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なぜ全員が死んだ?謎多きオーラン・メダン号事件

海や船にまつわる怪事件や不思議な話は少なくない。そのような話を聞くたびに、人間のホームはあくまで陸上で、海はアウェイであることを思い知らされる。陸地から隔絶された大海原のど真ん中では、想定外の事態に適切な対処もできず、結果的に迷宮入りしてしまうケースもあるのだろう。
マリー・セレスト号事件ほど有名ではないけれど、乗組員が一人も生還できなかったという点ではオーラン・メダン号も同じだった。

目次

SOS

それは第二次世界大戦が終わってまもないころのこと。
アメリカ船籍シルバー・スター号は、インドネシアのマラッカ海峡を航行中に、この救難信号を受信した。
発信者は、ジャカルタに向かうオランダ商船のラビットなる人物。
「こちらオーラン・メダン号。何かに襲われている。みんな、突然血を吐いて倒れてしまった。まだ息のある者もいる。どうか、どうか助けてほしい」

船員同士の内紛か、暴動でも起きたのだろうか。とにかく内容から察するに、ただごとではない。
その後、ラビットからの不可解なモールス信号や読みとれない通信が続いたあと、「わたしも死んでしまう」というメッセージを残して無線は切れた。

事は一刻を争う。シルバー・スター号は任務を中断して救助に向かった。彼らは無線中継基地の協力を得て、オーラン・メダン号の位置を特定。
しかし、その船を発見したときはすでに遅かった。

全員が怪死

救難信号を受信してから3時間。
オーラン・メダン号は、無数のサメの大群に取り囲まれていたという。

シルバー・スター号は拡声器で呼びかけたが、応答がない。船を横付けして乗り込んでみると、そこには衝撃の光景が広がっていた。
炎天下の甲板で急速に腐敗が進んだ遺体と、その肉をついばんでいる海鳥たち。オーラン・メダン号の乗組員はみな、恐ろしいものを見たような恐怖の形相で、目を見開いたまま息絶えていた。ペンを持ったままの者、目の前の何かをつかもうと両手を伸ばしたままの者。
船員同士で争った形跡もなければ、衝突した形跡も、海賊に襲われた形跡もない。血を吐いている以外、外傷もない。

シルバー・スター号の船員たちは、その凄絶な光景にしばらく言葉を失っていたが、とにかく船が航行可能かを調べなければと、船室に入ろうとした。そのとき、突然の爆発音とともに機関室から勢いよく火が吹いた。
「逃げろ! 船ごと爆発するぞ!」
船員たちが避難すると、オーラン・メダン号はタイミングを合わせたかのように大爆発。何が起きたのかを調べる間もなく、船は炎に包まれて海の藻屑と消えてしまった。

後日、地元警察による調査が行われたが、船体は爆発して粉々になり、遺体ごと海の底に沈んでしまったため、真相は何ひとつわからなかった。

浮上した捏造疑惑

オーラン・メダン号の怪事件は、1952年に米国湾岸警備隊が刊行した書籍により世間の知るところとなる。

ところがしばらくたった頃、事件の創作説がささやかれるようになった。なぜなら、オーラン・メダン号の登記記録がないうえに、船舶保険で名高いロイズ保険組合の記録にも存在しないことが発覚したからだ。加えて、救助にあたったシルバー・スター号の記録にも記されていなかったという。

創作説をとれば、米国湾岸警備隊が本を出版して事件を捏造したことになるが、そのメリットは不明。とはいえ、せっかくフィクション説とノンフィクション説があるのだから、ここは両説を取り入れて仮説を立ててみたいと思う。つまり、この世に存在しないことになっている商船が不慮のアクシデントに見舞われた可能性だ。

事件が起きたとされるのは、第二次世界大戦終戦直後だった。登記されていなかった理由としては、戦後の混乱に乗じて犯罪に関わっていたからと考えることもできる。

そして事件の概要をみるかぎり、何より怪しいのがシルバー・スター号。オーラン・メダン号に生還者が一人もおらず、船も大破してしまったため、シルバー・スター号の船員による証言以外に証拠はなかった。彼らの報告がすべて真実だとすれば、オーラン・メダン号の乗組員は、まるで超常現象のような未知の力によって全滅したとしか思えない。すべての鍵になるのは積み荷の正体のような気がするが、何をジャカルタへ輸送していたのだろう。

もしシルバー・スター号が救難信号をキャッチしなかったら、この事件は誰にも知られることはなかった。
すべてが海中に没してしまった今は真相を知る者もいない。

※画像はイメージです。

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