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真夜中に現れる老夫婦は何を伝いたいのか?

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ある年、お盆に実家に帰ることができなかったので、時期をずらして帰省した時の話。

目次

帰省した日

午前に家を出て、昼頃には実家に到着。
いつもであれば「部屋に荷物を置いておいで、ネコの部屋になってるけどね」と、母のからかいから話がはじまるのですが・・・。
この日に限って、そんないつものやりとりもなく「荷物は座敷に置いておいていいよ」と言うので、私は「猫のおもちゃが片付いてないんだな」。

母といえば、ソファに座ってお昼寝をしている。少し疲れているようなので、私と父と二人で犬の散歩に行く事に。
父は「最近お母さん眠れないみたいで、せっかく帰ってきたけど特別なことはしてあげられない」と話しかけてきた。

「別にいいよ、帰ったくることに意味があるし」
私は何の気なしに言葉を返します。

とくに変わったこともなく、その日を終えようとし、自室に行くと部屋は散らかっていなかったので、母が片付けてくれたのだとおもう。ベッドに横になり、スマホを眺めながら、うとうとしていると突然画面がふっと消えました。充電切れちゃったのかと思ったのですが、充電コードも差したまま。
スマホの調子が悪いのかと思い、再び画面をつけようとした瞬間、画面越しに人の足のような影が見えました。

ヒュッと喉奥が鳴るような緊張感が全身を駆け巡り、私が何かの存在に気づいたと同時に身動きがとれなくなった。
眼以外はピクリとも動かす事が出来ず、大きな声を出そうとしても息が漏れるだけ。怖い気持ちを抑えながら、画面越しに足から上を確認しようと目を凝らすと、見知った姿の老夫婦の姿が見えたのです。

やってくる老夫婦

それは向かいの家のおじいさんとおばあさん。いつも夫婦仲良くニコニコしている。あまり話したことはないけれど、挨拶だけはしていました。しかし、ここに立つ二人の顔は無表情で、どことなく怖い雰囲気が漂っています。

おじいさんが私をじっと見つめ、口を小さく動かすと体が動くようになり、深呼吸をするように大きく息がついてスマホに目をやると、それまで見ていた画面のままで消えてはいません。
時刻は夜中1時30分、たぶん夢でもみたのでしょう。ですが恐怖心が拭い切れず、明るくなるまで起きていることにしました。

朝になり母に夢見が悪かったと話すと、「もしかしてだけど、●●さんの夢?」・・・その言葉を聞いて一気に背筋がゾッとしました。
昨夜のことを細かく話したところ、ここ最近の母の寝不足の原因は、まさにその老夫婦なのです。いつも決まって夜中の1時30分になると現れて母に何かを言って来るそうなのですが、この日は来なかったようで、代わりに私のところに来たのかも知れません。

今日は父の趣味の家庭菜園を手伝っていたので疲れてしまい、早々寝たのですが、1時30分になると夢で老夫婦に起こされます。昨日と違うところといえば、おばあさん一人が目を見開き唇を噛み締めている。
なにかをする訳ではなく、じっと私を見つめながら、少しずつ窓のほうへ遠のいて行きます。身動きが取れないものの、昨日よりは恐怖心が薄れていました。

朝起きて昨晩のことを報告しようとすると、母は目の下にクマを作っていた。どうも母のところにおじいさんがやってきて、訳のわからないことを怒鳴り散らし、腕をぐいぐいと引っ張って何処かへ連れて行こうとしたらしい。
それが早朝まで続いて、ほとんど眠れていないようなのです・・・本当に夢なんでしょうか?

今でも思い出す

母の事が心配だし夢の事も気になりますが、明日から仕事なので自宅へ帰らないと。
父に母が寝不足の理由を告げ、家から出るとお向かいのお家がやけにバタバタとしている。救急車が来て警察が出入りして、ただならない様子。
なにが起きているか気になるのですが、電車の時間があるので駅に向かったのでした。

あれから1週間でしょうか・・・実家に別な用事があって連絡したとき、向かいのお家の老夫婦が心中していた事を聞いた。私が帰った、あの日、ご自宅の寝室で二人で首を吊って。

母の話によれば、老夫婦と息子夫婦はウマが合わず確執があったそうのが原因だったそうです。
特にお嫁さんとの相性が悪くて、しょっちゅう、おばあさんが激しく叱責されている姿を近所の人は目撃していたらしい。

老夫婦が亡くなったのは、夜中の1時30分ごろだった。
私たちに何を伝えたかったのか、おじいさんは母に助けて欲しかったのか、あの老夫婦がどうして私たち親子の前に出てきたのかはわかりません。ですが、異変に気がついてあげられれば・・・と母はすこし後悔しているようです。

何年もたっていますが、今でも実家に帰ると思い出します。
あの老夫婦が亡くなった部屋は今、息子夫婦が寝室として利用していると聞いて、人が心中するほどの強い気持ちが残っているであろう部屋で、生活できる息子夫婦にもまた違った怖さを抱きました。

※画像はイメージです。

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