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ガンダム用語「ミノフスキー粒子」ってなんだろう?

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「機動戦士ガンダム」誕生から40周年を越え、尚も広く人気を集める巨大複合コンテンツに成長した「日本を代表する」タイトルの一つです。
世代を越えて愛され、長期で広範な人気を勝ち得る希有な作品世界にまでなり得た要因として言えるのは、幾つもの要素が多面的に構成された作品であるという点が挙げられます。

巨視的には技術の発展に伴う生存圏の拡大、そこから発する諍いから戦争という巨大な奔流に呑み込まれる世界を描き、その中で翻弄される人間ドラマを描き出して行く、見る人それぞれにあらゆる切り口から物語へ入り込んでいく事が出来るもの。
その緻密さは「世代交代」や「闇に葬られた計画」等の存在すら許す程の広さや「歴史」の広がりや深みを感じさせる程で、ファンダムと公式が相互に刺激し合うような形で規模を拡大していったと言われます。

今回はそんなガンダムの世界から「SF的」な要素を形作り、モビルスーツという「基軸」を打ち出す為の背景となった設定であると共に、劇中でも重要な小道具として度々現れる「ミノフスキー粒子」について色々と並べてみたいと思います。

目次

モビルスーツという「現実では考えられない兵器」が必要になった

「ミノフスキー」とは、当時既に売れっ子監督として名を馳せていた「冨野由悠季」氏の名前をもじって「(ト)ミノ(フ)スキー」粒子である!という冗談めいた事実であるらしい命名の経緯はさておき。
着想の発端としては「巨大な人型機械兵器という超技術の産物に前時代的な近接戦闘を実現させるにはどうするか?」という問題に対する「電子戦の禁止」という答えから生まれた産物だとされます。

「ガンダム以降」となった現在ではこうした問題の立て方とそれに対する解答は良く見られる事かもしれませんが、敢えてここでは「何故電子戦の禁止という設定が重要だったか」を少し掘り下げてみます。
現実においての現代戦では、悲しいかな、最近では「ニュースで」も良く見るようにはなりましたが強力な武装として「長距離ミサイル」や「ドローン」の他に対抗策として「迎撃システム」といったものが存在します。
これらが言う「長距離」とは、射程にして数百キロという単位が用いられるもので、当然人間が視認して動かすというものではありません。

中にはラジコンめいた「操縦」を行うタイプも存在しますがひとまずそれは横へ置くとして、つまりそれらの「兵器自体」が「目」に相当するレーダー等を搭載する事で、使用者である人間の目が全く届かない場所にまで自律して飛翔し破壊・殺傷を行うという攻撃が「既に可能となっているのが現実」です。

このような「長距離の指定した目標に対して一挙に飛翔、着弾して攻撃を加える」系統の兵器をラグビーのポジションになぞらえて「スタンドオフ兵器」と呼ぶ場合もあり、現代戦を考える上で最も重要な要素の一つとなっています。
さて、現行技術から更に技術が向上し宇宙へ大きく進出する事すら可能になった人類が、戦争という生き死にを賭けなければならない場…更に宇宙という地上よりも遙かに広いフィールドを得ながら「相手を視認して戦う理由」は「順当なら有り得ない」という事になってしまいます。

この「環境」に一石を投じる事となったのが「ミノフスキー粒子」という存在でした。
「粒子」の存在を語るにおいて、まず何を置いても重要となる性質が「強烈な電波障害を引き起こす」というものです。

「粒子」が蔓延する事となった理由については後の稿に譲りますが、「現代戦の必須項目」を簡単に覆してしまう事で、巨大な人型兵器や宇宙戦艦が「目立つマト」になってしまう恐れは無くなる一方で、逆に大型で強い力と装甲を持った戦力と突然鉢合わせしてしまうという「偶発的衝突」を考慮しなければならない事が「モビルスーツ」のような大型戦力の有用性に説得力を上乗せする事になったと言えます。
また電子戦が封じられる事で、必然的に光学的観測、可視光や赤外線などを観測出来るカメラやセンサーによる「目」の重要度が上がる事になりますが、現代においても大型の天文観測用望遠鏡や宇宙望遠鏡の存在からも分かるように、こうした観測機器は口径が大きい事で観測範囲や精度を高める事が出来るという利点があります。
「手足が必要か」という問題とは別系統にはなりますが、これもまた副次的に大型化が利点として作用する要素とは言えるでしょう。

無限大の想像力を掻き立てるオカルト粒子

かくして「宇宙世紀(U.C=Universal Century)」の戦争環境を一変させてしまった「ミノフスキー粒子」ですが、その発端…監督である「冨野由悠季」氏が当初想定していたものとして…はあくまで「強烈な電波障害を引き起こす帯電粒子」に留まるものだったとされます。

資料の出所や時期によって揺らぎがあると言われるのはこうした理由に拠るものですが、この「設定」は放映開始直後に「巨大な戦艦であるホワイトベースが浮遊、後退する」という姿を見た当時の設定考証担当であった「松崎健一」氏を筆頭とする人々が、いわゆる「ミノフスキー物理学」として今日語られる背景を作り上げたのでした。
この「理論」によると「ミノフスキー粒子」は「素粒子の一種」に該当するものとされ、静止質量がほぼ0でありながら電荷を持つという「特異性」を持った存在とされます。

静止質量がほぼ0である事から、基本的には「閉じ込めておく事が極めて難しい」性質を持つものの、電荷を利用するなどして一定の密度に押し込める事で「格子状にまとまる」という性質を顕わし、これが「マイクロ波よりも波長が長い電波を閉じ込める」という性質に繋がるものとされます。
この「素粒子」の存在は、現代の物理学における悲願とされる「大統一理論」…即ち「力」と「場」を一つの数式上で表わす事にも手が届く夢の理論ではありましたが、予想の段階では如何せんオカルトと紙一重であるが故に、当初は黙殺される事となりました。

提唱者である「トレノフ・Y・ミノフスキー博士」はその後のU.C0040年悪名高きかのアナハイム・エレクトロニクス社へと赴き、共同研究者である「イヨネスコ」氏と共に小型・高出力核融合炉…後にモビルスーツを始めとするU.C世界の主力エネルギー機関となる…「ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉」を製作します。
他の記述では「熱核反応炉」や「熱核融合炉」と記述される事が多いこのエネルギー機関は、ミノフスキー粒子が格子状にまとまる性質とそれによって擬似的な質量を発生させるという性質を利用する事で、言うなれば「原子サイズの核融合炉を無数に貯め込む」仕組みを作り上げ、小型化が極めて困難であったり初期投入エネルギーが莫大になるという問題をクリアする、正に「ガンダムの世界を作り上げる為に必要な」エネルギー機関でした。

ミノフスキー粒子というもの

順序として「この核融合炉を製作する為にはミノフスキー粒子が必要である」という事から「発見」に至ったミノフスキー粒子でしたが、なんと共同設計者の「イヨネスコ氏」がその「発見」を否定した結果「ミノフスキー博士」は学会を永久追放されるという事態になってしまいます。

しかしこの直後、博士の処遇に目を付けた「ザビ家」の父である「デギン・ザビ」がサイド3へと博士を招致、その後30年を掛けて「ミノフスキー物理学」は小型核融合炉やミノフスキー粒子散布による電磁攪乱兵器、強力・高効率の粒子加速兵器「メガ粒子砲」から大型の戦艦を浮揚・推進させる「ミノフスキー・クラフト」、粒子加速兵器に高密度のミノフスキー粒子を幕のように展開してぶつける事で威力を減衰させる「Iフィールド」等々、戦場を一変させる高性能兵器を実現して行く事となりました。

これらはいずれもミノフスキー粒子という「一定密度で立方格子を形成する」という特色を持った「素粒子」の性質から、それを「加速」したり「圧縮」したりという手続きを組み合わせる事で導き出せる…とされるものであり、物理学の発想を用いた「SF的な論理」を「とことんまで追求した」形跡を窺い知るものとなっています。
かくしてその理論により世界を一変させたミノフスキー博士は、次々に自身の論理を実現していく一方で、その威力によって軍事的野心も膨張させていくサイド3の有り様から、戦争を回避すべくU.C0072年「一年戦争」の7年前に亡命したとされます。
地球連邦側にもこれらの技術的知見が渡る事で「機動戦士ガンダム」の物語が始まる背景が作り上げられたのです。

その「発端」は「電波妨害」という、小さくも現代戦における「アキレス腱」とも言えた部分を如何に覆すかという一点から始まったものが、SF心をくすぐる「素粒子」というキーワードから無限に広がっていく「理論」を作り上げて行った、思索における一つの理想型とも言えるのがこの「ミノフスキー粒子」という存在だと言えます。

機動戦士ガンダムを楽しむ要因

作りとしては実際の物理学を背景にして実にシンプルで、実際に学ばれている方々からは色々批判・ツッコミ所があるものでしょう。
「電荷を持つ」「立方格子を形成する」という性質を軸とする事で、後はその粒子を「集めたり」「束ねたり」「加速したり」する事で起きる現象を思索する事で世界を拡げていくものとなりました。

これは「機動戦士ガンダム」シリーズに通底する「楽しみ」の部分である「拡張性の大きさ」と繋がるものだと言えるでしょう。或いはこうした物語から、現実の物理学を本気で楽しむ道も有り得る、かもしれないという意味でも懐が深い作品である「機動戦士ガンダム」シリーズ、新たな楽しみ方の一助として頂ければ幸いです。

オタクと胸を張って言える程では無いものの、下手の横好きレベルには設定アレコレ大好き人間。「ミノフスキー粒子」は今更聞けないというより最近のシリーズだとあまり出ない気もしますが、宇宙世紀を彩るうんちくとしては色々詰まったものなので楽しんで頂ければ幸いです。

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