さて今回は、かつてプラモ好きな少年のバイブルとして愛された漫画「プラモ狂四郎」を紹介したいと思います。
この作品は1982年に連載され、当時主だった作品のなかったコミックボンボンの看板となり売り上げに貢献し、そこにガンプラから始まるアニメプラモブームの波に乗って大ヒットしました。
作者はやまと虹一先生、原作はクラフト団こと安井尚志先生。この二人によって手掛けられたこの作品は、プラモを作り、それを仮想空間で戦わせる「プラモシミュレーションマシン」という、今で言うところのバーチャルシミュレーションを題材した先駆けの作品でもあります。
プラモの細かな改造によるバトルへの影響、フルスクラッチでオリジナルのガンダムを造り出す等、プラモ作りの楽しさと、プラモデルを使ったバトルを楽しめるという、一つで二度おいしい作品に当時の子供は夢中になったものです。
この作品の見どころ
この作品の見どころは、何と言ってもガンダムが他の作品のプラモなどと戦う、スーパーロボット大戦的な展開にあります。
筆者の一番のおススメは、何と言ってもガンダムとドイツ軍の戦闘シーン。
タイガー戦車やパンター戦車に、ドイツ軍の歩兵部隊などのミリタリープラモがガンダムに挑むシーンがあります。
戦車部隊を蹴散らすも、細かな歩兵部隊に数で圧倒されピンチになってしまう狂四郎。
でもマシントラブルで事なきを得るも、再戦まで時間はありません。
そんな時に狂四郎に秘蔵のプラモを渡してくれる謎の老人。
彼が受け取ったのは、かつてサンダーバードに登場した、地底戦車のジェットモグラ。
ジェットモグラを使い、ドイツ軍の機甲師団を壊滅させ、勝利を掴む狂四郎。
その老人は模型のすばらしさを世の中に広めている、有名な模型屋さんだったと・・・実に熱い展開で纏められ、いつも夢中になって読んでいたものです。
作品の中では、後々ガンダムの模型企画「MSV」やガンダム関連の作品にまで影響を与えることになる「ガンダムパーフェクトガンダム」や「レッドウォーリア」を狂四郎がフルスクラッチ(注意・存在しないオリジナルのプラモを自作する行為の事)したガンダムとして登場させたのも有名な話です。
ちなみにですが、今でもよく使われる「魔改造」という言葉もこの作品が語源となるのはご存じでしょうか?
狂史郎のライバルの一人が、作中でスケールモデルとアニメモデルが合体変形するロボットを「魔改造」と呼んだのが始まりです。
無理なプラモ改造法
他にも数々のプラモを創作するなど、子ども心に実際に自分も作ってみようと奮闘しましたが、上手くいかずに悩んでいました。
なにせ当時コミックボンボンに掲載されていた、ガンプラ改造方法は、小学生ではとても難しく、中学や高校生はおろか、手先の器用なプロのモデラ―ではないと無理な内容の改造方法だったのですが、あきらめずに何度もチャレンジしたものでした・・・。
そんなプラモを好きにしてくれる、熱いバトル漫画でもあるプラモ狂四郎。
ガンプラからプラモの魅力まで感じたい人におススメしたい漫画です。
(C) プラモ狂四郎 やまと虹一 クラフト団 講談社
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