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知りすぎてしまうという恐怖

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あの日、私たちが若気の至りで行った行為・・・。
怖いもの知らずというより、世間知らずだった・・・今でも、反省、後悔の日々。
信じる信じないは自由ですが、この話は実際に起きた話なのです。

目次

忌地

あの日、暇を持て余していた地元の友人が珍しく私の家に集まる事になり、なにをする訳でもなくぼんやりと過ごしていたのでした。ちなみにメンツは、私と彼女の秀美、地元の高校の同級生だった直樹と文香の4人。

夕方になるとお盆期間という事もありTVで心霊特集が始まると、突然TVを観ながら直樹が「お前ら! ”みつこさんの家”に行ったことあるかよ?」と私たちに聞いてきました。私たちは「家の前は通ったことあるけど中には入ったことないな・・・」と答えると、「今日、これから“みつこさんの家”の中に入ってみようぜ」と、どこから出してきたのかビデオカメラ片手に持って、興奮しながら私たちに話してきました。

幼いころから両親や近所の大人たちに「幽霊屋敷」だから、絶対に行ってはいけないとからも言われていて「やめた方が良い」と直樹を説得するのですが、結局、押し切られる形で“みつこさんの家”に向かう事になったのです。

直樹が話している“みつこさんの家”とは、私たちの地元ではかなり有名な心霊スポット。
民家がほとんどない田園地帯に、2メートルくらいの高い塀が家の周りを囲う豪邸の廃墟。土地柄に似合わない異様さから、心霊や有らぬウワサを流されても、おかしくないスポットなのです。

理由


“みつこさんの家”に向かう道中に、私たちは直樹に「家の前に行くだけだからな!」と何度も念を押すのですが、「はい、はい」と空返事を繰り返すばかりで、家の中まで入る気満々。
とうとう“みつこさんの家”の前に到着すると、直樹は躊躇なく門をくぐり玄関前まで行ってしまいます。私たちは行きたくありませんでしたが、直樹のことが心配で後を追いかけました。

玄関はとても立派な両開きのドアで、大きなノック用のライオンが特徴的。
直感的になにかを全員が感じ、誰一人として、そこから先に進もうとしません。
私は直樹に「もうここまでで良いだろうと」と引き留めるのですが、「わかった、わかった」とカメラを構えながら、どんどんと奥に進んでいきました。

私はふと、直樹がなぜカメラを持っていたのか、どちらかと言えば大人しい性格で、すこしビビり。心霊なんか興味が無かったはずなのに・・・。
今回の行動にずっと違和感があって、「なんでお前はカメラもってんの?」と聞くと、小声で「TVで心霊動画に賞金が出るから、応募するために心霊動画を撮るんだ」と文香の方を見ながら話します。

その時、私は勘づきました・・・今日の事はどこまでが彼の計算だったかは解らないけれど、文香の誕生日プレゼント代を稼ぐためだと。

異常

建物の中に入ると外観同様にとても立派で、何十年も廃墟になっている感じがしないほどです。
室内は全員が「何これ?立派すぎ」など言いながら、怖さよりも珍しさが先だって、モデルルーム物件の内見でもしている感覚に陥いながら、部屋中を散策していきます。

しばらくして直樹が「おい!ちょっとこれ見てみろよ」と私たちを呼びました。
行って見ると立派な太い柱の横方向に傷が何本もついています。その柱を見て「背比べの跡じゃない?」と話し全員納得しました。
なにを思ったのでしょうか?直樹が「俺の身長も刻んでおこう」と私たちが止める間もなく柱に傷をつけます。
私達は「なんて事してんだよ!」と怒っても、「大丈夫、大丈夫」とカメラで辺りを映すばかりでした。

その後も壁や扉を意味もなく蹴ったり、残されている家財を壊したり、普段の直樹からは想像できないようなことをしています。心霊動画を撮るために・・・。しかしながら私たちは流石に見かねて、止めるように話しますが、そんな様子は全くなく必死です。

直樹

いつしか子供部屋のような部屋にたどりつき、直樹が色々と物色しているうちに「お宝発見!」と叫び、手には一枚の絵がありました。それは子供が描いたようですが、お世辞にも上手とはいえないモノです。

絵には人間らしきものが3人描かれていて、全員の目が大きな黒目だけで口は裂けて、化け物を描いたようにも感じられます。その絵をお宝と叫んだ直樹は雰囲気ですら、いつもと完全に違います。
すると直樹は、手にしていた絵をクルクルと巻きポケットにしまいました。
その行動を見て私は「そんな物を持って帰るのか?」と聞くと、「戦利品だ!ここに来たってみんなに信じてもらうためだ!」と叫んだのです。

もうだれも止める事は出来ないと悟り、放って直樹を帰ろうとすると、元々ビビりな性格なので一人では怖いらしく、後を追うように付いてきます。
不満をぶちまけている直樹を強制的に帰宅させ、帰りの車の中で、私は秀美と“みつこさんの家”の話をしながら帰宅したのを覚えています。

報い

次の日、早朝から直樹の親からの電話でたたき起こされました。
直樹の親の話では、帰宅後に奇声を上げながら外に飛び出したまま帰ってこないとの事で、私の家に来ているんじゃないかと思い電話して来たらしいのですが・・・もちろん私の家には来ていません。
昨夜のこともあり、私と秀美で行きそうなところを探しましたが見つかりませんでした。

そしてその日の夕方ごろ、直樹が見つかったと彼の親から連絡がきたのですが、事情を聴きたいので地元の警察署まで来て欲しいと電話が。
恐らく前日侵入した“みつこさんの家”の不法侵入や器物破損の事で事情聴取され、罪に問われ前科がつくのでは?もしかしたら今の仕事もクビに?と、ビクビクというようりは後悔しながら出頭しましたが・・・事態はそれどころではなかったのです。

警察の話では、“みつこさんの家”の前では見つかった。
発見時、支離滅裂なことを口走りながら、尖ったパイプのようなもので何度も自分の腹部を刺し、声をかけると襲い掛かってきたがすぐに倒れて意識がない。救急車で搬送中に亡くなってしまった。

その後は警察に昨日の事を話し、不法侵入についてみっちり怒られ、直樹の両親からは「なぜ止めなかった?」とか「なぜそんな馬鹿な事をしたのか?」・・・3人はしばらく責められ続けたのでした。

後から解ったことなのですが、実は二人は結婚も考えていて、直樹は誕生日には特別な物を送りたいと思ったいた。けれど就職が上手くいかない事もあり、直樹は金が欲かった事。

文香

直樹の葬儀が終わり、数日たったころに文香から連絡がきました。
あの日、直樹が撮っていたビデオカメラと、“みつこさんの家”から持ち帰った絵も見つからない事。
そして、直樹が死んだことを受け入れられず、なぜ死んだのかを調べていて、その時点で分かっていることを教えてくれました。

“みつこさんの家”の持ち主は、その筋のやましい商売で成功した豪商で、周りの貧しい家の人たちが口減らしのために幼子を売りに来ていた。買われた子たちは、奉公や遊女として転売されていた。その中で家主の好みの子は悪趣味用として「みつこ」と名付けられ、理由は「貢物の子なので”みつこ”」。
貢物の子のほとんどは悪趣味に耐えかねて自殺をしてしまったり、悪戯で殺されてしまう子などもいて、ほとんどが非業の死を遂げているそうです。

しかしある時に商売がうまくいかなくなり家主が自殺、恨みをかって殺されたという話もあるのですが、現実的に相続や権利の問題で今のような放置の状態になり、「みつこ」のうわさから、“みつこさんの家”と呼ばれるようになった。
両親や大人たちが「幽霊屋敷」だから近づくなと警告していたのは、こういった地元の黒歴をうすうす知っていた為である。

私は文香に「あまり深追いしないで忘れた方がいい」と忠告しましたが、「もう少し調べたい」といい電話を切りました。

呪い

あれから1年ぐらいたったころ、文香から手紙が届きました。
メールではなく手紙、10数枚の便箋にびっちりと書かれた文章の内容は“みつこさんの家”について。
こんな事を何処でしらべたのか?と思う程に眉唾な事から、知らなくても良いえげつない事まで・・・あの日のことを忘れたかったのに余計な事実まで知ってしまった。

その中に“みつこさんの家”で呪われる条件という内容がありました。
それこそ呪いなんて・・・と思いながら読んでみると、その条件とは、家から物を持ち出さない、家に傷をつけない、見つけた絵を見てはいけない。
あの日の直樹は全部の禁忌を犯していたことになります。

そして手紙が届いた後に文香は行方不明となり、しばらくするとS県の山中から遺体が発見されました。
文香は知りすぎてしまった為、変わり果てた姿で発見されたとすると、文香の手紙を読んでしまった私ももしかして。
呪いなのでしょうか?それとも?

※画像はイメージです。

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