皆さんこんにちわ、いば・よしあきです。
今日ご紹介したい作品は前回に引き続いてパトレイバーです!
オーバーテクノロジーによって進化し、人型汎用機械レイバーが普及し、それが引き起こす犯罪を食い止める、警察を舞台にしたロボットアニメ・機動警察パトレイバーの「機動警察パトレイバー 2 the Movie」を御紹介したいと思います。
この映画は1993年に公開されたアニメーション映画作品で、押井守監督のパトレイバーの中では実にシリアスな展開で描かれた作品です。
それまでパトレイバーは、どちらかと言えばコミカルさやシリアスさなどを織り交ぜた、ドタバタコメディ感のある日常系などの作風もある作品でした。
でもこの映画では、それまでにあったパトレイバーのコミカルさはなく、シリアスに変化した、ある種の物語の終焉が描かれた傑作でもあり、また押井守監督の節が強く込められた傑作でもあります。
あらすじ
さてこの物語のあらすじは、日本から遠く離れた、東南アジア某国から始まります。
1999年。
日本から派遣されたPKO部隊である陸自レイバー小隊が、戦闘車輌を持つゲリラ部隊に包囲され、執拗な攻撃を受けていました。
小隊長である柘植行人は、本部から発砲許可を得ようとしますが、許可がおりず、ただ後退し、退却しろとの返答しか返ってきません。
そして致命的な一撃を受け、レイバー小隊は壊滅してしまいます。
生き残った柘植は、大破したレイバーから降り、朽ち果てた神殿を見ながら茫然としていました……
そしてそれが、新たな火種に変わった瞬間でもありました。
時代は流れ、2002年。
冬を迎えた日本・東京は、かつてのバビロンプロジェクトが落ち着きを見せ始め、レイバーによるテロ犯罪が減少しますが、日本各地でレイバー犯罪が急増し、それに対処すべく警察用レイバーが普及され、かつて警視庁のお荷物と言われていたレイバー小隊も、変革を見せ始めていました。
第二小隊の面々もそれぞれの道を歩みだし、かつての時間が失われしまったレイバー小隊。
でもそんなある日、横浜ベイブリッジにて爆破事件が発生します。
しかしそれは自衛隊の「戦闘機F-16J」から放たれたミサイルだと・・・陸幕調査部別室・荒川茂樹によって知らされる、後藤隊長と南雲警部。
そしてそこから始まる、日本国内で次々に自衛隊によるクーデターと思われる事件が発生していきます。
バッジシステムへのハッキングによって、自衛隊三沢基地から爆撃機が発進したとの誤情報が送信され、警察は自衛隊を警戒し、また自衛隊も駐屯地内にて籠城する徹底抗戦をみせる等の一触即発の状態が始まってしまいます。でもそれは全ては、かつてPKO派遣にて苦汁をなめさせられた柘植行人の思い描いた復讐劇の一幕である事を誰も知る由は無く、それを追いかける南雲警部。
はたして、柘植行人が思い描く、復讐とは──
と、こんな感じで物語は進んでいきます。
みどころ
この映画では、パトレイバーシリーズに出てきたコミカルさが無くなっており、全編シリアスな雰囲気で物語は進んでいきます。
後藤隊長の真面目なセリフなどが印象的で、特に一番良かったと思えるセリフはこれです。
「戦線から遠のくと、楽観主義が現実に取って代わる。
そして、最高意志決定の段階では、現実なるものしばしば存在しない。
戦争に負けているときは特にそうだ。」
これはジェイムズ・F・ダニガンの引用で、警視庁が迫る危機に対処せずに、内輪もめをしている上層部を見て呟きます。
この後上司は戦争は始まっていないと言い返しますが、後藤隊長は
「始まってますよ、とっくに。 気づくのが遅すぎた。後藤は南雲隊長と運命を共にします、貴方達とは、ほとほと愛想が尽きました!」
と、今までに無い後藤隊長のセリフを見せ、そして始まるテロ活動に、慌てふためく上層部を見て、
「だから!遅すぎたと言ってるんだ!」
のセリフに、驚いた記憶があります。
のんびりやと陰謀屋である後藤隊長が、初めて激昂した瞬間。
煮えたぎらない上層部に怒りを持ち、叫ぶ彼の姿が印象的でした。
ある種、今作をパトレイバーシリーズの終着とも言われており、物語の幕引きとして名作として挙げられている劇場版パトレイバーの第二作。
見て損の無い、ミリタリー色と政治色のある名作でもあります。
(C) 1993 機動警察パトレイバー 2 the Movie HEADGEAR / BANDAI VISUAL / TOHOKUSHINSHA / Production I.G
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