戦艦大和と言えば、言わずと知れた帝国海軍の巨大戦艦。巨大なだけあって大量の燃料を消費するため、資源に乏しい日本では活躍できなかったと言われていましたが、公表された性能諸元を読み解くと、意外な事実が浮かび上がります。
燃費の計算方法
大和に限らず、旧軍の軍艦の性能諸元は公表されており、Wikipediaにも記載されています。
大和の場合、燃料搭載量は6300t(燃料タンクの構造上、実際に使用できるのは約6000t)。
巡航速度(最も燃費の良くなる速度)で航行した場合の航続距離は22872kmとされています。
したがって、大和が1km航行するために必要な燃料は 6300t/22872km = 約0.262t と計算できます。
同様の方法で、ほかの軍艦の燃費も計算してみます。
計算結果
航空母艦 赤城 0.395t/km
航空母艦 瑞鶴 0.223t/km
戦艦 大和 0.262t/km
戦艦 扶桑 0.233t/km
戦艦 金剛 0.349t/km
巡洋艦 利根 0.145t/km
巡洋艦 長良 0.135t/km
駆逐艦 陽炎 0.067t/km
駆逐艦 朝潮 0.068t/km
考察
・・・ええ。
なんというか、実は大和ってものすごく燃費良いんじゃないかという気がしてきます。
例えば駆逐艦朝潮と比較すると、大和の燃費は朝潮の約3.82隻分です。
大和型の機関は駆逐艦に用いられたボイラーを4隻分搭載した上で90%の出力制限をかけているので、だいたい駆逐艦3.6隻分前後になることが予想でき、3.82というのはそれらしい数字ではあります。
なんだやっぱり大和燃費悪いじゃんと思いますか?
ところが、朝潮の排水量は2000t程度しかなく、72000tもある大和の約2.77%しかないのです。
排水量、要するに船の重量が大和の2.8%しかない朝潮が、同じ距離をほぼ同じ速度で航行するのに大和の26%もの燃料を消費するのです。
ちなみにほかの艦船とも比較してみると、航空母艦赤城の燃費、なんと大和の5割増し。
さすが某萌えゲームの大食い娘。
同じ戦艦の金剛は、大和より33%ほど高燃費。金剛の排水量は大和の半分しかないのに。
まとめ
さて、データから読み解く日本海軍の燃料事情、いかがでしたでしょうか。割と検索すればすぐに出てくるデータからでも、通説とは異なる結論を導くことのできるという一つの例かと思います。
これからは大和のことを大食艦娘とか言わないであげてください。
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コメント一覧 (1件)
それでも大和が駆逐艦よりは燃費が悪いのは事実でしょう