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タイムスリップ大食い武士と日本の食文化の歴史

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歴女となると、おもしろい動画の単なる設定にも大真面目に時代考証とか考えてツッコミを入れてしまいます。
というわけで、江戸の食文化についてご説明しますね。

目次

漂流武士

LAエンジェルスの選手がホームランを放った際のセレブレーションが、テンガロンハットから日本の兜にチェンジし、アメリカでも侍ヘルメットから「カブト」と呼ぶようになりました。
元ロッテ監督のボビー・バレンタインが、実況で日本では5月5日が子供の日で鎧兜を飾るんだと説明したという話も聞いて微笑ましく思っていたら、YouTubeでフル甲冑を着て京都などの観光地の道路にたたずみ、いきなり動いて近寄る人をびっくりさせるのを見つけました。
最終的には友好的に記念撮影するパターンで、赤い甲冑のと源平時代の大鎧、どちらもかっこいいので外国人観光客にも注目の的です。
そしてなんと甲冑を着て大食いをする「漂流武士」という方もいました。

戦国時代から現代にタイムスリップして来たという「設定」で、早い話が「孤独のグルメ」を戦国武将がやってるのです。
白目をむいて「うまい!」と言いつつ食べ進め、心の声という「設定」のナレーションでは、ハンバーガー!が崩れないように刺したお箸を抜いて「エクスカリ箸」、和牛の肉を「和牛新陰流」とかダジャレを連発し、「うますぎ謙信」とか「最の高」とか決めセリフを言って笑わせてくれるんですよね。

その正体とは?

仲間内のコラボで「拙者が来た!」と仁王立ちになるのですが、「山本さんじゃないですか」とツッコミを入れられ、コメント欄でも「武士になられたんですね」とか、「兜を被って甲冑を着てあの量を食べるのすごい」と、大食い界のレジェンドフードファイターと判明、素になると妙に愛想が良くニコニコと物柔らかな物腰になるギャップにもびっくり。

甲冑以外に渋いお着物姿でも登場されますが、髪はパツキンに染め耳にはピアスのチャラいお兄さんで、明治時代の売れない時代の文豪か、遊び慣れたお金持ちの商家の若隠居という感じです。
お箸やナイフとフォークの使い方、パスタの巻き方も抜群にうまく、5~6人分の量をぺろりと食べるにもかかわらず、食べ方も上品、器用そうな手だなと思ったら、コメント欄で料理人だって。
どうりで戦国武将の癖に、お店の調理の様子と食レポもしっかりしてるはずですわ。

ツッコミたい!

しかしながら、私は歴女、しかも最近江戸時代の食文化も調べちゃったので、あり得ないとはいえ「設定」で戦国武将を気取っている以上、どうしてもツッコミたいです。

武士さんは握り寿司も100貫とか食べちゃうんですが、にぎり寿司は江戸時代半ば以降に屋台で食べるようになったので、戦国時代にはなかったんだぜ。

調味料も、お味噌は鎌倉時代からあったけど、お醤油は江戸時代半ば以降に普及し、砂糖も国産になってみりんやお酒で煮込んだので料理の幅が広がったんですよね。
それにポルトガル発祥の天ぷらも、蕎麦を麺状にして食べるようになったのも、ウナギのかば焼きをたれをつけて食べるようになったのも、すべて江戸時代半ば、つまり現在食べている和食の基礎は江戸時代半ば以降に出来たわけなんですわ。

武士さんは、「マヨなるもの(マヨネーズのこと)」「タルタルなるもの(タルタルソースのこと)」とか、「とめいとー」「ぽていとー」が決め台詞で、サラダも慣れた手つきでドレッシングをかけて召し上がるのですが、一般日本人がマヨネーズを使い出したのもトマトとか生野菜を食べだしたのも太平洋戦争後で、じゃがいもが一般的になったのは北海道開拓で栽培された明治以後。

戦国武将はかの上杉謙信でも、普段は一汁一菜で玄米を食し、合戦の前だけは「勝どき飯」と言って海や山の幸のご馳走と大量のご飯を振舞ったということなので、もし本物の戦国武将が現代に来たら卵焼きを見ただけで贅沢ではないかと、発狂するかもしれない、まだまだ食は貧しかったんですよね。

まあまあ・・・

あと、一番気になるのが、ほんとうは甲冑の腰に帯をして刀を差して帯刀するはずなのに、武士さんが太刀を持って歩いてることですね。

太刀は源平時代ので、帯に吊り下げるんじゃなかったっけ。
腰に帯を巻いて締めると大食いが出来ないからかなと思いますが、手に持つのはせめて右手にしてほしい。
これは抜刀しないということで、よその家を訪問する武士の礼儀だったのです。

ともあれ、大食いもすごいけれど、兜と甲冑の武士がやっちゃう設定に、はまってしまったとコメント欄でも何人ものファンが書いておられますが、私もこんなに笑ったのは久しぶりで大いに楽しませていただいておりますです。

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