当時、中学生の私は星野観望という趣味にはまり、親友と夜な夜な夜空を見上げていました。
その晩は
その晩はペルセウス流星群の極大日でなんとしても観たかった。
一晩学校の校庭をかり、テントを張りたかった。
担任に相談すると、教師全員の理解が得られたら許可しようと約束してくれました。
親友と2人で観測をしたいと、すべての教師に説明してまわり、どうにか校庭に泊まる承認を得たのです。
カメラは輻射点の方向に向けて、レリーズもセット、校庭のまん中に寝転び、観測を開始します。
1時間に50個ほどを数えることができ、色とりどりの痕も確認でき満足。
趣味の雑誌に結果を投稿しようなどと、白みがかった夜空の下で寝転がっていました。
その時
その時、友人が「あれなに!」と、声を上げた。
私もすでに見上げていて、あれはなんだと!考えていた。
それはカシオペア座を覆い隠すような薄い光で、ゆっくりと光のベールはこちらに向かい移動している。
「怖い」
友人が起きあがったのに合わせて、すぐに逃げ出せるように靴紐を結ぶが顔は空に向けていた。
「ねえ、だんだん高度が下がってる」
そいつは巨大な鳥が羽ばたくようにゆうゆうと光を揺らしていた。中にひときわ明るい光が10個ほどであろうか。
UFOの編隊
「UFOの編隊だ」
友人が口にすると、急に怖くなった。
明らかに高度を下げたから、ひとつひとつの光がはっきり確認できた。
私たちは校庭の隅のトイレに逃げ込んだ。
「UFOだよね、見つかったかな」
「わからないけど、さっきより形がはっきりしてる」
友人がいうようにひとつひとつは長方形であり、一定の距離をとり編隊を組んでいる。
「誰か観てるかなあ」
編隊は上空をゆらゆら揺れながら、西の空に移動していた。
今夜は流星群の極大日だ、私たちのように夜空を見上げている者もいるはず。
結局
結局、編隊は西の空に消え、夜が開けた。夏休み中であり、私たちは興奮したままそれぞれの家に帰った。
家族も学校の友人たちに話しても、誰も興味を示さなかった・・・まったく無関心。
気になった親友は天文台に確認の電話をしたらしいが「そのような連絡は入っていません」とのこと。
それから何年かして、ナチスドイツがUFOのテスト飛行をしたと言うのをTV番組で観た。
私たちが観たものと似ていたけど、「時代は違うよね。」と親友とはその後何回か話した。
流星の写真を撮っていたので、最後のフィルムも使い果たしていたことが最大の後悔。
話せば話すほど、その目撃談は作り話しに感じる。
話す本人が嘘臭いと話しながら感じたことで話すことをやめた。
※画像はイメージです。
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