す「銃士」の激しい戦闘シーンが本作の大きな見どころです。

華麗に交錯する剣技の合間を鋭く縫う銃撃、美しくも激しい戦技が迎え撃つのは「詩」…幾何学的に編み込まれた論理を魔術的な調べに載せて力あるものとする超常の技。
錬金術等と同様、欧州において現実に研究が積み重ねられたものを大胆に解釈し、秘法としての姿を与える事で、リアリティに満たされた世界へ精強な剣士・銃士を向こうに回すとも引けを取らない文字通りの「怪物」を生み出す説得力を与えるものとなっています。

ミリタリーから伝奇アクションまで、あらゆる戦闘アクションを魅力的に描き出してきた「プロダクションI.G」の真価が遺憾なく発揮された戦闘シーンの数々をお楽しみ頂けます。

事実は小説よりも奇なり!歴史的事実の間隙に「遊ぶ」伝奇的ロマンの精粋がここに。

本作の大きな魅力と言えば、そのアクション性においても裏打ちとなる、虚実織り交ぜて練り上げられた重厚な世界観であると言えるでしょう。
主人公には17世紀後半、ブルボン朝フランスの騎士にして外交官、男女二面の存在を使い分けたとされる実在の人物「デオン・ド・ボーモン」をモデルに据え、同時代の歴史的事実である熾烈な外交戦や権力闘争を描き出す事で、生々しく重量感のある群像劇という舞台を仕上げています。

他方、一見すると荒唐無稽になりかねないオカルト要素についても、実在する魔術的秘密結社…フリーメーソンやテンプル騎士団、薔薇十字騎士団や黄金の夜明け団の如き現実社会との結びつきを持った存在として落とし込む事で、その不可思議な存在感を巧みに現実と結びつけ、実存と虚構の狭間で不気味に揺れ動く存在、或いは不確かであっても気高く揺るがぬ精神の裏付けとして、物語の厚みを支える重要な要素として作り上げられています。
「もしかしたらこんな事もあったかもしれない」…フィクションだと分かっていても、知的好奇心を目一杯刺激してくれる魅惑の囁きに満ち溢れた作品です。

単なるフィクションで終わらない

単なるフィクションで終わらない、様々に好奇心を刺激してくれる要素が端々に至るまで満たされる事で、歴史好きからアクションファン、オカルトマニアまで楽しめる盛り沢山の一作。

本作はアニメ作品の他に小説版と漫画版が存在するマルチ展開が為されており、いずれも描写が少しずつ異なるものになっています。
どこを切り口に物語を紐解くかは、アナタ次第です…!

(C) 冲方丁・Production I.G /「シュヴァリエ」製作委員会2006

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