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海に潜む罠!毒を持つ海の生物10選

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海は人間の生活にとって切っても切り離せないものだ。
海に生息する様々な生物は、私たちに恵みとしての食材として提供され、時には癒しの対象として私たちの目を楽しませたりする。

旨い、キレイだけでは済まされないのが海の生物である。
時には毒をもって人間に牙を向けるのだ。

目次

フグ~毒を持つ魚の代表格

フグ

毒を持つ魚、毒のある食材の代表格であり、毒を持つ生物として真っ先に名前を挙げる人も多いであろうフグ。
日本国内では年間約20件ほどの食中毒を引き起こし、たびたび死者も発生している。
フグ中毒の原因となるのは、テトロドトキシンと呼ばれる神経毒だ。テトロドトキシンの毒性の強さは青酸カリの1,000倍以上ともいわれており、猛毒と言って差し支えないだろう。

ほとんどのフグ科の魚が種類の差や個体差はあるものの、体の一部にこのテトロドトキシンを持っており、内臓、特に肝臓や卵巣に高濃度の毒素が蓄積されている場合が多い。フグ毒の恐ろしさは、強力さ故の致死率の高さ、そして即効性にあると考えられる。

フグ中毒になると、まず食後20分から3時間程で口や舌、指先といった体の末端にしびれを感じるようになり、その後、頭痛や腹痛、嘔吐といった食中毒らしい症状が現れ、平常歩行が困難となる。
恐らく多くの人が体の異変を明確に感じられるのがこのあたりだろう。
まもなく、知覚麻痺が発現し口がうまく回らなくなり始め、呼吸困難や血圧の下降といった症状も現れ、後に指1本動かせない運動麻痺に至る。意識がなくなると直後に呼吸と心臓が停止し、死亡する。

フグ毒のある意味で残酷な所は、これらの症状が出る間、中毒者本人の意識ははっきりとしており、それが死の直前まで続くことだ。しかし、意識はあれど言語障害により発声するすることはできず、運動障害により指先を動かすことすらもできないような状況なので、自らの意思を周囲に伝えたりすることは難しいだろう。
毒に汚染されたフグを食べてから死に至るまで約4時間から6時間と、中毒の経過も非常にスピーディだ。

また、テトロドトキシンにはこれといった解毒薬もないため、症状が悪化した場合は呼吸困難に対する酸素吸入や血圧低下を防ぐためドパミンを投与するといった対症療法しかなく、生き残れるか否かは、ほぼ本人の回復力と運に任せるしかない。

フグ中毒は飲食店でも発生しているものの、ほとんどは自分や家族、仲間が釣ってきたフグをいわゆる素人が捌いて食し、毒を含む箇所の除去が不十分だったために起こっている。フグの種類によってどの部位に毒が含まれているかは異なっていて食べられる部位も異なる上、毒の強さも個体差がある。
そもそもプロの料理人でさえもその危険性ゆえ、フグを捌くために資格が必要なほどなのだ。

私的にフグを捌くのに資格は必要ないとはいえ、とにかく素人が手を出さないことだ。

フグの代表的な食べ方でもある刺身、通称「てっさ」とは、「猛毒にあたれば死ぬ=当たったら死ぬ=てっぽう(鉄砲)」という意味に由来しており、「てっぽうのおさしみ」を略して「てっさ」と呼ばれるようになったと言われている。
「河豚は喰いたし、命は惜しし」という慣用句もある。
昔から人々を魅了して止まない食材ではあるが、食する際にはある程度の覚悟をもって挑んでいただきたい。

カツオノエボシ~透明なブルーが目を引く危険生物

カツオノエボシ

海岸や波打ち際を歩いていて、ゴミに紛れてきらめくプラスチック片やガラス片を見たことはないだろうか。もしくはダイビングを趣味とする人の中には、海面を漂う青みがかった美しいクラゲのような生物を見かけたことがある人がいるかもしれない。

場合によっては、その美しさから思わず手を伸ばしてしまう人もいるかもしれない。しかし、触れるその前によく「それ」を見てほしい。
「それ」はもしかしたら毒を持つカツオノエボシという生物かもしれない。

カツオノエボシとは、青みがかった透明の浮き袋を持つ刺胞動物だ。
刺胞動物とは、体の表面に外からの刺激によって毒液を注入する針を持つ生物のこと。カツオノエボシは触手に刺胞を持ち、刺されるとあまりの痛みから大人でさえも飛び上がる程だと言われている。
この激痛は電気ショックを受けた衝撃にも例えられ、カツオノエボシは電気クラゲの異名を持っている。

カツオノエボシに刺されると、刺された箇所に激痛が走ると共に炎症を起こし、赤い痕やミミズ腫れになってしまう。
刺された痛みは数時間も続く上、刺されてから数日間に渡り、寝込むほどの発熱を引き起こすこともあり、刺された人間は長く苦しむことになる。また、カツオノエボシに2回以上刺されるとアナフィラキシーショックを引き起こす可能性もあり、血圧低下や意識障害によって最悪の場合、死亡する可能性もある。

カツオノエボシに刺された瞬間、あまりの痛みに反射的に触れたカツオノエボシを手で払ったり、取り除こうとしてしまうといった事態は十分に考えられるが、かえって状況を悪化させることになりかねないのだ。
なお、万が一カツオノエボシに刺された場合、パニックになりそうなところをなんとか堪えて、まずは患部を海水で洗い流し、素手を保護できる方法で触手をすぐに除去することが重要だ。

俗説としてクラゲに刺された際には酢で洗い流すのがいいという説もあるが、少なくともカツオノエボシには適用されない。
それどころかかえってカツオノエボシを刺激してさらに刺される可能性もあるので止めてほしい。
応急処置をした後は、すぐに病院へ向かうことをおすすめする。

アカエイ~毒の長槍を有するエイ

カツオノエボシ

日本近海にも多く分布し、平たい座布団のような体とそこから長く伸びた尾がなんとも特徴的なアカエイ。
エイの仲間の中では比較的よく食されており、実際に食べたことがある人も多いだろう。しかし、浜に打ち上げられたアカエイに触れることや浅い海での海水浴中に砂地に隠れるアカエイを誤って踏みつける事だけはなんとしても避けてほしい。

アカエイは長い尾に毒針を持っているのだ。アカエイは尾部の棘に毒腺を持っており、刺されると激痛に襲われる。
重症になると血圧低下や呼吸障害などを引き起こし、死亡例もある。
特にアレルギー体質の人はアナフィラキシーショックに陥ることもあり、実際に死者も出ている。

万が一、アカエイに刺されたらすぐに患部から毒を絞り出して傷を水かお湯で洗い流し、早めに病院で治療を受けることが重要だ。また、もしも刺された患部からの出血がひどい場合、止血も忘れないようにしてほしい。

アカエイ自身は好戦的な性質ではないため、自ら人間を刺しに来ることはまずない。しかし、釣りをしていた際に釣り上げたアカエイが狭い漁船内で暴れまわり誤って刺されたり、遊泳中に浅瀬の砂地に潜んでいたアカエイを間違って踏んでしまい、刺されたケースなど、事故の事例は後を絶たない。
浜に打ち上げられ、死んだアカエイでさえも毒は残っているので無暗に触らない方が賢明だ。

食用としての用途もさることながら、水族館の展示生物として私たちの目を楽しませたり、北海道の先住民族であるアイヌ民族はアカエイの毒針を切り取って槍先や矢毒として用いるなど、人は長らくアカエイを利用してきた。
時として人間に牙を向くアカエイではあるが、毒とうまく付き合いこれからも有効に利用していきたいものだ。

ハブクラゲ~揺蕩う死神

ハブクラゲ

日本を代表するリゾート地でもある沖縄をはじめとする南西諸島。マリンスポーツやレジャーを楽しむ観光客が多いだろう。
こうしたレジャーを楽しめる海水浴場にはクラゲ除けのネット、通称クラゲネットが設置されていることが多い。

沖縄の海が排除したいクラゲとは一体何なのか。
それは同じく南西諸島に生息する毒蛇、ハブの名前を持つクラゲ、ハブクラゲだ。ハブクラゲは半透明な傘と1m以上にも及ぶ長い触手を持つクラゲだ。

時にはエサを求めて浅瀬を漂っていることもある。体が半透明という点が非常に厄介で、海中を漂っている姿は人の目から見て非常に見えずらく、どんなに気を付けていても、ハブクラゲの存在に気が付いたのが触手に触れてからという場合も少なくない。

ハブクラゲの触手には毒針が潜む刺胞が多数備わっており、この触手がなにかに触れると反射的に毒針が飛び出し、触れた対象に毒を注入する。
この毒針に刺されると、まず激痛に見舞われる。刺された患部はすぐにミミズ腫れになり、その後水疱となり、何の対処もせずに半日程経過すると患部の壊死を引き起こしてしまう。
さらに症状が悪化すると、意識障害や呼吸困難となり、死に至ることもある。

ハブクラゲの毒は毒性が強い上、1度に撃ち込まれる毒の量も多い。そのため手当が間に合わず、残念ながら死亡した例もある。かわいそうなことに死亡した3事例すべての被害者は遊泳中の15歳未満の子どもだった。

もしもハブクラゲに刺された場合、海中にいる場合にはまず岸にあがる。
そしてカツオノエボシとは逆に、肌の表面に残った刺胞の発射を抑える効果があるため酢(食酢)を患部にかけて慎重に触手を取り除く。
万が一、呼吸や心臓が止まってしまっている場合、すみやかに心臓マッサージや人工呼吸を施し、救急車を呼ぶしかない。

ウンバチイソギンチャク~イソギンチャク界の毒の王

シュノーケリングが趣味という方は多いだろう。全方位、青の世界の中で魚の群れやサンゴの林を探検するのは楽しいという気持ちもよくわかる。そんな探検の中でイソギンチャクを見かける人は多いのではないだろうか。

イソギンチャクはエサを捕まえるため、触手に毒を有している。
大半のイソギンチャクの毒は人体に影響がないのだが、1種類、人間を死に至らしめるほど強力な毒を持つ例外がいる。
それが日本国内で南西諸島や沖縄などに生息するウンバチイソギンチャクだ。

ウンバチイソギンチャクは直径10~20㎝ほどのイソギンチャクだ。
生息する場所によって色や形が変化するため、海藻や他のイソギンチャクとの見分けが付きにくい。

このウンバチイソギンチャクに誤って触れると、毒を有する刺胞のカプセルが発射され、刺された側は患部に電気が走ったような衝撃と熱した火ばさみで焼かれるような痛みを味わうという。

そもそも「ウンバチ」とは「海の蜂」という意味。昔からその痛みと毒が恐れられていたことがよくわかる語源だ。
非常に激しい痛みと火傷を負ったような傷を生じる上、時には急性腎不全を引き起こし、死亡する危険性もあるので、小さなイソギンチャクとは言え侮ってはいけない。

ウンバチイソギンチャクの毒に酢や真水はご法度だ。
刺された場合は海水で洗い流し、速やかに病院へ。

ゴンズイ~毒の塊、ゴンズイ玉

本州以南、特に太平洋側でよく見られる魚、ゴンズイ。
体長は本州に生息する種で約10~20cm、沖縄で生息する種については約30cmにもなり、黒色の体に特徴的な黄色の縞がある。口にはひげが付いており、ナマズにも似た愛嬌のある顔立ちをしている。

海中では同じようなサイズのゴンズイがボール状に密集して押し合いへし合いしながら泳いでいることも多く、その様子はゴンズイ玉とも呼ばれ、水族館などでは人気の展示だ。

が、もしも海中で、水槽の隔たりなく見かけたならぎょっとする人もいるかもしれない。見るだけなら見どころも多い魚のゴンズイであるが、この魚は毒を持っている。
ゴンズイは小さく飛び出た胸ビレと背ビレのトゲに毒があり、刺されると火傷を負ったときにも似た激痛に襲われるという。

刺されたことがわかった場合、すぐに刺さったトゲを抜いて傷口から毒を吸い出して消毒することが必要だ。トゲには「かえし」がついており、抜けにくく、また抜くときにも相応の痛みが伴うという、なんとも憎らしい仕組みだ。

ゴンズイの毒については、とある釣りの指南書の中で、本の筆者の実体験から一般に市販されている某・薬用入浴剤を溶いたお湯に患部を浸すと痛みが取れると記載されたことがある。
その本の影響もあってか、「ゴンズイの毒には入浴剤が効く」という情報がネット上でまれに見られる。
本当に入浴剤が効いているのか、科学的根拠はないと思われるが、ゴンズイの毒には熱が有効であることはわかっている。

ゴンズイに限ったことではないのだが、刺毒魚の毒はタンパク質であることが多く、タンパク質の毒は熱に弱い。そのため、火傷に注意しながら、50℃程の熱湯に患部を浸したり、同様の温度で患部を温めると毒成分が不活性化し痛みが和らぐといわれる。
指南書に書かれた処置法も入浴剤が効いたというよりは、お湯に患部を浸したことが有効であったと考えられる。

トゲを抜いて患部を温めても痛みが引かない場合や、吐き気やめまいなど痛み以外の症状が出た場合には病院に行くことをお勧めする。

オニダルマオコゼ~海底の静かなスナイパー

小笠原諸島・奄美大島・沖縄周辺といった温暖な海に分布するオニダルマオコゼ。
サンゴが生息する岩礁や砂地に生息していて、海底ではじっと動かずにエサである小魚や甲殻類がそばを通りかかるのを待つという捕食スタイルをとっている。その性質のため決して好戦的な魚ではないのだが、ダイバーなどが誤って踏みつけ、毒液を分泌する背びれのトゲに刺されてしまうという事例が多発している。

オニオコゼの仲間、特にオニダルマオコゼは背びれのトゲにストナストキシンという非常に強い神経毒を持っている。
この毒の強さはハブ毒の30~80倍とされ、1匹の毒で成人約4人分もの致死量に達するとも言われている程の強力さだ。刺されると強烈な痛みを感じ、重症化すると呼吸困難、心肺停止、血圧の低下を引き起こし、運が悪いと亡くなることもある。

2010年には沖縄県の海岸でダイビングインストラクターの男性が「オコゼに刺された」と大声で叫んで助けを求めた直後、意識を失って倒れ、そのまま死亡するという事故も起きている。
男性の左足の裏には同種のものと思われる刺し傷が見つかっていて、男性が叫んだ「オコゼ」とはオニダルマオコゼと見られている。オニダルマオコゼの背びれのトゲはゴム長靴の靴底すら貫通するという。

被害に遭わないためには、ダイビング中の足元にはよく注意し、とにかく踏まないことが人間とオニダルマオコゼ双方にとって大切だ。

ミノカサゴ~キレイなトゲには毒がある

海中をゆったりと泳ぐミノカサゴ。
その派手で見栄えのする外見や美しい体の模様からダイバーのみならず、観賞用の魚としても人気の種だ。
ゆっくりと泳ぐため、一見、優雅にも見えるその姿だが、ミノカサゴは意外にも好戦的な魚で、海中で撮影を試みようと追いまわしたりすると逆に攻撃しようと向かってきたりする。

しかもその好戦的な姿勢は去勢などでは決してなく、このミノカサゴは背びれ、臀びれ、腹びれ、体中の棘に毒腺を持っているので注意が必要だ。

刺されると、患部を中心に激痛が走る。その痛みの強さは耐え難く、痛みに耐えられず1週間走り、のたうち回る程であるという意味から、ミノカサゴのことを「ナヌカバシリ(七日走り)」という別称で呼ぶ地域もあるほどだ。
激痛の直後、患部は赤く腫れあがり、めまいや発熱、頭痛、吐気、手足麻痺、呼吸困難などを引き起こす。

ミノカサゴの毒は死の危険性すらある猛毒、この毒はゴンズイ等の毒と同様にタンパク質。そのため応急処置として、火傷に注意しながら、50℃程の熱湯に患部を浸したり、同様の温度で患部を温めると毒成分を不活性化させることができる。

ヒョウモンダコ~色鮮やかな暗殺者

西太平洋熱帯域・亜熱帯域に分布し、小笠原諸島や九州以南の比較的温かい海域で見られるヒョウモンダコ。
私たちが良く知っているミズダコに比べて小ぶり。普段は地味な色をしているが、刺激を受けると体が明るい黄色に変化し青いリングや縞の模様が浮かび上がる。その色や模様の鮮やかさは、見ている分にはかわいらしいとか美しいとすら思える。

しかし、そんな様子に油断しているとひどい目に会うかもしれない。ヒョウモンダコはその小柄な体に似つかわしくない猛毒を持っているのだ。唾液腺にフグと同じテトロドトキシンという猛毒を持っている。
身の危険を感じると噛み付いてこの神経毒を相手に注入し麻痺させたり、死に至らしめたりするのだ。

近年の研究では唾液のみならず、ヒョウモンダコの体表にも毒が含まれている可能性が指摘されており、このタコに素手で触ることすらも危険を伴う。万が一、ヒョウモンダコの毒にあてられた場合、1時間かからずに体の先端の痺れやめまいといった症状が始まり、運動障害や言語麻痺、呼吸困難に陥り、最終的に死亡することもある。

日本国内でヒョウモンダコに噛まれた・触れたことによって死亡したと断定されたケースは記録上見当たらなかったものの、海外では死亡例も確認されており、かなり危険な生物といえよう。
患部から毒を吸いだそうとして、その毒を飲み込んだりしてしまうと救助者も危険に陥る可能性があるため、毒に素手で触れないよう注意しながら絞り出すように処置することが二次被害を生まないことに繋がる。

従来であれば比較的海水温の高い海に生息しているとされていたヒョウモンダコであるが、近年、日本国内、九州以北の海でも目撃されるようになっている。温暖化による海水温の上昇により生息域が拡大しているためと考えられており、温暖化の影響がこんなところにまで及んでいるのかと思うとぞっとする。

アンボイナガイ~海中最強クラスの毒を持つ貝

イモガイという貝をご存知だろうが。世界中に分布する巻貝の一種で、貝殻の表面に美しい模様を持つ貝だ。
ほぼ全種のイモガイはエサをとるために歯舌が発達した毒銛を持っている。

そんなイモガイの中でもトップ、いや地球上の生物の中でもトップクラスの猛毒を持つのがアンボイナガイという貝だ。
アンボイナガイをはじめとするイモガイ類はコノトキシンという神経毒を有しており、この毒を獲物に刺して麻痺させることで捕獲する。

潮干狩りやダイビング中などに誤ってアンボイナガイに手を出した人間に対しても同様で、毒の強さはインドコブラの持つ毒の37倍とも言われている。他の刺毒性の魚などと異なり、アンボイナガイに刺された時の痛みはそれほどではないので油断することがあるかもしれないが、なにも処置しなければ30分とたたずにめまいや歩行困難、血圧低下、呼吸困難といった症状を引き起こし、悪化すれば数時間で死に至る可能性もある。

アンボイナガイは別名、「ハブガイ」や「ハマナカー」とも呼ばれている。
これはハブのように強い毒を持つことや、海中で刺された場合、岸にたどり着くことができずに浜の間辺りで絶命する、という意味からきており、アンボイナガイの猛毒がどれほど恐れられているかよくわかる名前だ。

アンボイナガイに刺された場合はすぐさま刺された患部から心臓に近い所を紐などで縛って毒を吸い出して応急処置をし、迷うことなく病院に行ってほしい。基本的にはアンボイナガイをはじめとするイモガイの仲間に触らなければ刺されることはないのだが、九州や沖縄で食用され、潮干狩りでも採られている「マガキガイ」によく似ている。

このマガキガイ、塩ゆでや煮つけにするととても美味で酒の肴にうってつけなのだが、自身で採集する際にはアンボイナガイと間違えないように気を付けてほしい。
アンボイナガイの貝殻の美しさからコレクションする収集家もいるというが、採集する場合にはよくよく気を付けていただきたい。
美しいものにはトゲがあるとはまさにその通りだ。

最後に

母なる海はその雄大さと美しさで誰をも拒まずに受け入れてくれる。しかし、海中に一歩踏み込めばそこは弱肉強食の世界。
無知や少しの油断が死を招く危険が満ちた世界なのだ。

それが仕事であろうとレジャーであろうと、海と共に生きるのであれば私たちは彼らのテリトリーに入っているという自覚と覚悟を持たなければいけないのかもしれない。

参考
自然毒のプロファイル 厚生労働省
沖縄県HP 海の危険生物

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