いつか行きたいと思っている場所があります。それは「恐山」です。
恐山といえば、日本屈指の霊場として知られています。
名前からして、どこか怖そうな雰囲気ですよね。恐山にいる「イタコ」は有名かと思います。
亡くなった人の霊と交流できる場所として人気の恐山ですが、果たしてどのような場所なのか詳しく調べてみましたので、ご覧頂ければと思います。
調べてみると、恐山は観光地であって観光地ではない、独特の土地であるようです。
少なくとも、ウキウキルンルンとはしゃぎながら行って良い場所ではなさそうでした。
恐山を訪れる際、絶対に護らねばならないマナーは何なのか。
恐山を訪れた時に、体調不良になる場合もあるが、その原因は何なのか。
色々、興味深いことが分かりました。
いつか一度は生きたい超有名なスピリチュアルスポット「恐山」について、ぜひ、理解を深めてくださいね!
恐山の由来は何?
恐山は、青森県の中央にあります。
八峰と呼ばれる八つの山の総称が恐山です。ちなみに、恐山という名の単独の山峰はありません。
宇曽利山湖という湖を囲むかたちで山々がそびえます。この宇曽利山湖は、カルデラ湖だそうです。宇曽利山湖を囲む八峰の中には活火山もあります。
なんとも独特な地形です。
恐山には温泉もあります。霊場に来て温泉に浸からせていただくのも良いかもしれません。
この恐山は、日本三大霊場の一つです。恐山の正式名称は、恐山菩提寺といいます。山自体がお寺なのですね。静かにお参りしたい場所なのです。
かなり格の高い霊場であり、この世とあの世をつなぐ場所とされています。
恐山が開山されたのは、862年のことです。慈覚大師とも呼ばれる円仁という天台宗のお坊さんが開山しました。
この時、円仁は、夢のお告げで、北の土地に霊場を開けと聞きました。お告げを受けた円仁により、開かれたのが恐山ということです。
恐山は、とても古い歴史を持つ霊場なのですね。
それにしても、円仁に夢でお告げをしたのは、一体なにものなのでしょう。
仏様なのか、神様なのか。
少し、この円仁について調べてみたのですが、なかなか興味深い人物でした。
平安時代の初めに生きた僧侶であり、遣唐使として唐に留学することが叶っています。天台宗の開祖、最澄に大事に指導され、とても優秀だったようです。
精力的に動いた人物であり、関東に209寺、東北に331寺の霊場を開いたとされています。恐山もその一つです。
恐山は地獄めぐり
恐山は、あの世に最も近い場所と言われています。
観光スポットでもあり、「あの世」や「地獄」と思わせるものがたくさんあります。少し調べてみたので参考までにご紹介しますね。
恐山の手前に橋があるのですが、そこには「三途川」と彫られた石碑があります。赤い欄干が印象的な橋なのですが、渡り切ると「あの世」に行ってしまうそうです。
くれぐれも、足を踏み入れてしまった場合、渡り切らずに途中で引き返してくださいね!
恐山に入ると、賽の河原を思わせるような、石を積んだものがあちこちにあります。そこにはカラカラ回る風車も飾られており、雰囲気満点です。
これは、幼くして亡くなった子供たちを慰めるためのものだそうです。
ちなみに、石を高く積んで天まで積み上げたら、子供たちは現世に戻ってこられるとされています。
切ないですね。
恐山に入ってゆくと、地獄めぐりが始まります。
そこには白い火山灰が散らばっており、何とも言えない雰囲気が漂います。あちこちに「〇〇地獄」といった、地獄の名所の看板が立てられています。
硫黄ガスの匂いが漂います。
岩の間から硫黄ガスが出ているのですね。けっこう強い臭いのようですよ。
硫黄ガスが出ている岩は、黄色く変色していて、なんだか不思議な感じがします。
霊を慰めるためでしょう、あちこちにお地蔵様がおられます。
また、木の枝には手ぬぐいが縛られています。これは、霊たちが汗をぬぐうためのものだそうです。
そして、「血の池地獄」。赤い色はしていませんが、少々怖いネーミングですね。
やがて、地獄のような風景が途切れ、天国のように美しい「極楽浜」に出ます。
ここは湖畔になります。
砂浜に愛らしい風車が差してあり、風を受けて回るのが、なんとも美しく、なぜか胸を締め付けられるのです。
亡くなった人に会いに来るための場所だからでしょうか。
一周すると、だいたい一時間ほどかかります。3キロほどの道中になりますから、歩きやすい靴がお勧めします。
全体的に、この世ならざる場所の雰囲気が漂います。霊のための場所です。
断じて遊び感覚で行く場所ではないと感じます。
恐山の注意
先にも書きましたとおり、恐山は観光地ではありますが、断じて、遊び感覚で入るような場所ではありません。
はしゃいで入ってゆくのはNGになるかと思います。
これは、恐山におられる霊たちへの礼儀に反するからですね。また、恐山を訪れる人の中には、亡くなった方の霊魂を忍んでこられる人も多いのです。
静かに、霊たちへ敬意を持ちながら入山したいものです。
たまに、恐山に入ったことで体調不良になる方が出るそうです。
それは、あちこちで噴出する硫黄ガスを吸い込み、ちょっとした中毒症状が起きる場合があるからです。あまり吸わないよう注意したいですね。
しかし、ガスによるものではない体調不良もあるそうです。
いわゆる霊障で、恐山に存在する霊魂に触れてしまったり、お怒りを買ってしまった場合、不調をきたすようです。
恐山には霊がたくさんおられることを忘れずに、くれぐれも失礼のないよう気を付けましょう。
上記を踏まえ、恐山に行かない方が良いタイプを考えてみました。
まず、遊びで行きたい方は、恐山には向かないでしょう。心霊現象だけを求めて入山するのは、もっての他ですね。
霊感が強い方、精神力が弱っている方も、よく考えてから行かれた方が良いです。霊がたくさんおられる場所なので、波長が合ってしまうと不調をきたす可能性があります。
非常識だったり、死者を敬えない方も、控える方が良さそうです。
硫黄の匂いが漂いますので、敏感な方は気を付けましょう。硫黄ガスが漂うので、幼い方、ご高齢の方、背の低い小柄な方も、体調不良をきたす危険があります。
なお、恐山はペットを連れての入山を禁止していますので、注意です。
豪雪地帯でもあり、5月から11月までしか開山しておらず、見学することができません。
積まれている石を崩したり、風車を持ち帰ったりしてしまうのはいけません。
霊的に怖い思いをしてしまうとされています。
心から死者を敬い、死者を偲ぶ場所であることを十分に意識したいものですね。
イタコってどんな人?
恐山といえば「イタコ」を思い浮かべる人も多いでしょう。
イタコは、恐山の入り口のテントの中におられるようです。イタコは、どんな人々なのか少し調べてみました。
イタコは、死者の霊魂を自分に憑依させることができる人とされています。いわゆる「口寄せ」の力を持つと言われています。
亡くなった方とお話がしたくて恐山を訪れる人も多いでしょうね。
しかし、果たして本当に恐山のイタコさんは霊能力をお持ちなのでしょうか。
現在のイタコの施術は「カウンセリング」に近いものであるようです。占いのようなものなのでしょうか。
本来は、先祖など、死者の霊との懸け橋になってくれる存在だったそうです。昔は氏子の寄り合いなどに呼ばれ、死者からの伝言を人々に伝える役割を担っていました。
イタコの「口寄せ」は、人種は関係ないそうです。呼び出したい死者が、日本語をしゃべらない方であっても大丈夫なのですね。
なんと、動物の霊も呼んでくださるそうですよ。
ちなみに、イタコに霊魂を呼んでもらう場合、金額はだいたい3000円くらいだそうです。
3000円ならやって欲しい、と思われる方も多いでしょうね。
もともとはイタコは、盲目あるいは弱視の女性のためのお仕事だったそうです。
どうやら、伝統的な昔ながらのイタコは、廃れつつあるように感じます。
恐山に、愛しき影を求めて
恐山に行ってみたい理由の一つに、恐山の温泉があります。
独特の雰囲気が漂う恐山の中で、お湯に浸かりたいものです。霊場の空気感漂う中で温泉に浸かるのは、どんな気持ちでしょう。
ぜひとも体験したいものです。
恐山に、亡くなった方を偲んで入山する場合もあります。
大事な人で、でも、もう現世にはおられない。その方の面影を求め、恐山に行く。
イタコに口寄せしてもらい、つかの間の逢瀬を果たすのも良いかもしれません。
あの世とこの世の狭間にある場所なのですから、静かな気持ちで死者と向き合い、自分を見つめなおすこともできるでしょう。
もし、恐山に行ったことで、波長の合う霊がついてきてしまった、という場合、再び恐山に行くことで、ついていた霊がお山に戻ってくれると言われています。
なんとも不思議なスピリチュアルスポットなのです。
恐山について調べてみると、きゅっと切なくなる瞬間が何度もありました。
亡くなった人や動物のことを考えてしまったり、からから回る風車を想像すると、幼くして亡くなった子供の姿が目の前を過るようでした。
恐山は日本屈指の霊場であり、死者の場であることを忘れずに、手を合わせる気持ちで訪れたいものです。
そして、きっといつか、今生きている我々も死んで霊魂になったら、恐山に向かうのでしょうか?
そう思うと、何故か恐山が、懐かしい故郷のように思えてくるのです。
※画像はイメージです。
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コメント一覧 (2件)
恐山について興味深く拝読しました。
「恐山の注意」内の文章で
「なお、豪雪地帯でもあります。4月から11月は入ることはできません」とありますが
正しくは
「・・・・4月から11月以外は入ることはできません」の誤りではないでしょうか。
気になったのでコメントさせていただきました。
いつもありがとうございます!