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ガンダム設定!宇宙世紀トップクラスのオカルト技術「サイコミュ」

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「超能力」と聞いて、日本人なら1回は「スプーンを曲げようとした」事があるのでは?・・・とか言うと歳がバレてしまうどころか、怪訝な顔をされてしまうかもしれない令和の時代。
そんな中でも「SF超技術」の一角としてその存在感を・・・・いや増しているのが「機動戦士ガンダム」シリーズにおける「サイコミュ(技術)」ではないでしょうか?

第一作「機動戦士ガンダム」にてその姿を表わして以来、モビルスーツという存在によって戦争の在り方が一変した世界を、更に歪で凶悪なものに歪めかねない威力を示す一方。その力の源とした「人間の精神」を巡る争いにまで発展を見せるという、オカルティックですらあるものにまで領域を拡大させ、その後の物語へ大きな影響を与えるものとなっていきました。

その圧倒的「過ぎる」存在感と複雑怪奇に発展・拡大を続ける、歪な分野「サイコミュ」。
今回は設定方面から、その内容へ踏み込んでみたいと思う次第です。

目次

「サイコミュ」「ビット」「ファンネル」様々に戸惑わせる・・・

「サイコミュ」とは何なのか…という問題提起を前にして、何気に問題となるのが「サイコミュ」とはそもそも何を指す言葉なのか、その言葉自体が良く分からないという部分があるかもしれません。
筆者自身、割と最近になるまで「ビット」と「ファンネル」と「サイコミュ」の違いは何ぞやと、作品を眺めながら首を捻った覚えがあるもので、名称や機能が乱立する事で理解の及ばない不可解な存在として印象付けられたとも言えます。

根本となる「技術」・・・人間の思念から発せられるエネルギー波形「思考波(後に感応波=サイコ・ウェーブとも呼ばれる)」を捕捉・増幅する事で「信号」として復号。
ミノフスキー粒子環境下での通信障害にも対応出来る「通信技術」として研究開発されたのが「サイコ・コミュニケーター(psyco communicator)」であり、この略称が「サイコミュ」とされ、後に様々な応用技術が確立されていく過程で略称が定着していったものと見られます。

尚この「サイコ・コミュニケーター」という呼称は、直訳すれば「精神交信器」とでも言う物、より砕けた言い方をすれば「(電話機ならぬ)念話機」とでも言う物になります。

このように言ってしまうと胡散臭い感じではありますが、こうした「軍事技術として大真面目に超能力めいたものを研究する」というのは、敵に先んじて優位性を確立したいと考える状況では珍しい事でもない。
先の冷戦時代でも積極的にこうした研究が行われたという記録も存在するもので、宇宙世紀におけるジオン公国も過去の例に倣ったと言えるのでしょう。

サイコミュの目的・・・

ともあれ胡散臭さはさておき「サイコ・コミュニケーター=サイコミュ」という名付けから考えると、目標としたのが高精度な通信、つまり「会話のような形で適切に意思疎通が出来る電波通信に代わる技術」であったと考えられます。
しかし技術的に確立出来たのは、後に「ニュータイプ」と称されるようになる一部の人間に顕著な「ミノフスキー粒子に干渉し、特異的な振動を形成する脳波」を利用した「遠隔操作技術」に留まるものになったとされます。

これは「思考波(感応波)」が性質として「言語ではなくイメージ」を「一方的に送りつける」もので、信号として「やり取り」を行うには適さないものであった為と言われます。
また、サイコミュ技術には粒子加速によって生成されたミノフスキー粒子が必要であるという性質上、装置の大型化を余儀なくされるという技術障壁もあり、実験的な運用もかなり難航するものであったとされています。

エルメスとビット・・・・

これらの問題点を踏まえて「一年戦争」の期間に完成へと至ったのがモビルアーマー「エルメス」に搭載された「ビット」でした。後に「オールレンジ兵器」という分類を生む事になるこの超兵器は、搭乗者の極めて強力なニュータイプ能力を最大限に活かす設計として、「大火力と高機動性を持たせる為の動力源を搭載させた自走砲」という設計が為されたものでした。

この設計によって「エルメス」は単独戦力ながら戦艦にも匹敵する戦力となった一方、「ビット」それ自体が小型戦闘機程もある巨大なものとなってしまう取り回しの悪さが指摘されるものになりました。
「ビット(bit=小片、欠片などの意味)」という名称は、こうした「小さな機体」であるという意味からついたものだった、かもしれません。

この「完成形」と言える水準に達した「ビット」に実用性を持たせる程の「ニュータイプ」が、一年戦争当時は他に「発見されていなかった(アムロやシャアですら疑惑レベルとされる)」等の理由から、それ以上の「発展」を見せる事は無く、従って「ビット」の定義化等も行われないままとなりました。

ちなみにジオン公国の最終兵器となった「ジオング」を象徴する両腕。
ワイヤーで接続こそされているものの、有効範囲内であれば自走し、五指からの強力なビーム砲をあらゆる射角から放つ「有線ビーム砲」は「オールレンジ兵器に準ずるもの」として、後に現れる「インコム」を代表とする分類が存在します。

「インコム」は「インカム」「インターカム」と現実において称される、「有効範囲内で通信出来る機器」と意味を同じくする開発コードネーム等と見られます。
巻き取り型のワイヤーで母機と有線接続され、常人でも可能とされる範囲での「思考波」の運用に搭載されたコンピューターでの操縦補助(comがinしてるのでincomと呼んでいる面も?)を加える事で、「オールレンジ兵器」には劣るものの、複雑で強力な多角攻撃を可能にしたものでしょう。

フラナガン機関と・・・・

「思念で自分の身体を動かすようにモビルスーツのスムーズな操縦を行う」という発想から「操縦補助」や「駆動部の改良による機動性向上」といった目論見により、「バイオセンサー」や「マグネットコーティング」と呼ばれる派生技術が「MSV」等の「語られざる物語」にて存在が仄めかされた事もありました。

これらの技術は「一年戦争」の後、敗軍となったジオン公国の中でも「暗部」とされた「フラナガン機関」の研究成果として秘匿扱いとなりますが、皮肉にもその研究を引き継いだ地球連邦によって更に闇を深くした「ニュータイプ研究所」へと「発展」を遂げる事となりました。
その「成果」は「ガンダム」という物語を大きく拡げる「爪痕」を数々残しましたが、本稿で特筆すべき点は「ビット」に新たな発展が見られた事でしょう。

「サイコミュ」を軍事技術として飛躍的に発展させた「ニュータイプ研究所(の一つであるムラサメ研究所)」が、その狂気を具現化させたと言える超大型可変モビルアーマーである2機の「サイコガンダム」。
その内「サイコガンダムMk-Ⅱ」に搭載された「レフレクター・ビット」が「ビット」という分類を発展・深化させたものであったと言えます。

「~ビット」という名称を受け継いでいる事がうかがわせるように、40m級という巨大な母機に収納する事を前提とした「巨大な子機」である事に加え、攻撃能力ではなくビーム偏向機能を持たせた「防御用」の無線端末。
母機が発射する大量のビームを複雑に反射させ、死角から攻撃するという用途にも転用可能な「多機能性」を持たせたものとして描かれています。

ファンネル・・・

一方、同時期に「フラナガン機関」から地球連邦へ下らなかった残党が「エルメス」のデータを元に、後継機として作り上げた高性能モビルスーツ「キュベレイ」に初めて搭載されたのが「ファンネル(funnel)」とされます。

こちらは、最初に搭載されたのが「漏斗(funnel)型」であった事から付けられた名称であるとされ、性能についても20m前後のモビルスーツに合わせたサイズに収まるよう見直しが為された結果。
自前のエネルギー源を搭載せず、母機に収納・供給する事で稼働距離・時間及び威力に制限が課せられたものの、小型軽量化が一挙に進んだとされます。

この二者の存在から「子機それ自体が大型で自走用のエネルギー源を持つ事により多機能・高火力であるもの=ビット」とし、「母機が収納してエネルギーを供給する事で、小型・軽量化が為され、数と小回りによって標的を圧倒するもの=ファンネル」という大まかな区別出来るようになった…と言いたい所ではありますが・・・。
その後の作品において兵器としての応用概念は相互交換するような形で交錯していく事となり、兵器の進化傾向として「小型・高精度・大容量化」を良しとする向きからか「ファンネル」が「ビット」の性能を吸収するようにして高性能・多機能化を果たして行くような形となりました。

代表的なものとしては「劇場版機動戦士ガンダム~逆襲のシャア~」において描かれた「νガンダム」が試験的ながら搭載に成功した「ファンネルの完成形」とも目される「フィン・ファンネル」があります。
これは「ファンネル」の名称を受け継ぎながら大容量のエネルギー源を搭載し、大火力と強力な防御フィールドまでも展開出来る多機能性を両立させた極めて強力な兵装として描かれています。
かくして「ガンダム」という物語における「英雄」や「強敵」を象徴する存在として確立された「オールレンジ兵器」、「サイコミュ」という「技術分野」の一角でありながら、その存在感によって物語の色彩を深めるものになっている事がうかがわれるのではないでしょう。

超能力、オカルト、いや「軍事技術」?!地獄への扉を開いたのか?「サイコミュ」を設定を掘り下げ

体系立てられた技術としては「人間の能力を利用する通信技術」である「サイコミュ」は、結果が最優先される軍事研究という場において、政治宣伝的な利用価値である「人類の革新」という歪めた選民思想を後ろ盾とするような形となる。その有用性の部分を抽出して先鋭化させる「思考遠隔操縦」の技術として大きく発展していったというのが宇宙世紀における大まかな流れとなりました。

この発展の方向性を形作る技術的な原因となったのが、ニュータイプ能力によって発現される「交感能力」が発見当時には発現から日が浅い「未成熟な能力」である。そもそも「発現が確認出来た」能力者が極めて希有である事から技術的・現象的な検証も覚束無い上に、個々人の資質にその強弱が大きく左右される事で通信として必要な要件であった。

双方向性が事実上期待出来ず、その一方で空間の隔たりすらも超越した強力な共時性を持って、遠隔地へ信号を送信出来るといった条件が揃ってしまった為等が考えられます。

やっぱりミノフスキー粒子

この「一部の人間に発現する希少な能力」、それはともすれば冷戦期などに見られた「超能力」。
研究が如き証明も検証も十分とは言えない、オカルトめいたものとなりかねませんが、これを客観的に証明可能とし、再現性に基づく実用性を与える立役者となったのが「ミノフスキー粒子」でした。

この経緯についてはあまり多くが語られていないものの、少なくとも「一年戦争」の時点においてサイコミュ技術の第一人者であった「フラナガン博士」を責任者とする秘匿機関「フラナガン機関」が設立された。
大型の装置を必要とはしたものの「ニュータイプ能力者の思考波をミノフスキー粒子によって振動として受信、電波した振動を信号として変換、増幅した後機械信号として遠隔地の子機に実行させる」という、実効性ある装置として完成にまで到っていたという事実から、「再現可能な理論・技術」として確立されていた事を物語っています。

この知見が示す重要な点は、基本的に人間の内側に留まるものであったはずの「思考」という形作られた神経電位が「ミノフスキー粒子を介する事」で「同時的に電気信号へ変換」出来たという事です。

「ミノフスキー粒子」とは「素粒子の一種」であるとされ、粒子加速する事で格子構造を取り、質量を持たないにも関わらずマイクロ波以上の電波(一部の放射線)を格子構造へ閉じ込めるという特異な性質。電子戦を封じ込める目的で広く空間散布が行われた他、大型戦艦からモビルスーツまで広く用いられる熱核融合炉やビーム兵器のエネルギー源としても不可欠となり「宇宙世紀を形作った素粒子」と言えます。

つまり作中では言明されていませんが、可能性として「ニュータイプの存在が明らかに認知された要因」として「ミノフスキー粒子に広く満たされた宇宙である」という事が考えられるも。広く捉えると「ミノフスキー粒子の影響でニュータイプが客観的に認知出来る存在になった」と言えるかもしれません。

ミノフスキー粒子とサイコミュ

「ミノフスキー粒子」それ自体は高速で拡散する性質や、格子構造に捕えるのが「電波(一部の放射線)」であるという事から、電子回路等へのシールドが必要とされる。人体への影響については、熱核融合炉内の高エネルギー状態でも無ければ直接的には有り得ないだろうと考えられるものでした。

しかし「サイコミュ」技術の場において、少なくとも装置として成立出来る事から、逆説として「ミノフスキー粒子の存在がニュータイプを明確にした」という事が見えて来るような構造にはなっています。
「サイコミュ」技術が提示している非常にオカルティックながら技術的な「深淵」と言えるのが、「ミノフスキー粒子の振動パターンによって「究極的には人の意識を保存出来る=魂を記録する」事が出来るかもしれない。

流石にこの事例については再現性が無い、物語上の「奇跡」か、或いは個々人の鮮烈な印象に過ぎないものとして留まったものではあります。理屈の上では可能性が否定出来ないものとして、「サイコミュ」技術の底知れぬ可能性を物語るものです。
壮大な神秘でありながら、それを技術の方面へと強く引き寄せようとした中で、複雑な色彩に彩られる存在となった「サイコミュ」技術の魅力は受け手の数だけ存在するのかもしれません。

原作者の意図

この能力の「本質」が何であったのかという事について、原作者である「富野由悠季」氏は「嘘偽りや誤解の無い精度の高い思念のコミュニケーション」を想定したとしている。その内実については、多くの作品を渡り歩く過程で様々に解釈がもたらされた結果、現在に至るも根本的に「何が起きているのか」を明示するまでには至っていないと言えるものとなっています。

その為、ある意味において「人間の不完全性」というものを極めて広範に受け容れ、物語の拡張性に大きく寄与を果たして居ると言える。作品に関わった人達の間においても、長らく論争の種となる「極めて根源的な問い掛け」でもあるという両面性を持ち合わせた存在となっています。

この問題をどう受け止めるかという「見方」が「ガンダムという物語」をどう楽しむかという問題にも繋がり、壮大なテーマの入口を、本稿では「兵器」という切り口からアプローチしてみる事となりました。
ここからまた、様々に楽しみを拡げて頂ければ幸いです。

日の当たらない用語や設定に人は何故これ程情熱を注ぎ込むのかと問われれば、現実だって分かってる事の方が少ないんじゃないでしょうかと言いたい、めんどくさい系設定アレコレ大好き人間として生きています。

※画像はイメージです。

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