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そこにいたのは誰?

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小学生の頃、たまたま私以外の家族全員が出かけてしまっていた夜。
私はその頃霊感が強いとよく言われていて、自分でもなんとなく聴こえない筈の声が聴こえたりする、と思う事が多かったのです。

目次

足音が聞こえる

当時私が住んでいた家は6階建てマンションの角部屋の隣で、角の部屋には子供の居ない夫婦が住んでいました。
私の部屋は玄関のすぐにあり、窓が廊下に面していて、鉄格子のような物で仕切られて出入りはできませんが、開けると外の様子が覗けます。

その日は「今日はなんとなく怖い」と思いながら布団にくるまっていると、どこからか笑い声と共に足音が聞こえてきました。部屋の位置からして、外の音がかなり聴こえやすいのですが、それにしても夜更け。
そんな時間にどうして、走り回る激しい足音と子供の笑い声がハッキリと聴こえるのでしょう?
止んだかと思えば再び聞こえる、遠くなったり近くなったりとマンションの廊下を端から端まで駆け回っているような音が、10分以上も繰り返しています。

インターホンの音

あまりの恐怖に布団から顔も出せず、静かにうずくまり早くいなくならないかと震え、30分程経って静かになった。

「ピンポーン」とインターホンの音が聞こえました。
私は「お母さんが帰って来た!」と喜んで立ち上がり、私は急いで玄関に向かいました。
30センチ程ドアを開けると、そこには誰もいません。

ドアの向こうは誰も居ないはずなのに。真横で「ピンポーン!ピンポーン!」と激しく鳴なりつづけるインターホン。
急いでドアを閉め、今ドアの向こうは、誰の姿も無かったようにしか見えなかったのに。
私は冷静にそう思った瞬間、冷汗が止まらなくなりました。
それからそれはしばらく続いたあと、なにもなかったかのようにピタッとおさまりました。

いったいだれ?

家族が帰って来たのは一時間以上も先の話です。
お母さんはインターホンを鳴らさずにカギを開けて家に入ってきました。
お母さんにしがみついて、わんわんと泣いていると、お母さんはどうしたのかな?という顔で、

「これ、玄関の前におちていたけど?もしかして探していたの?」

と折り紙で作ったちいさい人形を手渡したのでした。

あの時ドアの向こうに居てインターホンを鳴らしていたのは、この小さい人形だったのか?
それとも、誰かさんの落とし物なのか?

知る術事も無く、思い出すのも怖いと思っています。

※画像はイメージです。

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