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紫式部の物語構成力の凄さと胸に秘めた覚悟

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紫式部は長編物語である源氏物語の作家として著名ですが、その心の内を少し探求してみました。

目次

源氏物語とは?

紫式部は11世紀初頭、長編小説である源氏物語を書き記した女性。登場人物の細かい心理描写を伴った、これだけの長編小説は、文字通り世界で始めてと言われています。源氏物語に匹敵する世界的作家としては、シェイクスピアがよく挙げられ、代表作としてはハムレットがありますが、これは17世紀初めの作です。

源氏物語とハムレットには、ある共通点があり、それは生者の世界と死者の世界(亡霊や死霊の世界)の間に相互作用があることです。ハムレットにおいては、謀殺された父王の亡霊がハムレットの前に現れ、ハムレットに復讐を求め、これにより物語が開始されます。

源氏物語においては、生者からの魂の遊離(生霊)も存在します。
紫式部が源氏物語を作り始めたのは、社交的で会話も楽しかった夫である藤原宣孝が疫病で急死した後。紫式部の結婚時、藤原宣孝には三人の妻があって、紫式部は通い婚の立場にあり、藤原宣孝との間に藤原賢子(後の大弐三位)をもうけています。夫を失って寂しい中、才女の聞こえが高いが性格は控えめであった紫式部は、権力者藤原道長の要請により皇后彰子に仕えることになります。

紫式部と源氏物語

源氏物語の特徴は、執筆者が女性であり、登場人物達が或る階層に絞られているにもかかわらず、事実上の殺人などの非日常的なできごとも述べられています。また物語の構造が、物理的な場所と時間による制約を超えた、迅速性を備えて構築されていることです。これは、生霊や死霊を物語に加えることによって可能になっています。

紫式部の驚くべき能力です。今は亡き夫の霊に手を合わせて、今生以外の世界を物語に含めることの了解をとったのかもしれません。安倍晴明による陰陽道が国の政治をも動かしている時代に、生霊や死霊を物語のメンバーに加えることは、ある意味で世の中から糾弾されるという危険も伴います。

紫式部は、表面上はひかえめな人であったと伝えられていますが、肝の据わった人だったのでしょうか。それとも、平安時代は思いの外おおらかなところがあったのでしょうか。

源氏物語においては、闘いが光源氏の正妻や愛人の間に起こります。六条の御息所が六条京極に住んでいたとき、光源氏が通ってきました。その後、光源氏は葵の上を正妻として迎えます。六条の御息所は、生霊となって懐妊中の葵の上を襲って苦しめ、事実上、死に至らせます。葵の上の死によって物語は次の段階に進みます。

六条の御息所は須磨にいる光源氏に文を送ります。六条の御息所は、六条の旧邸に住みます。その後、発病して、娘を光源氏に託して死亡します。六条の御息所は、死霊となって葵の上に取り付き、自分の供養を光源氏に頼み、一方、六条の御息所の娘である秋好中宮が、六条の御息所の追善供養を行います。

最にに

生霊や死霊が時空を超えて活動することによって物語は進んでゆきますが、物語の中心事項はあくまでも男女の間の愛憎です。源氏物語は、作者自身もそれで苦しんだことがあったのかもしれない男女の間の愛情に対し、何かを深く問うているように思います。

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