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見つけても絶対に触らないで!日本三大有毒草!!

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あらゆる生物の至上の命題は種の保存であろう。
いくつかの動植物の中には自らの体内に毒を生成することで外敵から身を守り、今日まで生を繋いできた。
その毒のあまりの強力さ故、日本三大有毒草という恐るべき植物があるのをご存知だろうか。

目次

日本三大有毒草とはなにか

日本には口にするだけで、触れるだけで死の危険すらある有毒植物が数多存在する。
そんな数多くある毒草の中で、その毒性の強さや危険性から選ばれた日本三大有毒草というものがある。トリカブト、ドクゼリ、ドクウツギの3種の植物だ。

今回はそれぞれの植物ごとの特徴や毒性を紐解いていきたい。
これからがアウトドアの本格シーズンに入っていく。キャンプがブームの昨今、知らず知らずにうちに触れてしまう事もあるかもしれない。多くの人々がこれら猛毒植物の被害に遭わないことを切に願っている。

トリカブト

日本の有毒植物の代表として真っ先に名前があがることも多いトリカブト。
世界的に見ても最強クラスの猛毒植物と言われている。

推理小説にたびたび登場したり、実際の事件でもトリカブトの毒が扱われたことがあるため、その名前は知っているが、どのような植物か知らないという人も多いと思われるが一体どのような植物なのか。

トリカブトとはどんな植物か

トリカブトは北海道から本州に至る山地や高地、そしてまれに平地に約30種の仲間が自生する比較的ポピュラーな植物だ。
秋には舞楽の装飾品の一種である鳥兜に似た花を咲かせ、トリカブトの名前の由来にもなっている。

花の色は秋には紫が一般的だが、白、ピンク、黄色の花をつける種もあり、美しく可憐な色合いで、知らぬうちに登山客や散策者の目を楽しませていることも多いだろう。
葉の大まかな形は紅葉に似ており、円心形で、葉先に向かって3から5方向に深く割けている。
品種の差や個体差があるものの、別れた葉先はギザギザとしたのこぎり状になっているのが特徴だ。

トリカブトの毒性

トリカブトは根や茎、葉はもちろんのこと、花や花粉、蜜に至るまでの全草にアコニチン、アコニンといったアルカロイド類の猛毒を含んでいる。もしも誤って口にしてしまった場合、口内の痺れを感じた後、嘔吐や不整脈、血圧低下、呼吸困難、臓器不全などを起こし、心停止で死亡することもある。

人間が摂取した際の致死量は3~4mgとされており、トリカブトの葉、約1gとかなり少量の摂取でも命に関わるのだ。
その上、トリカブトの毒は中毒症状が現れるのが早く、摂取量によるものの、口に入れて10分から20分で中毒症状が現れ、食べて1分以内に死亡することもある。毒の強さと共にこの即効性も、トリカブトが世界トップクラスの有毒植物と呼ばれる所以となっているのだろう。

また、経口摂取以外にも、経皮吸収、経粘膜吸収されるため、素手で触ったり摘んだりしただけでも中毒症状を引き起こす可能性がある。
まさに「触らぬ神に祟りなし」を体現する有毒植物なのだ。

猛毒植物として昔から有名なトリカブトであるものの、未だに解毒薬や特効薬はなく、摂取した場合は胃洗浄や呼吸管理といった対症療法しかなすすべがない。
万が一にもトリカブトを口にしたり、触れた場合には速やかに医療機関にかかってほしい。

トリカブトの注意点

もちろん、トリカブトを採らない、触らない、口にしないは大前提になってくるのだが、トリカブトは食用可能な山菜・野草と姿形が似ており、誤食による中毒が毎年のように後を絶たない植物だ。

特に間違われやすいのが、山菜でもあるニリンソウだ。ニリンソウの葉は食感のよさと淡白な味わいから春の山菜として昔から食用されている。
このニリンソウとトリカブトは葉の形がとてもよく似ている上、生息地が被っている(なんなら隣同士に生えていることも少なくない)ため、誤って採集、誤食する事例が頻発しているのだ。

日本国内でも2009年と2012年にニリンソウとトリカブトを間違えて食べて死亡する事故が発生している。

この2種には葉の切り込みの深さ違う、葉の厚みが違う、トリカブトの開花時期が秋であるの対し、ニリンソウの開花時期は春、といった相違点があるのだが、個体差もあるため素人が確実に見分けるのは難しい。
山菜取りに出掛ける際には、山菜や野草に詳しい者と同行し、見分けに迷ったら採らない、食べないのが望ましいだろう。

ドクゼリ

春の七草の1つにも名を連ねるセリ。
特に1月7日の人日の節句の頃には七草がゆの食材としてスーパーや八百屋などで見かけることも多い。

そんな「セリ」に「ドク」を冠したドクゼリとはどのような植物なのか。
ドクゼリは意外にも私たちの身近にある植物なのだ。

ドクゼリとはどんな植物か

ドクセリは、北海道から九州までの日本国内広いエリアに分布している。
割合と大型の多年草で草丈は1mにもなる。
地下茎は緑色で短い節があり、節間は中空になっていてタケノコの断面にも似ている。

水辺や沼地、小川といった湿地に自生していて、6~7月になると白く小さい花を球体状に咲かせるのが特徴だ。
田んぼのそばや川べりの散策中に知らず知らずのうちに見かけている人もいるかもしれない。

ドクゼリの毒性

ドクゼリは全草に猛毒のシクトキシンなどの毒を含有している。
シクトキシンとは、延髄や中脳といった中枢神経系を刺激する毒とされており、摂取するとけいれんや呼吸困難、めまい、意識障害などを引き起こし、最悪の場合死亡することもある。また、シクトキシンは吸収が早いので迅速な治療が生死を分ける鍵となってくる。

呼吸困難を引き起こしている場合には気道を確保する応急処置が重要となってくる。
強制利尿や血液透析によってすぐさま毒の成分を体外に排出する必要もあるため、ドクゼリを口にした可能性伝えた上で早急に医療機関にかかってほしい。

ドクゼリの注意点

先にも書いた通り、ドクゼリは食用でもあるセリの名に「ドク」を冠しているだけあってその見た目がセリによく似ている。加えてドクゼリとセリは生息地が同じであるため、隣り合って生えている場合も多い。

春先の摘み時には、セリは草丈が10〜15㎝位、7~8月頃の花期でも30㎝程度な一方、ドクゼリは春先の芽だしから大きく育ち、花期には草丈1mにも成長する。しかし、自然相手のこと故、個体差があるため草丈のみで判断するのは危険だろう。

草丈以外の見分け方として、においがある。
セリの葉には独特の強い香りがあるとされているので判別の一助になるだろう。また、ドクゼリの方には太い地下茎があるため、このことかもセリと区別することができる。
しかし、このドクゼリの地下茎が緑色で、一見すると同じく川辺で育つワサビに見た目が似ているため、誤食も発生しているのが実状だ。

ドクゼリの地下茎はタケノコのように節の間に空間があるため、これを手がかりにワサビと判別することは可能だ。過去にはある企業の職員食堂でワサビと間違えて採取したドクゼリが振舞われ、36人がけいれんなどの中毒症状を引き起こすという集団食中毒が発生している。

幸いにも死者こそ出なかったものの、重体1人を含む4人が集中治療を受け、12人が入院という事態になった。
セリもワサビも専門家の管理の下で栽培され、市販されている食材だ。
判別に自信のない方はおとなしくそちらで購入する方が無難だろう。

ドクウツギ

同じ日本三大有毒草のトリカブトやドクゼリに比べてやや知名度が劣る感も否めない植物、ドクウツギ。
しかし、その見た目から毒があると知らなければ、触れてみたくなる、口にしてみたくなる誘惑の多い植物でもある。
ドクウツギの誘惑とはなんなのか、その毒牙にかからぬよう、ぜひ覚えておいていただきたい。

ドクウツギとはどんな植物か

ドクウツギは漢字で書くと「毒空木」、その名の通り樹木の一種だ。北海道から本州の日当たりのよい荒れ地に自生している。テラテラとした細長い葉が、枝を挟んで長く対になるように生えている。

4~5月頃に花を咲かせ、その後、6~8月頃に初めは赤く、後に黒っぽい紫色に変色していく実をつける。
ドクウツギの木はかつて、私たちの住む身近にも自生していたのだが、有毒という危険性ゆえ見つかると伐採、除去されてきた歴史がある。

そのため、近年では人が多く住むエリアで見かけることは少なくなっており、地方や山地でときたま見かけられるある意味で希少な植物になりつつある。

ドクウツギの毒性

ドクウツギは全草が有毒で、コリアミルチン、ツチン、コリアリンといった数種の毒成分が含まれている。
特に即効性の猛毒とされているコリアミルチンの毒性が強く、誤って口にすると中枢神経が刺激され、激しい嘔吐やけいれんの後、全身麻痺や呼吸困難を引き起こして最悪の場合は死に至るとされている。

ドクウツギの場合、誤食しやすいのは実の部分であると考えられるため、ドクウツギの実とみられるものを口にしてしまった場合はすぐに吐き出し、早急に医療機関を受診することをおすすめする。

ドクウツギの注意点

有毒であるにも関わらず、ドクウツギを思わず口にしてしまいたくなる魅力の1つがその実にある。
つき始めの赤い実は同時期に実がなるキイチゴにも似ており、いかにもおいしそうであるし、黒っぽくなった実も見た目がブルーベリーによく似ていておいしそうだ。
しかも、見た目がおいしそうというだけでなく、食べると甘味があり実際においしいそうなのだ。

万が一にも調子に乗って短時間のうちに次々に口に運べば、本当に三途の川に片足を突っ込む事態となり得る。
口にしないまでも、子どもなら採ってままごとなどの遊びに使ったり、大人でさえも採集して飾りたいと思う人がいてもおかしくない、魅力的な植物なのだ。

ドクウツギは別名、「イチロウベイ殺し(一郎(市郎)兵衛殺し)」とも呼ばれている。特に第2次世界大戦前、幼い子ども達が口にし、次々に食中毒死したことに由来する名だ。
先人たちの犠牲と反省、そしてこの別名に込められた想いを決して無駄にしないよう、ドクウツギの危険性を認識していきたいものだ。

最後に

人間に害をなす有毒植物が数多く存在する中で、毒の危険性や即効性ゆえに名付けられた日本三大有毒草。
過去には数多の人を危険にさらし、その命すら奪ってきた。

私たちは己の知識に過信せず、知らない猛毒を持つ植物がすぐ身近に生息していることを忘れずに生活していかなければならないのだ。
さもなければ、いつ毒の恐怖が己の身にふりかかるかわからないのだから。

参考
厚生労働省・自然毒のプロファイル
東京都健康安全研究センター
東京都福祉保健局

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