半世紀ほど前、ナポレオンという名の戦車のプラモデルがありました。
実はこのナポレオンという愛称は日本のプラモデルメーカーが勝手につけてしまったらしいのです・・・。

ナポレオンという名の戦車
1970年前後のころ、「ナポレオン」という名の戦車のプラモデルが売られていました。
勿論、戦後フランス軍の戦車をモデル化したものですが、当時私は小学二、三年生でした。
「ナポレオン」のプラモデルは決してマイナーな存在ではなく、アメリカの「パットン」やドイツの「パンサー」などと同様、戦車モデルの定番と言っても良い程、目立っていたと思います。
私自身、タミヤの1/35を始め、100円のゼンマイ動力の「ナポレオン」を作って遊んだ記憶があります。
当時の100円のゼンマイ戦車は、走らせている途中でゴムキャタピラが次第に外れてしまったりするんですよ。
しかし、それ以降、いつしか「ナポレオン」のプラモデルは姿を消していきました。あれほど人気があったのに、一体どうなってしまったのだろう?後になって分かったのですが、「ナポレオン」という名は日本のプラモデルメーカーが勝手につけたものらしいのです。
何とまあ・・・。

ナポレオンの正体
ナポレオンの正体は、1960年代に正式採用し量産に踏み切った、フランス軍はAMX-30という戦車。戦後第二世代主力戦車という位置づけだけあって、車体自体はコンパクトにまとまっている感じがします。
大戦中のフランス戦車と言えば、ソミュアなど足回りが複雑で頑健そうな外観が特徴的でしたが、AMX-30はかつてのフランス戦車のイメージをすっかり払拭して登場しました。
標準的スタイルの中戦車ながら105㎜砲搭載というのですから、戦車技術も随分と進歩したなという感を抱かざるを得ません。
赤外線スコープっていうのでしょうか、戦後間もない一時期、各国の殆どの戦車の砲塔にはそんなものが付いていました。勿論、ナポレオンのプラモデルもその辺りはきちんとモデル化されていて、むしろ誇らしげに見えたものです。

70年代の模型事情
それにしても、他国の戦車の名前を勝手につけて商品化できたのですから、プラモデル全盛時代の1970年代というのはむしろ夢多き時代だったのかも知れませんね。
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