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ばあちゃんの部屋の「何か」

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僕のばあちゃんが亡くなった・・・・。
ばあちゃんが生きている間、壮絶な生活だった。徘徊なんて当たり前で、お菓子をあげると何故か隠して次の物を欲しがる。夜には大人しく寝ていると思ったら、呻き声が聞こえてくる。

そんな、ばあちゃんだったが僕は嫌いじゃなかった。小さい頃の優しいばあちゃんのイメージがあるから、嫌いになれなった。世話をしていた母は大変だったと思うが、最後は涙を流してお別れしていた。

目次

視線を感じる

葬式が終わり静かな時間が流れ、四十九日が過ぎた。
休みの日、母が友達と温泉旅行に行ってくると外泊し、僕は一人で家にいた。いままでとは打って変った、あまりの静けさを不気味に感じながら、テレビを見ながらダラダラと時間を過ごした。

九時ぐらいになり、そろそろ風呂に入って寝ようかなと立ち上がって風呂場に向かう途中で、ばあちゃんが使っていた部屋が目に入ったが、部屋をスルーして風呂場に入った。風呂から上がり、またばあちゃん部屋が目に入ってしまう。
居ないのは解っているが、何故だか視線がそっちに行ってしまう。
そういえば、ばあちゃんが亡くなってから、部屋がどうなったのか見ていないことに気が付いて、部屋の前で止まった。

「何か」が・・・

なぜだか、ふすまを全開にする気になれなかったので、少しだけ開けて中を覗き込むと、そこには四つ這いのような体勢の黒い「何か」が見えた。
あまりの恐怖で後ろに倒れこんでしまうと、その音が聞こえたのか・・・「何か」が僕の方へゆっくりと近づいてきた。

僕は怖くて家から飛び出して、近所の友達の家に避難した。説明をしたが信じてくれないようで、一緒に家へ行き、ばあちゃんの部屋を二人で覗き込むと、その「何か」がいた。

あれはなんだったのか?

友人も「何か」目撃してしまい、怖くなって二人で友人の家に逃げ込んだ。その日の夜は恐怖で寝たくならず、電気をつけたまま、友人の家のリビングで朝まで一緒に過ごした。
次の日も怖くてなかなか帰れずにいると、夕方頃、旅行で帰ってきた母に怒鳴りちらかされ嫌々帰宅し、母に事情を説明すると「おばあちゃんがイタズラしたのよ」と一喝された。

「何か」を見ていない母にとっては、家を勝手にあけた事の方が重要で腹立たしいのであった。
僕が見た「何か」は、母がいうように「ばあちゃん」だったのか、それとも他の何かだったのか?
それ以来は見る事はなく、あれが何だったのか理解できません。

※画像はイメージです。

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