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忘れようとした記憶からの連絡

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僕は中学を卒業してから地元を離れて、高大一貫の学校に進学しました。それから地元に帰ることもなく、あっという間に大学を卒業し、地元には戻らずに都会で就職しました。

ある日、中学卒業からずっと疎遠だったクラスメイトから、同窓会を開くと携帯に留守番電話が入ってたのがきっかけで、ゴールデンウィークに帰省することにしたのです。

目次

懐かしい旧友

久しぶりに旧友に会えると思いワクワクし、地元の駅に着くと当時よく遊んでいたA君が出迎えにきてくれていました。
何気ない昔話をしているうちに話が食い違ってきて、するとA君が「お前忘れたの?」と尋ねてきます。
僕は何のことか分からず「なんのこと?」と聞き返すと、「まだ時間あるだろ?俺の家に寄れよ」と言われ、A君の家に向かったのでした。

家に付くなり、中学の卒業アルバムを広げて話を始めます。その中には見覚えのある顔が並んでいてとても懐かしく感じました。そしてA君は一人の男の子の写真に指をさし、「俺たちはいつも3人だったじゃん」・・・と。
その子の名前はB君、僕は完全に忘れていたというよりは、自ら記憶に封印をしていたのです。

B君のこと

その記憶というのは僕たちが中3の時、町の外れの廃工場に肝試しに行った時の出来事でした。
そこは何を作っていたかは不明ですが大きな工場で、誰かが殺されたや幽霊が出たなんかの噂が絶えず地元では有名なスポットです。

噂とは裏腹に怖いという程の場所ではなく少しガッカリしながら帰ろうとすると、そこにはB君の姿がありませんでした。
僕たちは必死に探したのですが見つからず、日も沈んで泣きながら家に帰って親に事情を説明すると大騒ぎに。
警察や地元の消防団や学校関係者が探したのですが、B君は発見できなかったのです。

どうしてこんな大事な事を忘れたのかといえば、肝試しに行こうと言い出したのは僕だったので酷く落ち込んで心を病んでしまい、両親や学校側からも地元を離れて忘れて暮らした方がいいと促された事もあり地元を離れたのでした。

忘れようとしていた記憶

忘れようとしていた記憶がよみがえり自責の念が・・・と思った。A君も少し心配そうに見つめているのですが、時間が作用したのでしょう、その時よりは事実を冷静に受け取れ事故だったのだと思えるようになっていました。

そこで改めてA君に迎えにきてくれた事にお礼を言うと、彼はキョトンとしたのです。
僕は「同窓会があるから帰省した」と告げるとA君は何人かに連絡を取り、そんな話は無いと断言しました。駅にいたのも、たまたまであって迎えにきたつもりはないと。

僕は話を信じられずというよりは確認のつもりもあって、「確かに明日の土曜の夜7時からXX会館で開催する」からと聞いていると話すと、A君はXX会館はもう使われてなくて廃墟状態だと・・・。

それから

もちろん僕たちは勇気が無いので、当日XX会館には行きませんでした。
A君の勧めもあって、そのまま都会にとんぼ返り。A君もなにか危機感のような物を感じたようで、僕と一緒に都会にいって、僕の部屋に泊まる事にしました。
週末は、携帯が鳴るんじゃないかとビクビクしながら二人で過ごしたのですが、なにもなくA君は地元に帰っていったのです。

僕に電話をくれたのは誰だったのでしょうか?
もし指定の時間にXX会館に行ったらどうなっていたのでしょう?
全ては未だに見つかっていない、B君の仕業の気がしてならないのです。

※画像はイメージです。

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