今回は「エンディングまで、泣くんじゃない!」「名作保証!」などのCMで知られている、名作RPG「MOTHER(マザー)」を紹介したいと思います。
名コピーライターの糸井重里氏のシナリオ脚本から企画原案、任天堂から発表され、このファミコンソフトは今更ながらに語る必要があるのかと考えてしまいますが、あえて語らせてください。
これは紛れも無い名作である・・・と。
家庭用ゲーム機ファミコンなどで、ドラゴンクエストなどのRPGがゲームの主流となり、幾つもの作品が世に出されていき、まさにRPG時代とも言われていた1989年にこの作品は登場しました。
それまでRPGの基本概念を根底から打ちこわし、新しい世界観のRPG作品として発表されたのがマザーであります。
幻想的な剣と魔法のファンタジーなモノが主流のなか、あえてファンタジーをテーマしない、筆者の好きな「メタルマックス」のような世紀末、また宇宙へと挑むSF等RPG作品は確かに幾つもありました。
しかしこの作品は、我々が知る身近な現代の世界である「日常」が冒険の舞台ともなり、子どもだった筆者は、このマザーの世界にどっぷりと浸かっていたものです。
さて、そんな筆者を虜にしたマザーのストーリーは、1900年代のアメリカの田舎町から始まります。
マザーズデイと呼ばれる土地で、ある夫婦が行方不明になり、それは小さいな町を騒がす事件となりました。
その2年後に、夫のジョージが一人で町にふらりと戻ってくるのです。
彼を心配した町の人が何があったのかと訊ねますが、彼は自身の身に起きた事、妻のマリアの事についても一切、何も語らず、憑りつかれたかのように不思議な研究に没頭し、やがて誰も気に留めなくなってしまうのでした。
それから時は流れ1988年、ジョージとマリアの孫にあたる少年が暮らしていたマザーズデイ、突如、家具や人形が勝手に動き出し、少年と家族を襲ってきます。何とかそれを撃退する事に成功した少年ですが、実家の異変に気付いた単身赴任中の父親から電話が掛かります。
曽祖父の研究が関係しているかもしれないと知り、怪奇現象が頻発する様になったマザーズデイを救う為に、事件の真相を調べに行くのですが、それが長い旅になる事を、この時、知らない。
と物語は始まり、アメリカの町々を巡り、怪奇現象の謎を追って行く。小さな冒険の筈が、世界の命運をかけた大冒険へ変貌し、物語は大きく加速していくのでした。
バットを片手に仲間と共に怪奇現象や怪事件に挑み、解決していく。次の町に着いては、新たな事件へと巻き込まれ、一つのドラマかアニメを見ている様な、そんな気分にさせてくれる内容に、筆者はのめり込んでしまったと思います。ゲームの途中で自分の名前が登場してくる、製作者側のサプライズには驚いた記憶があり、プレイヤーを身近に置いてくれた名作とも言えます。
この作品を語る上で忘れてはいけないのは、やはりCM。
少年とヒロインと、仲間の眼鏡を掛けた少年が、念力を込めて立ち塞がるロボットを破壊し、暗雲立ち込める山々を見上げ、今から来る波乱に立ち向かうと、そのCMに見惚れていたものです。
MOTHER(C)1989 Shigesato ITOI , Nintendo
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