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坂出タケノコ掘り女児失踪事件は神隠し?

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神隠し・・・それは突然前触れなく人が忽然と消えてしまった時、その人は神域ー本来人が立ち入ることを許されない領域に神の業によって連れていかれたのだ、とする考えである。
神や霊の存在が当然のものと信じられた古来より神隠しは存在した。
しかし、これだけ科学の力が発達した現代において、今なお「神隠し」と呼ばれる失踪は存在する。
果たしてそれは本当に神隠しなのか、それとも?

目次

ゴールデンウィークの楽しいイベントで

2005年4月29日。この日は多くの日本人にとってこの年のゴールデンウィークの初日であり、おそらく多くの人が家族と、友人と、恋人と、と祝日を楽しんだに違いない。
特に幼稚園や小学校などに通う子どもたちにとってゴールデンウィークは新学期が始まってから初めての大型連休である。
楽しみにしていた子どもも多かっただろう。
当時幼稚園の年長児であった大西有紀ちゃん(5)もおそらくそんな子どもたちのなかの1人だったに違いない。
有紀ちゃんはこの日、母親と姉(8)と共に、香川県坂出市王越町の五色台ビジターセンター付近の竹林で行われていたタケノコ堀りイベントに参加していた。

3人でタケノコを掘りはじめたのは13時頃、それから約40分後の13時40分頃。
集合時間も迫っているのにも関わらず「もう1本とってくる」と家族に言い残し、竹林に駆けて行った。
その5分後、有紀ちゃんは遊歩道を歩いていた女子中学生と会話した後に、横切っていく姿を目撃されている。
そして同時刻、たまたま東屋で休んでいた男性も有紀ちゃんを目撃していたという。

しかし、これが有紀ちゃんが目撃された最後の姿になり、集合時間の14時になっても有紀ちゃんは戻ってこなかった。
これに焦った家族は他のイベント参加者と共に辺りを探し始めるが女の子は見つからない。
15時にはビジターセンターから警察に連絡。

その後、15時45分頃、警察が加り探索の範囲も広がり、付近の山や池なども含め捜索するも、有紀ちゃんが見つかることはなかった。

警察犬が示す意味

有紀ちゃんを探すための、大規模な捜索が行われた。
地元警察と消防団を中心に延べ3000人を動員。

捜索に警察犬も導入するが、不可解なことが起こる。
有紀ちゃんの持っていた水筒の匂いを頼りに捜索を行っていた1匹の警察犬。
ある場所でぴたりと止まり、そこになにかがあると言わんばかりに動かなくなってしまった。
その翌日には4匹の警察犬を投入し、前日と同様に水筒の匂い辿らせたものの、4匹とも前日の警察犬と同じ場所で立ち止まってしまう。

警察犬は捜索対象の匂いを覚え、その対象者が辿った際に残した匂いを追跡。
捜査対象を発見、捜査対象の匂いが途切れた場合、そのことを態度で人に示すよう訓練されている。
5匹の警察犬が有紀ちゃんがいもしないところで立ち止まる、それはつまり、「ここで有紀ちゃんの匂いは途切れました」と伝えているのだ。

よく「犬の嗅覚は人間の100万倍優れている」などと表現されることがあるが、それは犬が人間より匂いを強く感じているわけではなく、匂いが薄くなってしまっても感知できるという意味である。
そういった犬の特性を利用し、訓練した警察犬がにおいを検知できなくなるという事、つまり、有紀ちゃんはこの地点で忽然と消えてしまった事を意味する。

警察犬の投入

消えた女の子はどこへ行ったのか

最後に姿を目撃され、大人たちが探し始めるまで15分・・・有紀ちゃんは、たった15分の間にどこへ消えたのか?。

この事件は発生当時から多くのニュースで取り上げられ、その後いくつもの検証番組や霊視捜査系の番組でも独自の捜査が繰り広げられてきた。
今回はそこで取り上げられた“真相”の説について考えていきたい。

近くの池に誤って転落説

有紀ちゃんの痕跡を追えなくなった地点のそばには水深3mほどの池があった。
道に迷う以外に、シチュエーションとして池に落ちて溺れてしまうという事故は、まず最初に誰でも考えるでしょう。

当時の警察も真っ先に考慮し、まず先に池の水を抜いて捜索したのですが、身に付けていたものをはじめ、本人も見つからなかった。池の底まであらって見つからなかったのであれば、今後ここから見つかる事はまずないでしょう。

大型の鳥類(オオタカなど)に攫われた説

香川県ないし四国にはオオタ、ハイタカ、ハヤブサなどの猛禽類などが、昔より数は減ったものの、わずかながら生息している。有紀ちゃんの失踪した場所が自然豊かな場所であったことや、警察犬たちがある特定の地点で匂いを辿れなくなったため、「有紀ちゃんは宙に浮いた=鳥に連れていかれたのでは」というところから、失踪当時より根強い説の一つです。

たしかに大型の鳥は自身より重い獲物をもって飛ぶことができる。最大の猛禽類となると最大運搬重量が8㎏ほどになる種もいるらしい。しかし、失踪当時の有紀ちゃんは身長105㎝、体重は公式には公開されていないものの、5歳の女の子の平均体重は約18㎏だ。たとえ有紀ちゃんの体重が軽めだったとしても、10㎏は超えていたであろう。鳥がかぎ爪で掴んで飛び立つにはなんとも重すぎる気がする。しかも生きている女の子が一切の抵抗もなく鳥に捕まったりするだろうか。
自分よりも重たい獲物が足元で暴れたら、さすがに大型の鳥といえど、飛び立つのは難しいだろう。

不測の事態などにより有紀ちゃんが動けない状態となり、「獲物だ」と判断した鳥に連れ去られたと考えられなくはないが、そんな大きなもの、というか人間を掴んで飛ぶ鳥が多くの人がタケノコ堀りに集まっている最中、誰にも目撃されないというのもいささか首をかしげる事態だ。

そして、鳥がわざわざ獲物を捕まえてくる意味は食べるため。あまり想像したくない話だが、鳥が有紀ちゃんを捕食したのだとした場合、どうしたって食べ残しや食べられない骨、衣類などはどこかに残ることになる。そういったものすらどこからも発見されないというのであれば、この大型の鳥に攫われた説も可能性としてかなり低いと考えられる。

誘拐説

先にも記載したとおり、この事件は多くの検証、霊視捜査系の番組でも取り上げられており、上記2つの説に比べるとかなり検討の余地はある説と考えられる。それら番組による独自の捜査によると、事件当日、タケノコ堀のイベントの参加者ではない「大きなリュックサックをしょった筋肉質の男性」が目撃されているのだそうだ。

霊視系番組でも霊視の結果は人為的犯行のよる失踪としており、霊視で見えた容疑者と思われる人物の似顔絵なども番組内で公開されている。これら霊視の結果の真否はさておき、気になるのは「大きなリュックサックをしょった筋肉質の男性」である。

今回のタケノコ堀りは、パブリックに宣伝されていたイベントだ。もしも幼い女の子を誘拐したいと考えいている人間がいるのなら、そういう子どもが来る可能性の高いイベントは狙い目なのかもしれない。「大きなリュックサックをしょった筋肉質の男性」が犯人だとするならば、リュックサックに子どもを詰めようとある程度の計画性をもった上でやって来たことになる。

鳥とは違い大人の男性ならば、5歳の女の子が多少暴れたとしても力でねじ伏せることは可能だ。「大型の鳥に攫われた」よりも「大柄の男性に攫われた」説の方がよほど信憑性がある気がする。テレビ局が掴んだ情報であるならば、警察も当然この情報について把握しているだろう。しかし、現時点でこの男性についての身元が判明した、逮捕したという情報もない。

誘拐説の中で気になる警察犬の存在

もう1点、誘拐説の中で気になるのは警察犬の存在だ。警察犬は匂いの持ち主が動いた際に残る「摩擦臭」を辿って捜索していると言われている。もしも誘拐だったとしても、その対象が存在する限り、追跡することは理論上可能なのだ。

リュックサックに入れたことでにおいが途切れた、捜索の途中で摩擦臭が弱くなっており、誘拐された地点でにおいを辿れなくなった可能性も考えられなくはないが、もしもこれらの理由で捜査が遮断され、今なお誘拐状態が続き、犯人が野放しになっているのだとしたら、憎しみをこめて「運がいい」としか言いようがない。

まるで「神隠し」

あまりにも突然、なんの痕跡も残さずに消えてしまった少女。この状況はたしかにまるで「神隠し」と言ってしまいたい気持ちもわかる。しかし、有紀ちゃんが生存している可能性を決して否定できない今、神隠しで終わらせず、ぜひ警察の捜索と科学捜査の発展に期待したい。

なお、もしも本件について情報をお持ちの方は、下記連絡先への情報提供をぜひ宜しくお願いします。
香川県警察・行方不明者を探しております。

※画像はイメージです。

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