アメリカの負の歴史「MKウルトラ作戦」の闇

ひとたび大国がその気になれば何でもアリ。
そこに倫理や人権の入り込む余地はない。
MKウルトラ作戦は、それを物語る良い例かもしれない。
驚くのは、この非人道的な計画が独裁国家ではなく、世界に民主主義を掲げる国で実行されたという事実だ。

CIAの洗脳実験プロジェクト「MKウルトラ作戦」とは?

70年代に明るみに出るまでは、関与した人間以外は誰一人知らず、秘中の秘とされていたMKウルトラ作戦。
50年代から60年代にかけてCIA主導で行われた、マインドコントロールの人体実験をさすコードネームだ。
「MK」はCIA科学技術本部を、「ウルトラ」は「最重要機密」を意味する。

発端は朝鮮戦争の米兵捕虜に対して行われた共産主義への洗脳だった。
これに対抗する形で、米国政府は新たなプロジェクトを立ち上げる。
当初の目的は、マインドコントロールの研究やスパイに用いる自白剤の開発だった。

しかし時は冷戦の真っただ中。プログラムはやがて恐ろしい計画へ変貌していく。
その最終目的は、人の精神をコントロールして極秘任務を遂行させる殺人兵器をつくること、また相手に精神破綻や自殺願望をもたらして破滅させること。
武器を用いて戦う身体的な戦争ではなく、対象者の心や思想の征服を勝利とする脳の戦争というわけだ。

驚くべき人体実験

第二次大戦後、米国はナチスの人体実験やロケット技術開発などの研究資料を回収し、優秀な科学者を自国へ連行した。いわゆるペーパークリップ作戦だ。
研究者のなかには洗脳や拷問の専門家はもちろん、ニュルンベルク裁判で戦犯となった者もいた。
米国が秘密裏に行ったプロジェクトにはペーパークリップ作戦の産物も多い。

MKウルトラ作戦の被験者は、研究者や軍人から、囚人や精神病患者など社会的弱者へ広がっていった。
ほとんどの場合、彼らは本当の研究目的を知らされることも事前の同意もなく、薬物投与、通電、催眠術といった拷問のような実験を繰り返された。

幻覚剤のLSDや神経ガスのサリンなどが用いられ、自殺者を含む死亡者や重度の障害があらわれる者が続出する。
実験への参加は自由意思であったものの、合意なしに薬物投与を受けるという事実は隠蔽されてプロジェクトは続けられた。
関与した研究者さえ、その最終目的を知らされないケースもあったという。

プロジェクトは本当に失敗したのか?

実験はあまりに想定外の結果が多く、期待したほどの成果が得られなかったことから、やがてプロジェクトは打ち切られた。
MKウルトラ作戦の全貌は今も明らかになっていない。リチャード・ヘルムズCIA長官の指示により、機密文書の大部分が破棄されてしまったからだ。

わずかに現存する資料によると、80の関連機関が存在し、185人の民間研究者が参加したと伝えられるが、関連機関の大半は実在しないダミーとの指摘もある。
また失敗に終わって終了したというのはあくまで表向きであり、研究は現在も水面下で継続中とみる向きも強い。数少ない成功例こそトップシークレットというわけだ。
ジョン・F・ケネディ、ロナルド・レーガン、ジョン・レノンとともに有名になったオズワルド、ヒンクリー、チャップマン。
彼らはCIAによってつくりあげられた暗殺者ということらしい。

MKウルトラ作戦は過去の作戦か?

Omni MatryxによるPixabayからの画像

MKウルトラ作戦には諸外国の国家元首を精神操縦するという目的もあり、その最大のターゲットがキューバのカストロ議長だったともいわれている。
にわかには信じがたい話だが、なにしろプロジェクトの全貌が不透明なだけに否定することもできない。

投与されると自殺願望にさいなまれるといえば、わが国でもタミフルの事例があった。
毎年3万人が自殺し、精神疾患が急増している日本もどこかおかしい。
今どきの洗脳テクノロジーはテレビやスマートフォンにも応用可能だというから、知らないうちに被験者にされている可能性もあるわけだ。

どんな任務も遂行できる冷徹な殺人マシーンを際限なく生みだせるとしたら、将来の軍事戦略は大きく様変わりするかもしれない。
MKウルトラ作戦が過去の出来事であることを祈るばかりだ。


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※画像はイメージです。

eyecatch source:DWilliamsによるPixabayからの画像

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